フケ・かゆみを防ぐ効果のあるシャンプー・リンスなどのヘアケア用品

フケとは、新陳代謝によって古くなった頭皮が剥がれ落ちることでできるものです。頭皮の新陳代謝は誰でも行われているため、フケが出ない方はいません。健康な方の場合、フケの大きさは小さく目立たないため、問題とならないことがほとんどでしょう。

しかし、なんらかの原因でフケの量が増えると、フケ症となります。フケが出るだけでなく、炎症を起こして赤くなったりかゆみを伴ったりすることも少なくありません。見た目も不衛生になるため、フケ症を気にする方は多くいます。

フケには、ベタつきのある「湿性フケ」と、サラサラとしている「乾性フケ」の2種類があります。

湿性フケは脂性フケとも呼ばれており、一つ一つのフケのサイズが大きく全体的にベタついています。湿性フケになる原因は、皮脂の過剰分泌やシャンプー不足です。

皮脂量が多い状態が続くと、マラセチア菌という真菌の一種が繁殖してフケが出やすくなります。マラセチア菌が皮脂を分解して作る遊離脂肪酸には炎症を引き起こす働きもあるため、同時に頭皮が赤くなったりかゆみが出たりすることが多いでしょう。

この状態は、一般に脂漏性皮膚炎とも呼ばれています。頭皮だけでなく、眉間や鼻の際にも症状が出やすいことが特徴です。

乾性フケとは、頭皮の乾燥が原因で起こるフケのことです。シャンプーのしすぎや洗浄力の強すぎるシャンプーの使用が原因で起こります。皮脂は頭皮の健康を守るために必要なものですが、過度に奪いすぎることでバリア機能が低下してフケになってしまうのです。

1日に何度もシャンプーをしないこと、洗浄力が強すぎるシャンプーは使用しないことが乾性フケを治すポイントとなります。

フケを治す方法としては薬を使う手段もありますが、日頃から使っているシャンプーをフケ対策に効果的なものに変えるのも一つの手です。フケの種類に合わせて適切なシャンプーを選びましょう。

湿性フケの場合は、マラセチア菌を殺菌できる成分が入っているシャンプーを選ぶことが大切です。マラセチア菌に効果がある成分としてはミコナゾールやサリチル酸が知られています。

ミコナゾールは抗真菌成分の一つで、マラセチア菌の殺菌に一般的に使用されている成分です。サリチル酸はミコナゾールほどの効果はありませんが、殺菌作用をもっています。

乾性フケの場合は、頭皮の皮脂を適度に残すことが大切です。シャンプーの洗浄成分にはいくつか種類があり、なかでもアミノ酸系やベタイン系は刺激が少なく洗浄力が強すぎないことで知られています。

「ココイル◯◯」とつく成分はアミノ酸系、「コカミドプロピルベタイン」「ラウラミドプロピルベタイン」はベタイン系の成分です。パッケージの表示を見て、これらの成分が使われているかを確認しましょう。

また、保湿成分であるグリセリンやヒアルロン酸、セラミドなどが配合されたものもおすすめです。

では、フケの原因別におすすめのシャンプーを紹介します。配合成分や特徴について解説しているので、こちらを参考に自分に合うものを見つけてみてください。

メディクイックH頭皮メディカルシャンプーは、マラセチア菌の殺菌に効果のあるミコナゾール硝酸塩と、炎症を抑えるグリチルリチン酸ジカリウムが配合されたシャンプーです。スッキリとした洗い心地ですが、洗浄成分にアミノ酸系の成分が使われているため皮脂を奪いすぎずちょうどよく洗い上げてくれます。

コラージュフルフルネクストのシリーズには、シャンプーにもリンスにもマラセチア菌の殺菌に効果的なミコナゾール硝酸塩が配合されています。シャンプーには、さらに抗酸化・抗菌作用を持つオクトピロックス^Ⓡが配合されていることも特徴です。「すっきりさらさらタイプ」と「うるおいなめらかタイプ」とがあるので、髪質に合わせて選びましょう。

アミノ酸系とベタイン系の洗浄成分を使用したシャンプーです。導入美容液成分である酒粕エキスやグリセリンなどが配合されています。フケ専用のシャンプーではありませんが、髪の毛をなめらかな触り心地に整えてくれるため、乾燥しやすい方に向いている商品といえるでしょう。

フケやかゆみなどのトラブルがある方向けのシャンプーです。炎症を抑えるグリチルリチン酸ジカリウムに加え、保湿成分のオレンジ油やユーカリ油が配合されています。赤ちゃんから使える優しさです。

NOV ノブ シャンプーDSは、頭皮のうるおいを取り除きすぎないような処方で作られています。お肌が敏感な方でも使えるようなアミノ酸系とベタイン系の洗浄成分が使われているため、皮脂を奪いすぎることがありません。

フケは、新陳代謝によって頭皮が剥がれ落ちることでできます。量が多い場合はフケ症かもしれません。湿性フケの場合はマラセチア菌に効果のあるミコナゾールやサリチル酸、乾性フケの場合は洗浄力が強すぎず頭皮のうるおいを残してくれるシャンプーがおすすめです。

フケの種類に応じてシャンプーやリンスを変えても症状が改善しない場合は、皮膚科を受診しましょう。フケの原因に合わせた薬を処方してもらえるので、ヘアケア用品のみを頼るよりも早くフケが改善する場合があります。