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お薬コラム
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更新日:2022/04/27

にきび

にきびは、尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)という皮膚の病気です。決して珍しい病気ではなく、90%もの方が経験するといわれています。

皮脂量が増える思春期に悩まされる方が多いことが特徴ですが、20代や30代になってもにきびで悩まされる方が少なくありません。

にきび治療は皮膚科を受診して治療を行うことが基本ですが、市販薬で対処することもできます。今回は、市販のにきび治療薬の選び方やおすすめの市販薬について見ていきましょう。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター 岡本 妃香里

にきびとは?原因やメカニズムを解説

にきびとは、頬やあご、おでこなどにできる発疹のことです。白いプツプツができているだけのものから、炎症を起こして黄色く膿んだものまで、いくつか種類があります。

にきびができる原因はいくつかあるので、それぞれ対処してできにくい環境を作ることが大切です。

にきびができる原因

1. 毛穴の詰まり
2. 皮脂の過剰分泌
3. アクネ菌の繁殖毛穴が詰まりやすくなるのは、ターンオーバーが乱れて角質が厚くなったり、皮脂の量が多く分泌されたりすることが原因です。皮脂量が増える原因には、ホルモンバランスの変化や食生活の乱れ、ストレスの増加などがあります。思春期になるとにきびができやすくなるのは、皮脂分泌を増やす働きがある男性ホルモンの量が増えるためです。

アクネ菌の繁殖もにきびと大きな関係があります。アクネ菌は誰の肌にもいる常在菌のひとつですが、繁殖して数が増えると炎症を起こしてしまうのです。

にきびの種類

にきびは、次のように状態や経過に応じて4つの種類にわけられます。

・白にきび
もっとも初期段階のにきびです。皮脂が毛穴に詰まって白く見えます。

・黒にきび
白にきびが進行した状態です。毛穴のなかに皮脂がたまって皮膚が盛り上がり、表面が酸化されて黒くなっています。

・赤にきび
黒にきびがさらに進行したものです。皮脂をエサにアクネ菌をはじめ雑菌が繁殖することで、炎症を起こしています。炎症により患部が赤く見えることが特徴です。

・黄にきび
赤にきびがさらに進行し、患部が膿をもっています。膿がたまって黄色くなっている状態です。4種類あるにきびのなかで、もっとも症状が進行した状態だといえます。

にきびの治療方法について

にきびは誤った治療やスキンケアを続けていると、治るどころか悪化することもあるため注意が必要です。正しい対処方法を学んで、きちんと治療をしていきましょう。

正しい洗顔とスキンケアを行う

洗顔は、何度もすればいいというわけではありません。1日2回、洗顔料で洗うようにしましょう。何度も洗って皮脂を落としていると、乾燥が原因のにきびを招くことがあります。洗顔するときは、洗浄力が強すぎずスクラブが入っていないものを使用してください。洗顔後に乾燥しやすい場合は、化粧水を使って保湿も行いましょう。

保湿を怠るとお肌が「乾燥しているから皮脂を増やさないと」と勘違いして、余計に皮脂量が増えてしまうことがあります。

皮膚科を受診して治療を受けることが基本

にきび治療薬は市販にもありますが、炎症が強かったり膿んだりしている場合は皮膚科の受診がベストです。にきびの状態に適した薬を処方してもらえるため、適切な治療を始められます。治療が遅れると炎症が強くなって跡が残ることもあるので、できるだけ早めに受診するようにしましょう。

軽症の場合は市販薬を使うのもOK

白にきびや黒にきびなど軽症の場合は、市販薬を使って治療しても構いません。殺菌剤や抗炎症成分、皮膚の詰まりを改善する成分などが配合されたものを使いましょう。ただし、1週間ほど使っても改善しない場合は、皮膚科を受診してください。

市販のにきび治療薬の選び方

市販のにきび治療薬には、大きくわけて塗り薬と飲み薬があります。基本は塗り薬を使い、治療をサポートする目的で飲み薬も併用するとよいでしょう。

塗り薬から選ぶ

塗り薬には、毛穴の詰まりを改善したりアクネ菌を殺菌したりする働きがある成分が配合されています。にきびに直接働きかけて治療してくれるため、飲み薬よりも高い効果が期待できることが特徴です。

