ロキソニンテープは、市販で購入できる?
鎮痛剤として有名な「ロキソニン」には、飲み薬だけでなく湿布薬もあるのをご存じですか?「ロキソニンテープ」という名称で医療用医薬品として使われているほか、市販薬としても購入することが可能です。
今回は、ロキソニンテープの種類や使い方、注意点などについて解説します。
購入可能な市販薬とは?
市販薬として購入できる商品は以下の3つです。
ロキソニンSテープ
ロキソニンSテープには、有効成分のロキソプロフェンが5.67%含まれます。
ロキソニンSテープは「スイッチOTC医薬品」と呼ばれる種類の市販薬です。医療用医薬品と全く同じ成分の薬を指します。
使用実績が十分で効果も安全性も高い薬だけが、スイッチOTC医薬品として販売可能です。医療用医薬品の「ロキソニンテープ」を作っているのは第一三共という製薬会社で、ロキソニンSテープはそのグループ会社が作っています。
大判サイズの「ロキソニンSテープL」も選べます。
ロキソニンEXテープ
ロキソニンE Xテープは、有効成分であるロキソプロフェンが、ロキソニンSテープより高濃度(8.1%)で配合されています。さらに、血行促進成分トコフェロールが配合されている点が医療用のロキソニンテープとの違いです。
トコフェロールはビタミンEのことで、血行を促進して痛み物質がとどまらないようにする作用があります。
ロキソニンEXテープは、ロキソニンSテープよりも少し厚みが改善され、薄いです。また、大判サイズの「ロキソニンEXテープL」も選べます。
ロイヒ膏ロキソプロフェン
市販では数少ないロキソプロフェンの「温感タイプ」の貼り薬です。ロキソニンEXテープと同じで、有効成分のロキソプロフェンは8.1%と高濃度含まれています。
無臭なので、出かける日にも使いやすいです。通常の湿布薬はスースー・ひんやりしますが、「温感タイプ」はじんわり温かく感じるもののことで、慢性化した痛みに向いているといわれます。
大判サイズの「ロイヒ膏ロキソプロフェン大判」もあります。
医療用医薬品としての基本情報
医療用医薬品の「ロキソニンテープ」について、使い方や注意点をご紹介します。
ロキソニンテープの主成分とは?
主成分は、ロキソプロフェンで、NSAIDs(エヌセイズ)と呼ばれる種類の成分です。飲み薬の「ロキソニン」と同じ成分が使われています。
他の市販のNSAIDs貼付薬(成分:ケトプロフェン)とは違い、1日1回貼るだけで比較的長く効果が続くのが特徴です。
ロキソニンテープの効能は?
ロキソニンテープは、変形性関節症・筋肉痛・外傷後の腫れや痛みに対して効能が認められています。
ロキソニンテープの使い方
ロキソニンテープは、1日1回患部(症状のある部位)に貼付します。
貼っていて「効果がなくなってきた」ように感じたとしても、1日の間に何度も貼り替えてはいけません。スースー・ピリピリするような感覚がなくなったとしても、成分はしっかり皮膚から吸収されています。
ロキソニンテープの医療用医薬品の種類
医療用医薬品の「ロキソニンテープ」には、3種類あります。
・成分量の違い
ロキソニンテープ50mg/100mg
50mgは、100mgと比べると成分量が半分で、大きさも半分です。小さいので、関節など動きの大きな部位にも貼りやすくなっています。
・タイプ(剤形)の違い
ロキソニンテープは、薄いシート状で肌色のため、目立ちにくく剥がれにくいという特徴があります。
ロキソニンパップは水分を多く含んで柔らかい素材のもので、昔ながらの「湿布」です。ひんやりとした感触が気持ちよいと感じる方が多いですが、目立つこと・剥がれやすいことが難点といえます。
特に効果には違いがありませんので、好みの方を選びましょう。
ロキソニンテープの注意点
ロキソニンテープの副作用や、使用する際に注意すべきポイントを解説します。
アスピリン喘息の方は使用できない
NSAIDsと呼ばれる種類の鎮痛薬で喘息発作を起こしたことがある方は、ロキソニンテープを使用できません。
外用剤(湿布薬)は副作用がなく安全と思われることが多いのですが、湿布薬でも飲み薬と同様の副作用が生じます。以下のNSAIDsで喘息発作を起こしたことがある方は、ロキソニンテープを使用しないでください。
先発品の名称 | 成分名 |
ロキソニン錠 | ロキソプロフェン |
ボルタレン錠・坐剤 | ジクロフェナク |
セレコックス錠 | セレコキシブ |
ナイキサン錠 | ナプロキセン |
モービック錠 | メロキシカム |
ハイペン錠 | エトドラク |
バファリン配合錠※、 バイアスピリン錠 |
アスピリン |
※市販の「バファリン」の中には、アスピリンが含まれているものと含まれていないものがあるので注意
よくある副作用は「皮膚症状」
ロキソニンテープは頻度の高い副作用が少ないのですが、かゆみや接触皮膚炎には注意が必要です。
特に、65歳以上の方は若い頃と比べて皮膚が弱くなり、副作用が出やすいことが知られています。同じ場所に繰り返し貼らずに、少しずつ位置をずらして使うとよいでしょう。皮膚症状が出ているときは、ロキソニンテープを貼らずに症状の改善を待ってください。
皮膚が弱い自覚のある方は、ロキソニンテープではなくロキソニンパップがよいかもしれません。
妊婦は医師と相談が必要
「ロキソニン錠」を妊娠中に飲めないことは、ご存じの方もいるかもしれません。同じ成分である「ロキソニンテープ」も、妊娠中は使用できないので注意が必要です。
ロキソニンテープの成分が胎児に移行して胎児の腎機能が低下したり、羊水過小症を引き起こしたりする可能性があります。
また、妊娠中期・後期に使用すると「胎児動脈管収縮」を起こすかもしれません。動脈管というのは胎児にしかない血管で、お腹の中で血液や酸素を効率よく体内をめぐらせるためのものです。ロキソニンをはじめとしたNSAIDsによって、この動脈管が閉じてしまうことを胎児動脈管収縮と呼び、胎児の健康に影響します。
まとめ
今回は、有名な鎮痛薬「ロキソニン」の湿布薬である「ロキソニンテープ」の特徴や注意点についてご紹介しました。
副作用がなく安全というイメージを持たれがちな湿布薬ですが、しっかり使い方を守らなければ問題が起こってしまいます。1日に何度も貼り替えないこと、皮膚症状があるときには貼らないこと、妊婦は医師と相談することを守ってください。