

アブに刺されたときの正しい対処法|NG行動と市販薬のおすすめも紹介!
キャンプや川遊びでアブに刺されると、強烈な痛みと腫れが襲ってきます。
慌てて掻いたり温めたりすると、かえって症状が悪化することも。
この記事では薬剤師が、アブ刺され時に「やるべきこと」と「やってはいけないこと」を徹底解説!
さらにおすすめ市販薬や、受診すべきケースも紹介します。


第1章 アブに刺されたらすぐやるべき応急処置とNG行動
まず最優先ですべき応急処置
アウトドアやレジャー中にアブに刺されたら、まずはスピード勝負です。
痛みや腫れを少しでも抑えるため、できるだけ早く正しい応急処置を始めましょう。
【1】 流水と石鹸で患部を洗浄
刺された直後は、まず水道水と石鹸で患部を優しく洗い流すことが大切です。
ゴシゴシこすると逆効果なので、泡で包み込むように洗浄しましょう。
【2】 保冷剤や冷水でしっかり冷やす
洗浄後は、すぐに保冷剤や冷水で患部を冷やします。
血管を収縮させることで、腫れや痛みの悪化を防ぎます。
氷を直接当てるのは避け、タオルなどで包んで使いましょう。
【3】 市販薬を使って初期症状を抑える
冷却後は、市販薬で炎症やかゆみを抑えるのが効果的です。
ステロイド成分や抗ヒスタミン成分を含む外用薬が、症状悪化の防止に役立ちます。
(具体的な市販薬は第3章で紹介します)
この「洗う→冷やす→守る」の流れを覚えておくと、冷静に対応できますよ。
絶対にやってはいけない行動とは?
応急処置と並行して、絶対に避けたい行動も押さえておきましょう。
知らずにやってしまうと、かえって症状が悪化することがあります。
掻く
かゆくても掻くのは厳禁です。
皮膚が傷つき、感染症を引き起こすリスクが高まります。
温める
血行が促進されることで、腫れや痛みがさらに悪化します。
患部はできるだけ冷やす意識を持ちましょう。
放置する
「そのうち治るだろう」と放置するのは危険です。
腫れやアレルギー反応がひどくなることもあるため、すぐに対処が必要です。
応急処置のポイントをおさらいしよう
ここまで紹介した応急処置をまとめると、
アブに刺されたときにすべきことは、とてもシンプルです。
【1】流水と石鹸でやさしく洗う
【2】冷水や保冷剤でしっかり冷やす
【3】必要に応じて市販薬を使う
この「洗う→冷やす→守る」の3ステップを徹底すれば、アブ刺されの悪化はかなり防げます。
実際、薬剤師の私も冷やすのを後回しにしてしまった経験があり、
一晩で腕がパンパンに腫れたことがあります。
それ以来、「刺されたらすぐ冷やす!」を徹底しているとのことです。


第2章 アブ刺されの症状と放置すると起こるリスク
アブ刺されで起こる主な症状
アブに刺されると、まず感じるのは鋭い痛みです。
これは、アブが鋭い口器で皮膚をかみ切り、血液を吸うために起こるものです。
続いて、強い腫れが刺された周囲に広がります。
赤く腫れあがり、かゆみも次第に強まっていきます。
これらの反応は、アブの唾液成分に対するアレルギー反応が原因です。
症状の変化:刺された直後〜数時間後〜翌日
アブ刺されは、時間の経過とともに症状が変化していきます。
刺された直後
→ 激しい痛みと出血が起こることが多いです。
数時間後
→ かゆみが強くなり、赤みと腫れが広がります。
翌日以降
→ 触ると熱感を持つようになり、腫れがさらに硬くなる場合もあります。
特に翌日以降に患部が硬く腫れたまま戻らないときは、注意が必要です。
他の虫刺され(蚊・ブユ・ハチ)との違い
アブ刺されは、他の虫刺されとは明確な違いがあります。
とくにアブ刺されは、「刺された瞬間から痛い」+「時間とともに腫れが強くなる」という二段階で症状が悪化する点が特徴です。
放置した場合のリスク
アブ刺されを放置すると、思わぬトラブルを招くことがあります。
具体的に見ていきましょう。
アレルギー反応
アブの唾液成分により、皮膚が過剰に反応することがあります。
広範囲に腫れたり、強いかゆみや熱感が続く場合は、早めの対策が必要です。
感染(蜂窩織炎)
患部を掻き壊してしまうと、細菌感染を引き起こしやすくなります。
感染が進むと、蜂窩織炎(ほうかしきえん)と呼ばれる重篤な皮膚の炎症を起こすこともあります。
腫れがどんどん広がる、赤みが濃くなる場合は要注意です。
アナフィラキシー
ごくまれにですが、アブ刺されでも全身性の強いアレルギー反応(アナフィラキシー)が起こることがあります。
刺された後、息苦しさ、全身のかゆみ、めまい、意識障害などが出た場合は、すぐに救急対応が必要です。
応急対応の重要性を忘れずに
アブ刺されは、放置すると思っている以上に症状が悪化するリスクがある虫刺されです。
最初の段階でしっかりと洗浄・冷却・市販薬での初期対応を行うことが、本当に大切です。
実は、薬剤師の私も、昔「たいしたことないだろう」と思って放置した結果、
二次感染を起こして皮膚科通いになったことがあります。
今は、刺されたら即冷却・即対処を徹底しています。


