

薬剤師が解説|日焼け止めの選び方とおすすめ3選【成分の違いもやさしく解説】
「日焼け止めってどれを選べばいいの?」
「種類によって何か違いはあるの?」
ドラッグストアに行くと、数百円で購入できるものから数千円するものまでさまざまな種類の日焼け止めが販売されています。そのため、どれを選べば紫外線から肌を守れるのか迷ってしまう方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、日焼け止めの選び方や配合されている成分による違いなどについて解説します。おすすめの日焼け止めについても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。


日焼け止め(サンスクリーン剤)とは?
日焼け止めとは、紫外線からお肌を守るためのアイテムです。日焼けするのが嫌だから、という理由だけで日焼け止めを使っている方もいるかと思いますが、紫外線の影響はなにも日焼けだけではありません。
• シミ
• シワ
• たるみ
• 免疫機能の低下
• 良性腫瘍
• 皮膚がん
シミやシワをはじめ、健康にも多くの影響を与えるのです。日焼け止めは、こういった紫外線の影響から守るために必要となります。ちなみに地上に届く紫外線にはUV-AとUV-Bの2種類があり、それぞれの紫外線に対してしっかり対策を行うことが大切です。
UV-Aは、お肌の深いところまで届いてコラーゲンやエラスチンなどを変成させるため、シワやたるみの原因になります。
UV-Bは、お肌の表面にしか影響を及ぼさないものの、日焼けや皮膚がんなどに関係があるため注意が必要です。
日焼け止めに使われている成分の種類
紫外線からお肌を守る成分としておもに使われているのが、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の2種類です。どちらが使われているのかによって、使い心地や皮膚への影響が変わります。
紫外線吸収剤
紫外線吸収剤とは、化学反応を利用して紫外線をほかのエネルギーに変換することでお肌を紫外線から守る成分のことです。「ケミカル」と呼ばれることもあります。代表的な成分は次のとおりです。
• メトキシケイヒ酸オクチル
• ジメチルPABAオクチル
• t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン
皮膚に塗っても白くならないため、使い心地がよく多くの日焼け止めに配合されています。重ね塗りをしてもお肌が白くならないので、しっかりと塗りたい方は紫外線吸収剤のほうが使いやすいでしょう。
ただし、まれに紫外線吸収剤の成分でお肌がかぶれてしまう方がいます。心配な方は次に紹介する紫外線散乱剤がメイン成分のものを選んでみてください。
紫外線散乱剤
紫外線散乱剤とは、紫外線を反射して散乱させることによりお肌を守る成分です。厳密にいうと、紫外線を吸収する働きもあります。使われているのは、おもに次の2つの成分です。
• 酸化亜鉛
• 酸化チタン
白浮きしやすいというデメリットがありますが、紫外線吸収剤よりもアレルギーを起こしにくいため、子どもやお肌が敏感な方でも使いやすいという特徴があります。
「ノンケミカル」と表記されているものは、こちらの紫外線散乱剤が使われているタイプの日焼け止めです。子供用や敏感肌の方向けの日焼け止めとして販売されているものは、ほとんどが紫外線吸収剤ではなく紫外線散乱剤が使われています。


日焼け止めの選び方
日焼け止めを選ぶときに押さえておきたいのが
①PAやSPFの値、②使われている成分、③剤形
の3つです。これらをチェックして選ぶことで、自分に合った日焼け止めを見つけやすくなります。
PAやSPFの値で選ぶ
PAはUV-A、SPFはUV-Bをカットする効果を表す指標です。PAは「PA++」のように表示され、「+」の数が多いほどUV-Aをカットする効果が高くなります。
PA+++以上のものであればある程度の防御効果が期待できるでしょう。
SPFは「SPF30」や「SPF50+」のように表示され、値が高いほどUV-Bを多くカットすることが可能です。
「とりあえずPAとSPFが高いものを選んでおこう」と日焼け止めを選ぶ方も多いと思いますが、実は日常使いならSPFは30もあれば十分だといわれています。
ちょっとした買物、屋外で軽くスポーツをする程度ならSPF30のもので問題ありません。
炎天下のなかで長い時間外に居続けたり、海やプールなどで遊んだりする場合はSPF50程度のものを選びましょう。
今はどの日焼け止めも改良されて使い心地がよくなっていますが、SPFが高くなるほどお肌が重く感じてしまうこともあるので、シーンによって使い分けるのがおすすめです。少し外に出る程度ならPA+++以上でSPF30以上あれば紫外線対策はバッチリできます。
ノンケミカルかどうかで選ぶ
紫外線吸収剤入りの日焼け止めでお肌が荒れた経験がある方、敏感肌の方、子どもにも使える日焼け止めを探している方は、ノンケミカルと表記のある日焼け止めを選んでみてください。
ノンケミカルの日焼け止めに使われている紫外線散乱剤は、ほとんどアレルギーを起こすことがありません。紫外線吸収剤が危険というわけでは決してありませんが、刺激を受けやすい方はノンケミカルのものを選んだほうが安心です。
剤形やテクスチャーで選ぶ
ベタつきが苦手な方はジェルやローション、お肌にしっかり馴染ませたい方はクリーム、手を汚さずさっと塗りたい方にはスプレーやスティックタイプのものが向いています。
ただし、ジェルやローションはさらっと塗れるため、薄づきになりやすい点に注意が必要です。どのタイプの日焼け止めを使う場でも、2~3時間おきの塗り直しが推奨されています。汗で落ちたり衣服でこすれて取れてしまったりするためです。
おすすめの日焼け止め3選【2025年版】
日焼け止めは、肌質や使う場面に合わせて選ぶのが大切です。
ここでは、目的別に使いやすい3製品を、わかりやすくご紹介します。
1. 毎日使いにちょうどいい。コスパ重視の人におすすめ!
ニベアUV ウォータージェル SPF50
ポンプ式でたっぷり使える大容量タイプ。
さらっと軽いジェルなので、毎朝のスキンケア後にも手軽に使えます。
SPF50・PA+++で、通勤・通学・買い物などの日常の紫外線対策にぴったりです。
2. 汗・水に強い。レジャーやスポーツにぴったり!
アネッサ パーフェクトUV スキンケアミルク NA
海やプール、炎天下での外出に頼れる日焼け止め。
SPF50+・PA++++の高い防御力に加え、汗や水でも落ちにくいウォータープルーフ処方。
しっかり守りながら、肌になじむ軽い使用感も魅力です。
3. 肌が弱い人や子どもにも。敏感肌用のやさしい処方!
キュレル 潤浸保湿 UVエッセンス
紫外線吸収剤を使わないノンケミカル処方で、肌への刺激が少ないタイプ。
セラミド配合で保湿力も高く、乾燥肌の方にもおすすめです。
SPF30・PA++と、日常使いにちょうどよい紫外線カット効果があります。
▼ポイントまとめ
・日常使い:ニベア → 軽くて使いやすい、コスパも◎
・アウトドア・スポーツ:アネッサ → 紫外線カット力&耐久性◎
・敏感肌・子ども用:キュレル → 低刺激&保湿効果あり
まとめ
日焼け止めを使うことで、日焼けはもちろん紫外線によるシミやシワ、皮膚がんの予防などができます。白残りしにくいものがよい方は紫外線吸収剤、アレルギーが起きにくいものがよい方は紫外線散乱剤が入ったものを選ぶとよいでしょう。
ついついSPFやPAが高いものを選びがちですが、日常使いならSPF30以上、PA+++以上あれば問題ありません。シーンに合わせた日焼け止め選びを行っていきましょう。