

薬剤師が教える!本当に効果的な蚊対策グッズ|家族を守る正しい選び方と使い方
「どの虫よけが本当に効くの?」と感じたことはありませんか?
市販の蚊対策グッズは多種多様ですが、成分や使用法を間違えると効果が薄れることも。
本記事では、薬剤師である筆者が、有効成分や安全性の観点から“本当におすすめできる蚊対策グッズ”を厳選。
室内・屋外・外出先など、シーンに応じた正しい使い方も併せて解説します。


第1章:刺されやすい人に共通する蚊の好条件
「どうして自分ばかり刺されるの?」
そんな疑問、夏になると毎年のように聞きます。
実は蚊には、好んで寄ってくる“条件”がはっきりとあります。
原因を理解すれば、予防のヒントも見えてきます。
■ 蚊が好む4つの条件とは?
蚊が吸血のターゲットを決めるときに反応しているのは、主に次の4つです。
1.二酸化炭素(CO₂)
呼気に含まれる二酸化炭素(CO₂)に強く反応。息の多い大人や運動後は狙われやすいです。
2.体温(熱)
体温が高い人ほど、蚊には“温かいごちそう”に見えます。子どもや代謝が活発な人は要注意。
3.におい(皮脂・汗・常在菌)
足のにおいや汗に含まれる物質にも敏感。特に足の裏の菌バランスが影響するという研究もあります。
4.色(視覚的要素)
黒・紺・赤などの濃い色は、蚊が好んで近寄ると言われています。服の色も侮れません。
これらが複数当てはまると、「刺されやすい人」になってしまうわけです。
■ 血液型や年齢は関係ある?
よく「O型は刺されやすい」や「年を取ると刺されにくくなる」と言われますが、実際には科学的な根拠は乏しいです。
たとえば、年齢については「歳をとったら刺されなくなった」と感じている人でも、実は「刺されてもアレルギー反応(かゆみ)が出にくくなっている」だけというケースが少なくありません。
蚊の唾液に対する免疫ができて、刺されたことに気づかないだけなんですね。
刺されにくくするためにできること
ちょっとした心がけでも、蚊を遠ざけることはできます。たとえば:
・汗をかいたらこまめに拭く
・足を清潔に保つ(とくに外出前)
・黒や赤など濃い色の服を避ける
・激しい運動やお酒を控える(どちらもCO₂&体温が上がる)
これらは“蚊に見つかりにくくなる行動”ともいえます。
まずは「自分が刺されやすいか」を知ることから
蚊にとって、私たち人間は“条件次第で美味しくなるごちそう”のような存在。
だからこそ、「なぜ自分が刺されるのか」→「どの対策が有効か」という順で考えるのが効果的です。


第2章:屋内・屋外・外出時別!蚊対策グッズ活用法
「刺されやすい条件はわかった。でも、実際どんな対策グッズを使えばいいの?」
そんな方のために、ここでは使用シーン別に最適な蚊対策グッズを紹介します。
あわせて、成分ごとの違いや、選ぶ際の注意点についても解説します。
■ 蚊対策グッズは大きく2種類に分かれる
まず、蚊を防ぐグッズは大きく以下の2タイプに分かれます。
【1】空間用タイプ
成分を空中に拡散して、蚊を近寄らせない or 駆除する。
例:蚊取り線香、リキッド式、吊り下げプレート、空間スプレー
【2】身につけるタイプ
自分の体に直接作用させ、蚊を遠ざける。
例:虫よけスプレー、虫よけシート(ウェットティッシュ型)など
それぞれのタイプには得意な使用場面があります。
場所や用途に応じて最適なものを選ぶことが、蚊対策のカギになります。
■ シーン別に見る!最適な対策グッズ
【屋外での対策】
◎ 吊り下げプレート型(虫よけネット)
玄関やベランダに吊るすだけで、蚊を遠ざける空間が作れます。風や雨にも強く、長期間使用できる製品も。
◎ ボウフラ駆除剤(錠剤・粒タイプ)
蚊の幼虫であるボウフラを根本から駆除するタイプ。バケツやプランター受け皿など、水が溜まりやすい場所に入れるだけ。
【屋内での対策】
◎ リキッドタイプ(液体蚊取り)
コンセントに差して使うタイプ。火を使わずに済み、寝室や子ども部屋でも安心。長時間使用に向いています。
◎ 蚊取り線香
短時間で確実に蚊を駆除したいときに便利。蚊取り線香は香り付きのタイプもあり、和室などにも合います。
【注意点】:ピレスロイド系成分が多く使われているため、昆虫や爬虫類を飼っている家庭では使用を避けるか、設置場所に十分注意しましょう。
【外出時の対策】
◎ 虫よけスプレー(イカリジン or ディート)
肌に直接噴霧するタイプで、即効性と効果の持続が魅力。散歩や公園、キャンプなど幅広く使用できます。
・イカリジン配合:年齢制限なし。赤ちゃんや敏感肌にもOK
・ディート配合:効果が強いが、12歳未満は使用回数に制限あり
◎ 虫よけシート(ウェットティッシュ型)
イカリジンやディートが含まれた製品もあり、スプレーと同等の忌避効果が期待できるものもあります。
屋外でも使いやすく、手足の拭き取りと虫よけを同時に済ませられるのが便利です。
【ポイント】:シートは誤噴霧や吸い込みの心配がないため、小さな子どもにも使いやすい選択肢です。
成分ごとの違いと選び方
子どもやペットがいる家庭での注意点
ペット(特に昆虫や爬虫類)は、ピレスロイド成分に極めて敏感なため注意
小児にスプレーを使用する際は、顔に直接噴射せず、手に取って塗布するなど工夫を
肌の露出が多い場合は、イカリジン配合のスプレーまたはシートがおすすめ
正しい「使い分け」が効果を左右する
蚊対策グッズは、「どれが一番効くか」ではなく、
「誰が・どこで・どのタイミングで使うか」が選び方のポイントです。


