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更新日:2023/01/16

市販薬のメジコンせき止め錠Proについて薬剤師が解説!医療用メジコン錠との違いは?ほかの咳止めに比べて効果、副作用の違いは?

「市販薬のメジコン咳止め錠Proと医療用のメジコン錠は何が違うの?」
「市販されているほかの咳止めとは違いがあるの?」

 

医療用のメジコン錠は、咳止めとしてとても有名です。2021年に「メジコン咳止め錠Pro」が販売され、市販でも手に入るようになりました。今回は、市販薬と医療用のメジコンにどのような違いがあるのかについて見ていきましょう。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター 岡本 妃香里

メジコンせき止め錠Proとは?

メジコンせき止め錠Proとは、医療用として処方されているメジコン錠と同じ成分が配合された咳止めです。シオノギヘルスケアから販売されており、現在は20錠入りと40錠入りの2種類があります。

有効成分はデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物です。そのほかの成分は配合されていません。デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物は咳止めの成分ですので、咳に特化した薬といえます。

市販薬だと咳止めとして売られている薬でも抗ヒスタミン薬やカフェインなどが配合されているものが多くありますが、メジコンせき止め錠Proは咳止め成分しか含まれていません。
余計な成分を含まない珍しい商品だといえるでしょう。15歳以上から服用できますので、15歳未満の方には飲ませないように注意してください。

配合成分と量は医療用のメジコン錠15㎎と同じ!

市販薬のメジコンせき止め錠Proは、医療用のメジコン錠15mgとまったく同じ成分が同じだけ含まれています。ただし、用法用量には違いがあるので注意しましょう。

市販薬は1回2錠を1日に3回まで服用するようになっていますが、医療用のメジコン錠15mgは1回1~2錠(15~30mg)を1日1~4回服用するようにとなっています。医療用の場合は使う方の年齢や症状に合わせて量が調節して処方されるのです。
市販の場合は自己判断での調節はできないため、勝手に量を増減せず記載されている用法用量を必ず守って服用してください。

 メジコンせき止め錠Pro  メジコン錠15mg
市販薬か
医療用か
 市販薬  医療用
有効成分 デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物 デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物
有効成分の量
(1錠あたり)
 15mg  15mg
用法用量 1日3回、服用間隔を4時間以上おいて1回2錠を服用する 通常、成人にはデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物として1回15~30mgを1日1~4回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

有効成分デキストロメトルファンとは?

メジコンせき止め錠Proの主成分は、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物です。これ以外の成分は一切含まれていません。

デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物は、市販されている多くの咳止めや風邪薬に配合されている成分です。効果や安全性が高いことから、よく用いられています。咳止め薬には麻薬性と非麻薬性の2種類があり、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物は非麻薬性の咳止め成分です。延髄にある咳中枢に働き、咳を止めてくれます。

麻薬性咳止めと非麻薬性咳止めとは?

咳止めの成分には、大きくわけて麻薬性非麻薬性のものとがあります。それぞれの違いについて見ていきましょう。

麻薬性咳止め成分

麻薬性の咳止め成分には、コデインリン酸塩ジヒドロコデインリン酸塩などがあります。非麻薬性の咳止め成分と比べると効果が高いことで知られています。

「麻薬」と聞くと不安になるかもしれませんが、用法用量を守って正しく服用すれば大きな問題が起こることはありません。ただし、長期的に服用することで依存性が起こることがあるため、咳の症状があるときに一時的に使用するようにしましょう。

非麻薬性咳止め成分

非麻薬性の咳止め成分としては、メジコンせき止め錠Proにも使われているデキストロメトルファンの他、チペピジンノスカピンなどが知られています。効果は麻薬性の咳止め成分と比べるとやや劣りますが、依存性がないことが特徴です。

ただし、デキストロメトルファンは非麻薬性でありながら麻薬性のコデイン類と同じくらいの咳止め効果を示すことがわかっています。そのため、医療現場でもよく用いられているのです。

メジコンせき止め錠Proを服用するときの注意点

メジコンせき止め錠Proの主成分であるデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物は、医療現場でもよく用いられています。しかし、だからといって何も気にせず服用してよいわけではありません。

乗物の運転はしない

デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物は、副作用で眠気が出やすい成分です。そのため、服用後は車の運転や機械の操作などを避けるようにしてください。添付文書にも「服用後、乗物または機械類の運転操作をしないでください」と記載されています。

総合感冒薬などと併用しない

総合感冒薬のほか、ほかの咳止め薬や鎮静薬、鼻炎薬や酔い止めの薬とは併用できません。併用することで成分が重複したり副作用が表れやすくなったりします。

痰が絡む咳には向かない

痰が絡む咳が出る方は、メジコンせき止め錠Proのような咳止め薬ではなく痰を取り除く去痰薬を使用するようにしましょう。咳を止めることで痰が排出されづらくなり、症状が悪化する可能性があります。「コホコホ」と乾いた咳が出る方向けの咳止め薬ですので注意しましょう。

まとめ

メジコンせき止め錠Proは、医療用のメジコン錠とまったく同じ成分を含む咳止め薬です。主成分としてデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物が配合されています。これ以外の成分は含まれていないので、市販の咳止め薬としてはとても使いやすい商品だといえるでしょう。

眠気が出やすかったり一緒に服用できない薬があったりするので、購入する際は薬剤師や登録販売者に相談すると安心です。

 

〈参考資料〉
メジコンせき止め錠Pro_添付文書
メジコン錠15mg/メジコン散10%_添付文書