bannerbanner sp
お薬コラム
Medication Column List
画像
更新日:2025/10/02

風邪で病院は何科に行く?近くの病院を探す前に知っておきたい受験の目安

鼻水、のどの痛み、熱っぽさ――「風邪かな?」と思ったとき、まず悩むのが「どの科に行けばいいのか」という点です。

 

間違った診療科に行くと診てもらえなかったり、二度手間になることも。

 

特にお子さんの発熱や長引く咳では不安も大きいですよね。

 

本記事では、症状別に適した診療科と受診すべき目安を、薬剤師の視点でわかりやすく解説。

 

近くの病院探しに役立つヒントも紹介します。

薬剤師ライター クロロボ
画像

第1章|風邪のとき「何科に行けばいいの?」症状別の正しい選び方

まず結論!多くの風邪は「内科」でOK。

発熱や倦怠感、関節のこわばりなど全身に出る症状が主役なら、最初の受診先は内科が妥当。

内科は感染症の初期評価に慣れており、必要時は耳鼻咽喉科・呼吸器内科などへ適切に橋渡しをしてくれる。

「最短で正しい入口に入る」ことが、回り道や再受診を避ける近道になる。

内科が“最初の窓口”って安心感ありますよね。

筆者としては、どの科か迷う段階では内科を起点にするのが合理的という立場。

診断の見立てと必要検査の選択まで到達できるから、次の一手が早い。

 

鼻・のど・耳が中心なら「耳鼻咽喉科」へ。

鼻水、鼻づまり、のどの強い痛み、声枯れ、耳閉感など局所にピンポイントで症状が集中しているなら耳鼻咽喉科が合う。

耳鼻科は視認・処置のアプローチが強み

のどの腫れを直視でき、吸引・ネブライザー・局所処置で「その場で楽にする」手が多い。

とくに強い咽頭痛鼻副鼻腔の不快感が主役のときは、内科より短距離で解決に向きやすい。

のど見てもらう“即効感”、やっぱ耳鼻科ならではだね〜!

 

咳や痰が続く場合は「呼吸器内科」も視野に。

咳が主役で連日目立つ/痰が絡む/胸がヒューヒューする音など呼吸器寄りの所見が目立つときは呼吸器内科が適任。

呼吸機能検査、胸部画像、気道過敏性の評価など肺・気道の専門的評価が早い。

「風邪っぽい咳」の顔をしながら、実は気管支の過敏化(いわゆる咳ぜんそく)に入っているケースもあり、早めの見立てが後々の長引きを防ぐ。

咳って、思ったよりしつこいことあるんだよね〜。

 

子どもの発熱は「小児科」が基本。

年齢によって評価の基準が違うため、小児の発熱・鼻風邪は小児科が基本

子どもは脱水や中耳炎の合併に気づきにくく、症状の自己申告が難しい。

小児科なら年齢・体重に応じた用量設計家庭でのケア指示が具体的で、安全域が高い。

 

ミニエピソード|“症状の主役”を見極めるだけで変わる。

先日、のどの痛みと乾いた咳で来局された方が、まず耳鼻科を受診。

のどの炎症には処置が奏功したが、咳は改善が鈍いとのこと。

内科に回ったところ、気道の過敏化(ぜんそく)が背景にあり、吸入治療が追加になって一気に楽になった。

 

結論はシンプル

「今いちばん困っている症状」を主役にして科を選ぶ。

これだけで回り道はぐっと減ります。

画像

第2章|この症状は病院に行くべき?受診のタイミングの見極め方

風邪の症状で見る「病院へ行く目安」

発熱が3日以上続く・38℃を超える → 受診を

「様子を見れば下がるかも」と思っても、丸2〜3日を超えて続く発熱は、早めの受診が安全です。

38℃を超える熱が続く、あるいは一度下がっても再び上がる場合は、肺炎や細菌感染などの合併を見落とすおそれがあります。

筆者としては、解熱鎮痛薬で一時的に熱が下がり、症状が隠れてしまうケースを現場でよく見ます。

薬で“熱だけ下げて”判断を遅らせないようにしましょう。

熱が続くと心配になるよね…。無理せず早めに受診しよっか。

 

咳・痰が1週間以上続く → 注意サイン

風邪のあとの咳は自然に軽くなることも多いですが、7日以上続く場合は医療機関で評価を受けたほうが安心です

痰が増える、黄色や緑に変わる、夜間や早朝に咳き込みが強くなるといった変化も、受診の理由になります。

呼吸音のゼーゼーやヒューヒュー、階段での息切れは気管支の過敏化や気管支炎の可能性があります。

「長引き方」そのものが、診断のヒントになることもあります。

咳が続くと、ぜんそくっぽくないか心配になるよね…。早めに診てもらお!