第3章 症状別おすすめ市販薬と病院受診の目安
軽い腫れ・かゆみにはこれ!
ムヒアルファEX
特徴:ミディアムクラスのステロイドと、抗ヒスタミン成分を配合。かゆみと炎症をすばやく抑えます。
おすすめな人:刺された場所が軽く赤くなっているだけ、かゆみがそこまで強くない人。
対応症状:軽度の腫れ、かゆみ、赤み。
冷感タイプなので、暑い季節にも使いやすい一本です。
強い腫れ・痛みにはこれ!
リンデロンVsプレミアム軟膏
特徴:ストロングクラスのステロイドに加え、皮膚修復成分、血行促進成分、殺菌成分も配合。炎症・腫れ・感染予防をまとめてサポート。
おすすめな人:刺された部分が真っ赤に腫れている、熱を持ってズキズキ痛む人。
対応症状:中~重度の腫れ、痛み、熱感。
ベタつきにくいクリームタイプもあり、好みに応じて選べます。
掻き壊し・感染リスクがあるならこれ!
フルコートf
特徴:ストロングクラスのステロイドに加え、抗生物質を配合。炎症を抑えながら、傷口からの感染を防ぎます。
おすすめな人:かゆみで掻き壊してしまった、刺し跡がじくじくしてきた人。
対応症状:掻き壊しによる傷、二次感染リスクの高い症状。
感染まで進んでしまうと治療が長引くので、早めの対応がカギです。
どんな時に病院へ行くべき?
市販薬を使っても、すべてのケースが自己処置で済むわけではありません。
次のような症状が出た場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。
・腫れや痛みがどんどん広がる
・発熱する
・患部から膿が出る
特に、膿が出る、熱感が強い場合は、細菌感染(蜂窩織炎など)に進んでいる可能性が高いです。
この段階では、抗生物質の内服や点滴が必要になるケースもあります。
市販薬で5日以内に改善しないなら
アブ刺され後に市販薬で対応しても、
5日以内に明らかに症状が改善しない場合は、必ず皮膚科へ行きましょう。
長期間、市販薬だけで粘ってしまうと、
重症化して完治まで時間がかかるリスクがあります。
少しでも不安を感じたら、迷わず専門家に相談するのがおすすめです。
市販薬と受診の正しい判断基準を知ろう
アブ刺されの市販薬選びは、症状に応じた適切な判断がポイントです。
・軽いかゆみ・赤み → ムヒアルファEX
・強い腫れ・痛み → リンデロンVsプレミアム
・掻き壊し・感染リスク → フルコートf
そして、
5日以内に改善しない場合は、必ず皮膚科を受診してください。
早めに対応することで、後悔しないケアができます!
まとめ|アブ刺され対策の決め手
●アブに刺されたらすぐに洗浄・冷却が必須
水道水と石鹸で患部を洗い、保冷剤などでしっかり冷やしましょう。
●市販薬は症状に応じて選ぶ
軽いかゆみならムヒアルファEX、強い腫れにはリンデロンVsプレミアム、掻き壊しにはフルコートfが適しています。
●掻く・温める・放置は絶対にNG
悪化や感染のリスクが一気に高まるので注意が必要です。
●市販薬で5日以内に改善しなければ皮膚科へ
自己判断で長引かせるより、早めの専門家対応が大切です。
●重症化防止には初動がすべて
最初の10分間で対応できるかどうかが、回復スピードを左右します。
アブに刺されたとき、痛みや腫れが強いとすごく焦ってしまいますよね。
でも、冷静に「洗って冷やして守る」だけでも、症状の悪化はぐっと防げます。
市販薬も、なんとなく選ぶのではなく、今の自分の症状に合ったものをきちんと使うことがとても大事です。
薬局に並んでいるたくさんの薬の中から、ぴったりの一本を選べるだけでも、ケアの質はまるで違ってきます。
もし、「腫れが大きい」「痛みが引かない」「なんか違和感がある」と感じたら、
ためらわずに皮膚科へ行ってくださいね。
プロの診断を早めにもらうことが、安心への一番の近道です。
アブ刺され、きちんと対処すれば怖くありません!
楽しいアウトドアシーズンを元気に過ごしましょう!
【参考情報】
この記事の作成にあたり、以下の公式情報を参考にしています。
ご自身での確認や商品選びの際にご活用ください。
◆ メーカー公式製品情報
・池田模範堂|ムヒアルファEX 製品情報(医薬品・かゆみ止め)
・シオノギヘルスケア|リンデロンVsプレミアム 製品情報(医薬品・ステロイド外用剤)
・田辺三菱製薬ヘルスケア|フルコートf 製品情報(医薬品・ステロイド+抗生物質外用剤)