第3章:薬剤師が選ぶ!本当におすすめの蚊対策5選+α
市販の蚊対策グッズは種類も多く、どれが本当に効くのか悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、家族でも安心して使えることを重視し、薬剤師としての視点から、信頼できる市販品を5つ+αに絞ってご紹介します。
使用場所や目的に合わせて選ぶことで、効果も安全性もぐっと高まります。
それぞれの特長を知って、夏の蚊対策を無理なく続けていきましょう。
■ アース虫よけネットEX(屋外・吊り下げタイプ)
玄関やベランダなどに吊るすだけで、長期間蚊を寄せつけない空間を作れるアイテム。
最大260日と効果が長持ちするので、季節をまたいで活躍します。
使う場所:屋外(玄関・ベランダ・勝手口など)
有効成分:トランスフルトリン(ピレスロイド系)
おすすめポイント:設置型で薬剤に直接触れることがなく、小さな子どもやペットがいる家庭でも使いやすい。
■ アースノーマット 蚊とり黒ブタ(屋内・液体タイプ)
どこか懐かしい黒ブタ型の本体が印象的な、電気式の液体蚊取り。
デザインだけでなく、性能も信頼できる1本です。無香タイプなので、においが苦手な方にもおすすめ。
使う場所:室内全般(リビング・寝室・子ども部屋など)
使用目安:1本で約60日間使用可能(12時間/日使用時)
おすすめポイント:火を使わずに安全に使える。目立ちすぎず、インテリアにもなじみやすい。
■ 天使のスキンベープ(イカリジン配合スプレー)
外出時の蚊対策に迷ったらまずこれ。
虫よけ成分として評価の高い「イカリジン」を高濃度(15%)配合し、年齢制限なく使えるのが魅力です。
使う場面:公園、通園、買い物、アウトドアなど
有効成分:イカリジン(15%)
おすすめポイント:刺激が少なく、敏感肌の大人や子どもでも使いやすい。においも控えめで継続しやすい。
■ 天使のスキンベープ ティシュプレミアム(イカリジン配合シート)
スプレーの代わりに、シートで虫よけ成分を塗布するタイプ。
飛散せず吸い込みの心配がないため、特に子どもへの使用に適しています。
使う場面:ベビーカー、車内、公園など外出先全般
有効成分:イカリジン(15%)
おすすめポイント:手足にしっかり塗れる構造で、汗や水濡れのあとにも使いやすい。小さなお子さんがいる家庭にぴったり。
■ おすだけノーマット(空間スプレー・200日分)
ワンプッシュするだけで蚊を寄せつけない空間をつくれる手軽さが魅力。
火も電源も不要で、玄関や寝室など、すぐに対策したい場面に重宝します。
使う場面:玄関・リビング・寝室など室内全般
有効成分:メトフルトリン(ピレスロイド系)
おすすめポイント:1プッシュで24時間効果。1本200日分とコスパも抜群。外出前の“ひと押し習慣”にも。
■ 番外編:金鳥の渦巻 蚊取り線香(+ホルダー)
夏の風情を楽しみながら、しっかり蚊よけもできる伝統の逸品。
蚊取り線香には根強いファンが多く、香りに癒やされるという声も少なくありません。
おすすめの使い方:夕涼み、縁側、庭仕事、キャンプなど
ポイント:風情や雰囲気を楽しみたい方にぴったり。火を使うため、使用中の安全管理は忘れずに。
推しホルダー:黒猫デザインや萬古焼のブタ型ホルダーなど、おしゃれに楽しめるアクセサリーも豊富
『薬剤師が指南!実用的でおしゃれ「蚊取り線香」のススメ!』も参考にしてください。
「誰と・どこで・どう使うか」で選ぶのが正解
どの製品にも共通するのは、「使う人」「使う場所」に合っていれば、きちんと効いてくれるということ。
一方で、合わないものを選んでしまうと、効果が実感しづらかったり、安全性に不安が出てきたりすることもあります。
「安心して使えるか」「毎日続けやすいか」という視点で、
あなたやご家族にぴったりの蚊対策を見つけてみてください。
この夏、蚊に悩まされない暮らしを一緒に目指しましょう。
まとめ|選び方ひとつで、蚊との夏が変わる
・蚊に刺されやすい人には“傾向”がある
体温・汗・におい・服の色など、日常習慣が影響。
・対策グッズは“使う場所”で選ぶのが正解
屋外=吊り下げタイプ/屋内=液体・スプレー/外出=肌用アイテム。
・有効成分は“誰が使うか”で選ぶ
小さな子どもや敏感肌なら、イカリジンが安心。
・効果・安全性・使いやすさのバランスが大切
強さだけでなく、毎日使えるかどうかも重要な視点。
「強い成分が一番効く」と思われがちですが、
大切なのは、“その人の暮らしに合っているか”です。
ちょっとした選び方で、蚊対策はぐんと快適になります。
この夏は、家族みんなが気持ちよく過ごせるよう、無理なく続けられる対策を取り入れてみてくださいね。
【参考情報】
この記事の作成にあたり、以下の公式情報を参考にしています。
ご自身での確認や商品選びの際にご活用ください。
◆ メーカー公式製品情報
・アース製薬|アース虫よけネットEX
・アース製薬|アースノーマット 蚊とり黒ブタ
・アース製薬|おすだけノーマット スプレータイプ
・フマキラー|天使のスキンベープ 虫除けスプレー
・フマキラー|天使のスキンベープ ティシュプレミアム
・金鳥|金鳥の渦巻(蚊取り線香)製品情報