不安、イライラ
「急に不安に襲われて心臓がバクバクする」
「すぐにイライラして周りにあたってしまう」
このような悩みがあっても、なかなか病院に足を運びづらいときがありますよね。市販薬でも不安やイライラに対応できる薬があるので、どうしても病院に行けないときは一時的に活用してみるのもよいでしょう。
今回は、不安やイライラの原因や症状を抑えるのに効果的な市販薬について紹介します。
不安やイライラ症状はなぜ起こる?
不安やイライラが起こる原因はさまざまです。
• 仕事がうまくいっていない
• 人間関係に悩んでいる
• 家事や仕事が忙しく休む時間がない
など、日常生活に不安やイライラの原因が潜んでいる場合は意外と多くあります。これらが原因の場合は一時的に不安やイライラを感じやすくなりますが、原因を取り除くことで次第に落ち着いてくることが多いでしょう。
しかし、慢性的に症状が続いている場合は注意が必要です。
• うつ病
• 双極性障害
• パニック障害
• 全般性不安障害
このように、何かしらの精神疾患を抱えている可能性もあります。数か月にわたり不安やイライラが続くときは、医療機関を受診して原因を探ってもらうようにしましょう。
不安やイライラに薬で対処する方法
誰でも不安やイライラはある程度感じるものですが、症状が過度な場合は薬で対処することができます。医療機関を受診した場合は、抗うつ薬や漢方薬など症状の程度や原因に合わせた薬が処方されることがほとんどです。
最初は漢方薬で様子を見ながら治療していき、不安やイライラがひどいときだけ頓服薬を飲むといった治療が取られることもあるでしょう。抗うつ薬を使う場合は効果が出るまで数週間ほどかかるため、しばらく服用を続けて効果があるかどうか見極める必要があります。
精神疾患は急激に回復するものではないため、数か月から数年かけて無理のない範囲で治療を進めていくことが一般的です。一方で市販の場合は、残念ながら医療機関で処方されるような抗うつ薬などの扱いはありません。そのため漢方薬を使った治療が基本となります。
市販で購入可能な不安やイライラに効く薬は?
不安やイライラを市販薬で抑えたい場合は、漢方薬を選ぶことが一般的です。医療機関で処方されるのと同じ漢方薬が市販でもあるため、一時的な症状であれば市販薬でも治療ができます。
ただし市販薬の使用は、数か月以上にわたって不安やイライラの症状が出ている方には向きません。一時的な症状に使うことを前提としているので注意してください。症状が長引いている方は、市販薬を使うのではなくできるだけ医療機関を受診するようにしましょう。
不安、イライラ症状に効果がある市販の漢方薬5選
では、不安やイライラに効果がある市販薬には具体的にどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、特によく用いられる5つの漢方薬について紹介します。
抑肝散(よくかんさん)
抑肝散は、不安やイライラを抑える代表的な漢方薬です。漢方では、肝(かん)の気や血の流れが悪くなると不安やイライラが起こりやすくなると考えられています。
気とは体を動かすのに必要なエネルギー、血とは血液のように全身に酸素や栄養を運ぶものです。虚弱で神経が高ぶりやすく、不安やイライラのほか、不眠などの症状がある方に向いています。
ツムラ漢方抑肝散エキス顆粒
スリーピンα
抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)
抑肝散加陳皮半夏は、抑肝散に陳皮と半夏という生薬がプラスで配合された漢方薬です。抑肝散とあまり変わりはありませんが、症状がより長期化している方に用いられます。
不安やイライラのほか、不眠や胃腸症状などにも効果的です。虚弱で神経が高ぶりやすい方に向いています。
抑肝散加陳皮半夏エキス顆粒クラシエ
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
ストレスによって引き起こされる不安やイライラなどによく用いられる漢方薬です。不足している気を補い、さらに体にこもった熱を取り除くことで精神状態を落ち着かせます。
腸を刺激する働きのある大黄が含まれているため、下痢をしやすい方には向いていません。どちらかといえば体力があり体つきがしっかりしている方に向いています。
ツムラ漢方柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒
「クラシエ」漢方柴胡加竜骨牡蛎湯エキス顆粒
桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
虚弱で体が冷えやすく、不安やイライラ、不眠などの症状がある方に用いられる漢方薬です。がっしりとした体型の方ではなく、きゃしゃな方に使われることが多いでしょう。神経の高ぶりを鎮めて気や血のバランスを整えることで、気になる症状を抑えていきます。
ツムラ漢方桂枝加竜骨牡蠣湯エキス顆粒
「クラシエ」漢方桂枝加竜骨牡蛎湯エキス顆粒
加味帰脾湯(かみきひとう)
眠れないほど強いイライラや不安がある方に用いられる漢方薬です。血を補い、気のめぐりをよくすることで精神を落ち着かせます。体力がなく、血色が悪い方に向いていることが特徴です。ストレスによって低下した消化機能を回復させる働きもあります。
加味帰脾湯エキス顆粒クラシエ
ユクリズム
イライラや不安を抑えるその他の市販薬
漢方薬は不安やイライラに効果的ですが、種類によっては効果が出るまで数週間ほどかかるものもあります。すぐにでもイライラや不安を落ち着かせたい方は、次のような市販薬を使うのもよいでしょう。
イララックa
イライラや神経の高ぶりの効果のある生薬が配合された薬です。鎮静作用のある生薬が複数配合されており、気持ちを穏やかにしてくれます。
ウット
鎮静作用のあるブロモバレリル尿素やアリルイソプロピルアセチル尿素などが配合された薬です。長期連用はせず、どうしても症状がつらいときのみ使用するようにしてください。また、眠気が出ることがあるので乗り物の運転は避けましょう。
まとめ
不安やイライラは誰でも感じるものですが、症状が過度な場合は薬を使用して落ち着かせるのもよいでしょう。市販の場合は、抑肝散や柴胡加竜骨牡蛎湯などの漢方薬を使うことが一般的です。
ただし、症状が数か月にわたって続いている場合は、うつ病やパニック障害などの精神疾患が原因の可能性もあります。精神疾患が原因の場合は、医療機関で適切な治療を行うことが何よりも完治への近道です。慢性的な不安やイライラがある方は、早めに受診するようにしましょう。