市販薬でもみずむし(水虫)治療ができる!
たくさんの方が悩んでいる「みずむし」、放置していませんか?
みずむしは、しっかりと決められた期間治療をおこなわなくては、治りきらずに何度も繰り返してしまうやっかいな病気です。
今回は、みずむしを治療できる市販薬について、どのように選べばよいか、そして治療のポイントは何かについて解説します。
みずむしの原因はカビの一種
水虫の原因は、白癬菌というカビの一種です。お風呂場にできたカビは、表面をさっと掃除したくらいではなかなか退治できませんよね。それと同じで、足や爪にできたみずむしも、しっかり治すまでには根気が必要です。
主に、足の指の間やかかとなどにできる「足みずむし」と、爪の周りや内側にできる「爪みずむし」に分けられます。
「足みずむし」なら市販薬で治療が可能
それほど重症でない「足みずむし」なら、市販の塗り薬で治療が可能です。爪の内側には、塗り薬が浸透しません。爪みずむしの場合は、病院にかかって飲み薬などで治療する必要がありますので、市販薬を使った治療はできません。
みずむしに効果のある成分(抗真菌薬)をご紹介します。
成分名(抗真菌薬名) | 塗布回数 | 補足 |
---|---|---|
ビホナゾール | 1日1回 | 1日1回を厳守 |
ラノコナゾール | ||
ブテナフィン | ||
テルビナフィン | ||
ミコナゾール | 1日1回 | 病院での処方薬は1日2~3回 |
オキシコナゾール | ||
クロトリマゾール | 1日2~3回 | |
トルナフタート |
これらの成分は、すべて病院の処方薬を同じもの。市販薬でも、正しく使えばみずむしをしっかり治療することができます。
みずむしを市販薬で治療しよう
では、爪以外のみずむしを市販薬で治療するときにはどうしたらよいのでしょうか。みずむしになった時は、以下を参考にして、自分に合った治療薬を選んでください。
市販薬はどう選ぶ?
みずむし治療薬を選ぶときは、以下の順番で考えてみましょう。
①本当にみずむし?(市販薬で治療してよいか)
今まで一度も病院でみずむしと診断されたことがない方は、一度皮膚科へ行ってください。みずむし以外の病気の可能性を除外する必要があります。前にみずむしになったことがあり、同じような症状の場合は市販薬を使ってもよいでしょう。
②痒みはある?皮膚が厚くなってない?(他の成分が必要か)
痒みがある場合は、痒み止め成分が配合された薬もよいでしょう。「ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン」などが痒み止め成分です。または、痒み止めのクリームを別で塗ってもかまいません。ただし、痒み止めのクリームを別で塗りたい場合は、ステロイドが入っていないものを選んでください。ステロイドが入っていると、みずむしが悪化してしまいます。
・ブテナロックVαクリーム
クロルフェニラミンを含む、3種類の痒み止め成分が配合された製品で、つらい痒みを伴う方におすすめです。
かかとなど皮膚が厚くなっている部分は、なかなか薬が浸透しません。「尿素」などが配合されているクリームを使用すると、皮膚が柔らかくなるためおすすめです。
・メンソレータムエクシブWディープ10クリーム
有効成分の尿素が硬くなった皮膚を軟らかくし、抗真菌薬「テルビナフィン」が浸透しやすい皮膚の状態を作ります。
そのほか、痛み止め成分の「リドカイン」、スッキリ感をもたらしてくれる「メントール」などが配合された薬もあります。患部の状態・症状に合わせて必要な成分を使いましょう。
特に症状がなければ、みずむし治療の成分(抗真菌薬の成分)だけのシンプルな塗り薬で十分です。塗り薬であっても副作用やアレルギー反応のリスクはありますので、必要な成分だけを使うように意識しましょう。
・ラミシールATクリーム
抗真菌薬「テルビナフィン塩酸塩」の単独製剤ですので、かゆみなど症状が無い方にオススメです。1日1回で効果を発揮します。
③1日に何回塗れる?(1日何回の薬を選ぶか)
薬を塗り忘れやすい、昼間は仕事だから薬を塗る時間がないなど、人によって事情はさまざまあると思います。あまり頻繁に薬を塗れない方は、1日1回の塗り薬がよいでしょう。
④どんな剤形がよい?
剤形というのは、軟膏、クリームなど薬の形のこと。剤形によっても特徴があるため、使い分け方法をご紹介します。
どんな患部にも比較的使いやすいのは、軟膏でしょう。刺激が少ないため傷のある患部にも使えるほか、成分の種類も豊富です。
クリームは、多少刺激がありますが、軟膏よりもベタつきが少なめで伸びがよいので、使用しやすいと思います。
液体タイプは、軟膏やクリームのベタつきが苦手な方、乾燥したみずむしの方におすすめ。ただし、患部に傷やひび割れがある方は、沁みて痛みを感じてしまうかもしれません。また、患部がジュクジュクと湿った方には向きません。
患部がジュクジュクと湿っている方は、パウダータイプを使うと患部をサラサラに維持できるため、不快感を軽減できるでしょう。
スプレータイプは、広範囲にサッと塗りたい方、手を汚したくない方に向いています。お出かけ先でも使いやすいです。
処方薬ではクリーム・軟膏・液体の3種類しかないので、スプレーやパウダーを使いたい方は市販薬で同じ成分のものを探すのもよいのではないでしょうか。
・ブテナロックVαスプレー
スプレータイプですので、広範囲に塗るのに効果的です。また、患部の狭さ、広さに合わせて使用できる切替ノズルを採用しています。
・ブテナロックVα爽快パウダー
マイクロパウダーがグジュグジュの水虫に効果的です。
治療のポイント
しっかりとみずむしを治療しきるために、また、同居する家族に移さないために、大切なことをお伝えします。
・毎日、決められた回数、薬を塗ること
→1日に塗る回数が少ないと、薬の効果が切れている時間ができてしまい、治療がうまくいきません。
・みずむしのある部分は、しっかり乾燥させること
→みずむしの原因である白癬菌は、湿気の多い場所を好んで増殖します。お風呂上がりなどは、足の指の間までしっかり水分を拭き取りましょう。夏に革靴などの湿気のこもりやすい靴を履く方は、職場ではスリッパに履き替えるなどするとよいです。
・みずむしがよくなったように見えても、1カ月以上治療を続けること
→みずむしは、2週間程度治療をしていると、見た目には治ったように感じられます。ですが、まだ白癬菌は残っていて、活動を止めているだけ。みずむしを繰り返してしまう1番の原因は、治療期間が短いことです。最低でも1カ月は治療をし、見えない白癬菌まで退治しましょう。
・家族とバスマットやスリッパを共有しないこと
→みずむしは、家族内で移りやすいため注意が必要です。みずむしのある方は最後に入浴し、バスマットはその都度洗濯します。トイレやベランダなどのスリッパを共有しないよう、別のものを用意するようにしましょう。お風呂上がりも、水分をしっかり拭き取ったあとは靴下を履くと安心です。
まとめ
今回は、みずむしを市販薬で治療するときのポイントをお伝えしました。
みずむし治療薬は、病院で処方される成分と同じものが市販薬で売られており、市販薬でもしっかりと治療することが可能です。
種類がたくさんありますので、自分のみずむしの状態や生活スタイルに合わせて、ぴったりの市販薬を選び、根気強く治療してください。
<参考資料>
・公益社団法人日本皮膚科学会. 皮膚科Q&A. 白癬