アレグラは、市販で購入できる?
花粉症に効果のある薬として有名な「アレグラ」、名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。アレグラは医療用の医薬品として病院で処方してもらえるほか、市販薬としても売られています。
今回は、アレグラについて、そして使う時の注意点についてご紹介します。
購入可能な市販薬とは?
市販薬として、大人用と子ども用の2種類の商品が売られています。
アレグラFX
医療用医薬品の「アレグラ錠60㎎(フェキソフェナジン塩酸塩錠)」と全く同じ有効成分を同じ量含んでいる薬です。アレグラFXのように、医療用と全く同じ成分で売られる市販薬のことを「スイッチOTC医薬品」と呼びます。使用実績が十分で安全性が高く、他の薬との相互作用も少ないものに限って、スイッチOTC医薬品としての販売許可が出るのです。
アレグラFXは、15歳以上の方の「花粉やハウスダストによるくしゃみ・鼻水・鼻づまり」に効能があります。
アレグラFXジュニア
こども用(7~14歳用)のアレグラで、医療用の「アレグラ錠30㎎(フェキソフェナジン塩酸塩錠)」と同じものです。大人用の半分の量になっています。
医療用医薬品としての基本情報
アレグラの効能や使い方についてご紹介します。
アレグラの主成分とは?
主成分は「フェキソフェナジン塩酸塩」で、第二世代抗ヒスタミン薬と呼ばれる種類の抗アレルギー薬です。
・眠くなりにくい
・口が渇きにくい
こうした特徴があるため、他の抗アレルギー薬に比べて日常生活への支障が少なく使いやすいでしょう。眠くなりにくいので、学校やお仕事のある日でも安心です。
眠くなりにくいので車や自転車の運転も問題ないことが多いですが、体調によっては眠気が出ることもありますので、体調変化には十分注意してください。
アレグラの効能は?
医療用のアレグラは、市販薬と異なり、3つの疾患に使用できます。
・アレルギー性鼻炎(いわゆる花粉症など)
・蕁麻疹
・皮膚疾患(湿疹やアトピー性皮膚炎など)に伴うかゆみ
花粉やハウスダストなどのアレルゲンが鼻の粘膜に付着すると、「ヒスタミン」というアレルギー反応を起こす物質が放出されます。このヒスタミンが鼻の神経や血管に働きかけることで、鼻水や鼻づまりといった症状が出るというメカニズムです。
アレグラは、ヒスタミンが働かないようにブロックすることで、アレルギー性鼻炎の症状を抑えます。
アレグラの使い方
アレグラは、年齢によって服用量が異なります。量を間違えないように注意しましょう。
・成人および12歳以上の小児:アレグラ錠60mgを1回1錠、1日2回内服します。
・7歳以上12歳未満の小児:アレグラ錠30mgを1回1錠、1日2回内服します。
胃を荒らす副作用はほとんどないので、食後にこだわらなくても問題ありません。内服の間隔は、12時間程度あけてください。
花粉症の方は、季節によって症状が出ることが前もってわかる場合もあるでしょう。そういった場合は、「花粉飛散予測日」を参考にして、症状がまだ軽いうち・あるいは症状の出る前からアレグラを飲むことがすすめられています。
アレグラの医療用医薬品の種類
医療用医薬品には、アレグラの成分である「フェキソフェナジン」を使ったものがいくつか存在します。
【錠剤】
・アレグラ錠60mg/30mg
・アレグラOD錠60mg
通常のアレグラ錠60mg/30mgのほか、口の中で溶ける「アレグラOD錠60mg」が販売されています。OD錠には30mgのものがありません。
【散剤(粉薬)】
・アレグラドライシロップ5%
アレグラドライシロップは、子どもだけでなく、錠剤の飲み込めない大人の方も使用可能です。水に溶かして服用します。
【配合剤】
・ディレグラ配合錠
アレグラの成分である「フェキソフェナジン」と、鼻づまりに効果のある「プソイドエフェドリン」を一緒に配合した薬です。ディレグラ配合錠は、アレルギー性鼻炎にのみ使用できます。
プソイドエフェドリンは、非常に即効性があり効果的な鼻づまり解消の成分です。ただし、長期間使い続けると「薬剤性鼻炎」を引き起こす可能性があるため、漫然と使い続けるのは避けた方がよいでしょう。
また、高血圧の方・尿閉症状(尿が出ない、出にくい)のある方・狭心症の方・前立腺肥大症の方は、症状が悪化する可能性があるためにディレグラ配合錠を使用できないことが多いです。持病について医師・薬剤師に伝えるか、ご自身の持病がよくわからない方はお薬手帳などの情報を見せるようにしてください。
アレグラの注意点
スイッチOTCとして販売されるほど効果・安全性の高いアレグラですが、注意したい点はいくつかあります。
腎臓の悪い方、ご高齢の方
腎臓の悪い方は、アレグラを減量する必要があるかもしれません。
医師から腎臓が悪いといわれていなくても、ご高齢になってくると腎臓の働きが若いときよりも落ちてしまうものです。ご高齢の方は、医師や薬剤師に確認してから使用しましょう。
ディレグラ配合錠は授乳中なら相談を
ディレグラ配合錠に含まれる「プソイドエフェドリン」は、母乳中に移行することがわかっています。そのため、授乳中に服用してもよいかどうかは、医師の判断が必要です。授乳中の方は、医師にその旨を伝えましょう。
市販の風邪薬との併用
市販の風邪薬の中には、アレグラと似た抗ヒスタミン薬が含まれているものがいくつも存在します。同じような働きをする薬を重複して飲むと副作用のリスクが高まってしまうため、市販の風邪薬を購入するときには薬剤師や登録販売者に相談してください。
まとめ
今回は、花粉症の症状に効果があるとして有名な「アレグラ」の医療用医薬品・市販薬の効能や使い方、注意点について解説しました。
アレグラは、効果も安全性も高い薬です。花粉やハウスダストによる鼻症状を抑える効果があるので、急な症状でお困りのときには市販薬を購入するのもよいでしょう。安全性が高いとはいえ、薬なので副作用や注意点はあります。今回ご紹介した内容を参考にしてください。