にきびが気になる方は、まず塗り薬を使った治療から始めましょう。白にきびには角質軟化成分、黒にきびや赤にきびには殺菌成分や抗炎症成分が入っているものがおすすめです。

黄にきびの場合も殺菌成分や抗炎症成分での治療となりますが、炎症が強く起きている状態なので早めに皮膚科を受診しましょう。

飲み薬から選ぶ

飲み薬には、ニキビができやすい体質にアプローチする漢方薬、皮膚の新陳代謝を活発にして皮脂量を調節するビタミン剤があります。ただし、ビタミン剤の効果に関して十分な効果は確認されていません。

日本皮膚科学会が発行している「尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017」にも、ビタミン剤の内服に関しては「推奨はしない」とはっきり書かれています。あくまでオマケ程度に考えて服用したほうがよいかもしれません。

漢方薬については、ほかの治療を行っても効果がなかった場合には使用が推奨されています。最初から漢方薬のみを使うのは推奨されていないので、まずは塗り薬から試して、それでも効果がないようでしたら漢方薬を使ってみてください。

市販のにきび治療薬の有効成分とおすすめの市販薬

では、具体的に市販にはどのようなにきび治療薬があるのでしょうか。

角質軟化成分

角質をやわらかくして詰まりを取る成分には、サリチル酸イオウがあります。殺菌作用もあるため、アクネ菌の繁殖を防げることも特徴です。白にきびにはこの角質軟化成分が入っているものを選びましょう。

 

クレアラシル ニキビ治療薬クリーム 肌色タイプ

毛穴の詰まりを改善するイオウ、殺菌作用のあるレゾルシン、炎症を抑えるグリチルリチン酸二カリウムなどが配合されています。肌色タイプなので、治療しながら気になる患部を目立ちにくくすることが可能です。

抗炎症成分

抗炎症成分には、イブプロフェンピコノールグリチルレチン酸グリチルリチン酸などがあります。炎症が起きて赤みを帯びているニキビに効果的です。

 

ペアアクネクリームW

抗炎症作用のあるイブプロフェンピコノールと、殺菌成分のイソプロピルメチルフェノールが配合されています。さらっとした塗り心地でベタつきません。

殺菌成分

殺菌成分としては、イソプロピルメチルフェノールが代表的です。角質軟化成分であるイオウサリチル酸にも殺菌効果があります。

 

メンソレータムアクネス25メディカルクリームc

抗炎症作用のあるイブプロフェンピコノールと、殺菌成分のイソプロピルメチルフェノールが配合された塗り薬です。高濃度で配合されているので、患部でしっかりと効果を発揮してくれるでしょう。

漢方薬

漢方薬は、ニキビができやすい体質を改善したり、ニキビの腫れや化膿を抑えたりする効果があります。

 

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)

肝や胆にたまった熱を取り除き、炎症を抑えて膿を出す漢方薬です。胃腸が弱い方にはあまり向いていません。

清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)

体表にたまった熱を取り除き、炎症を抑えて膿を出す漢方薬です。のぼせやすく顔が赤くなり安い方に向いています。

十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)

化膿している皮膚疾患に用いられる漢方薬です。比較的、体力が充実している方に向いています。

ビタミン成分

新陳代謝を改善するビタミンB2皮脂の分泌量を調整するビタミンB6などが入っているものを選ぶとよいでしょう。

チョコラBBプラス

ビタミンB2とビタミンB6がお肌を内側からケアします。にきびだけでなく肌荒れや口内炎にも効果的です。

まとめ

にきびは毛穴の詰まりや皮脂の過剰分泌などによってできます。まずは毛穴の詰まりを改善することが大切です。黄にきびのように強く炎症が起きている場合は、早めに皮膚科を受診するようにしてください。

そのほかのにきびは市販薬でも対応が可能です。ただし、市販薬にはいろいろな種類があるので、にきびの状態にあったものを選ぶ必要があります。

白にきびには角質軟化成分、黒にきびや赤にきびには抗炎症成分や殺菌成分が入ったものを選びましょう。

 

<参考資料>
にきび – 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)