 

息苦しさ・胸痛・顔色の悪化は即受診

呼吸困難感や胸の圧迫感・痛み、会話が途切れるほどの息切れは、時間を置かずに受診が必要です。

顔色の蒼白、冷や汗、脈の速さが目立つときも、待つ理由はありません。

高熱よりも「呼吸」や「循環」の異常が優先サインです。

家庭での対応は休息と保温にとどめ、移動手段を確保して速やかに医療機関へ向かいましょう

 

子ども・高齢者は早めに受診

子どもは脱水・中耳炎・肺炎の進行が早いため、次のような症状が見られたら早期受診が必要です。

食事や水分が取れない機嫌が悪くぐったりする呼吸が速い尿が少ない発疹を伴うなど。

高齢者は発熱が軽くても全身状態の変化が強く出ることがあります。

食欲低下、ふらつき、急なせん妄(ぼんやり・会話の不一致)など、熱よりも全身の変化を重視してください。

子どももお年寄りも、悪化が早いから心配だよね…。迷ったら早めの受診が安心だよ!

 

2〜3日様子を見てよいケースと“見切りライン”

軽い鼻水やのどの痛み、微熱で全身状態が保たれている場合は、水分・休養・市販薬で2〜3日ほど経過観察しても問題ありません。

ただし「少し良くなってまた悪化する」あるいは「症状が広がる(鼻 → 咳 → 息切れ)」ような経過は、早めの受診が安心です。

筆者としては、働き世代ほど受診が後回しになりがちなので、週をまたぐ前を目安に動いてほしいと感じます。

“続くかどうか”が受診のサインです。3日ルールを覚えておきましょう。

 

画像

第3章|よくある質問Q&A

風邪をひいたとき、「どこに行けばいいのか」「いつ受診すべきか」「誰に相談すればいいのか」と迷う方は多いです。

ここでは、実際によく寄せられる5つの質問を、薬剤師の立場からわかりやすくまとめました。

 

Q1. 「近くの病院」はどう探せばいいですか?

A. 「症状+診療科」で検索するのが確実です。
たとえば「風邪 内科」「咳 耳鼻科」「子ども 発熱 小児科」など。
検索ワードを具体的にすることで、受診すべき科がすぐに見つかります。

 

Q2. 「内科と耳鼻科」どちらに行けばいいか迷うときは?

A. 全身の症状が出ているときは内科、鼻やのどが中心なら耳鼻咽喉科です。
内科は発熱や倦怠感など、全身の不調を幅広く診られます。
一方で、のどの痛みや鼻水が主な場合は耳鼻咽喉科が適しています。

つらい場所が広ければ内科、部分なら耳鼻科だね!

 

Q3. 発熱や咳があるけど、受診のタイミングがわかりません。

A. “続くかどうか”が判断のポイントです。
次のような場合は受診をおすすめします。
・発熱が3日以上続く
・38℃を超える高熱がある
・咳や痰が1週間以上続いている
3日以上の発熱は、風邪以外の感染症や細菌の合併を疑うサインです。
一度下がっても再び上がる場合も受診を。
解熱剤で隠れているケースもあるため注意してください。
息苦しさや胸の痛み、強い倦怠感がある場合は、すぐに受診しましょう。
子どもや高齢者は、軽症でも早めが安心です。

『発熱が3日続く』は受診のサインです。早めに医師へ相談しましょう。

 

Q4. 子どもの風邪で小児科が混んでいるときはどうすればいいですか?

A. 基本は小児科ですが、軽症なら「小児対応の内科」で診てもらえることもあります。
ただし、すべての内科が子どもを受け入れているわけではありません。
年齢制限や対応外のこともあるため、事前に電話で確認しておくのが確実です
また、
・水分がとれない
・ぐったりしている
・息が荒い
といった場合は、迷わず小児科を受診してください。
休日や夜間で受診が難しい場合は、「発熱外来」や「当番医」を検索しておくと安心です。

 

Q5. 病院に行くか迷うとき、薬剤師に相談してもいいですか?

A. もちろんです。薬剤師は受診が必要かどうかの判断をサポートできます。
薬剤師は「市販薬で様子を見ていいか」「病院を受診すべきか」を一緒に考えます。
次のようなときは、まず薬局で相談してみてください。
・症状が軽いけれど不安なとき
・市販薬の選び方がわからないとき
・服用中の薬と併用してよいか迷うとき

薬剤師は“相談の入り口”です。迷ったら遠慮せず声をかけてくださいね。

 

まとめ|受診の判断で迷ったときに思い出してほしいこと

風邪の多くは内科でOK:発熱・倦怠感など全身症状を診てもらえる。 鼻・のどが中心なら耳鼻咽喉科へ:鼻水やのどの痛みが主なら専門診察が早い。 3日以上の発熱・1週間続く咳は要受診:風邪以外の感染症のサイン。 子どもは小児科が基本:ただし「小児対応内科」がある場合は事前確認を。 迷ったら薬剤師へ相談を:受診すべきか、市販薬で様子を見るべきかを一緒に判断できる。

風邪を疑ったときは、焦らず順番に動くことが大切です。

症状の中心を見て、相談先を決める。

それだけで迷いや不安はぐっと減ります。

無理せず、放置せず。

その姿勢が、健康を守るいちばんの近道です。

 

【参考情報】
この記事の作成にあたり、以下の公式情報を参考にしています。
受診の判断や相談先の確認にご活用ください。
厚生労働省|大人の症状は「#7119」救急相談
厚生労働省|子どもの症状は「#8000」小児救急電話相談
日本小児科学会|ONLINEこどもの救急(発熱の目安ページ)