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更新日:2022/12/31
市販薬バファリンとは?色々種類があるが違いはあるの?おすすめの製品を薬剤師が紹介!

バファリンにはいろいろな種類があるけど、何が違うの?」

「種類が多すぎてどれを選んだらいいのかわからない」

 

バファリンの種類は年々増えていき、現在(2022年12月時点)は9種類もの解熱鎮痛薬が販売されています。これだけの種類があると、それぞれどのような特徴があるのか、何が違うのか迷ってしまう方が多いでしょう。そこで今回は、バファリンの違いや効果、おすすめの商品について紹介します。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター 岡本 妃香里

「バファリン」は商品名の一部!

ドラッグストアや薬局では、「バファリンをください」と尋ねるお客さまを見かけることが度々あります。「バファリン」という名前はとても浸透していますが、実は「バファリン」という商品があるわけではありません。ここで、現在販売されているバファリンの商品名を見てみましょう。

• バファリン プレミアムDX
• バファリン プレミアム
• バファリンA
• バファリンライト
• バファリンEX
• バファリン ルナi
• バファリン ルナJ
• 小児用バファリン CII
• 小児用バファリンチュアブル

このように、「バファリン」は商品名の一部に過ぎないのです。ですが、「バファリン」という場合、一般的には「バファリンA」を指すことが多いかと思います。ドラッグストアや薬局の方もバファリン=バファリンAと認識している方が多いのでしょう。家族や友人から「バファリンを買ってきて」と頼まれることがあるかもしれませんが、種類が非常に多いのでどのバファリンのことを指しているのかをしっかり確認しておく必要があります。

バファリンの解熱鎮痛成分の強さ、副作用は製品により違う!

バファリンは種類によって配合されている解熱鎮痛成分がまったく異なります。ざっくりと、どのような主成分が入っているのかだけ見てみましょう。

商品名 主成分(解熱鎮痛成分)
バファリン プレミアムDX ・イブプロフェン
・アセトアミノフェン
バファリン プレミアム ・イブプロフェン
・アセトアミノフェン
バファリンA ・アスピリン
バファリンライト ・アスピリン
バファリンEX ・ロキソプロフェンナトリウム水和物
バファリン ルナi ・イブプロフェン
・アセトアミノフェン
バファリン ルナJ ・アセトアミノフェン
小児用バファリン CII ・アセトアミノフェン
小児用バファリンチュアブル ・アセトアミノフェン

バファリンのシリーズには、以下の4つの主成分が使われています。

• イブプロフェン
• アセトアミノフェン
• アスピリン
• ロキソプロフェンナトリウム水和物

このうち、イブプロフェンアスピリンロキソプロフェンナトリウム水和物はNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の仲間です。痛みや熱の原因となる物質が産生されないようにブロックします。
胃を守る物質の産生も同時に阻害してしまうため、胃に負担をかけやすいことが特徴です。15歳以上からしか服用できないため注意しましょう。

一方でアセトアミノフェンは、違った機序で痛みを止めるため、胃への負担は少なくなっています。小さな子どもからでも服用できるため、子供用の解熱鎮痛薬をお探しの方に向いている成分です。

バファリンに含まれている解熱鎮痛成分以外の成分

バファリンには、解熱鎮痛効果を示すイブプロフェンやアセトアミノフェン、アスピリンやロキソプロフェンナトリウム水和物のほかに、胃を守る成分や鎮痛補助成分などが含まれているものもあります。

胃を守る成分

水酸化アルミニウムゲル合成ヒドロタルサイトは、胃を守る成分です。水酸化アルミニウムゲルは、胃酸を中和したり胃の粘膜を保護したりし、合成ヒドロタルサイトは胃酸を中和することで胃を守ります。解熱鎮痛成分による胃の負担が気になる方は、これらの成分が含まれている商品を選ぶとよいでしょう。

鎮痛補助成分

鎮痛効果を高める成分として、カフェインが含まれているものもあります。解熱鎮痛成分とカフェインを一緒に服用することで、鎮痛効果を高めることができるのです。ただし、カフェインに敏感な方は不眠や胃のむかつきの原因となるので避けるようにしてください。

催眠鎮静成分

一部のバファリンには、アリルイソプロピルアセチル尿素が配合されています。アリルイソプロピルアセチル尿素は、神経を落ち着かせて痛みの感覚を抑える成分です。眠くなることがあるため、眠気が来ると困る方は避けましょう。

バファリンの選び方

次の3つのポイントを押さえることで自分に合ったバファリンを見つけやすくなります。

解熱鎮痛成分の高さで選ぶ

バファリンに含まれている解熱鎮痛成分のなかでもっとも効果が高いのは、ロキソプロフェンナトリウム水和物です。バファリンEXに配合されています。第1類医薬品なので、購入する際は薬剤師による説明を受けなければなりません。

使用できる年齢で選ぶ

15歳以上から使えるものならイブプロフェンやロキソプロフェンナトリウム水和物、アスピリンが含まれたものを、3歳から使えるものならアセトアミノフェンが含まれたものを選びましょう。

なお、アセトアミノフェン配合のものでも小児用バファリン CⅡと小児用バファリンチュアブルは3歳から、バファリン ルナJは7歳からと使用可能な年齢が異なるので注意してください。

眠くならないかどうかで選ぶ

アリルイソプロピルアセチル尿素が含まれているバファリンは眠くなることがあります。9種類あるバファリンのうちバファリンプレミアムはアリルイソプロピルアセチル尿素を含んでいるので、眠くならないものをお探しの方はほかのバファリンを選びましょう。

薬剤師のおすすめ製品

では、おすすめのバファリンについて紹介します。状況に合わせてぴったりのバファリンを見つけてみてください。

最も効果が高いバファリン
バファリンEX

バファリンEXは、もっとも解熱鎮痛効果の高いロキソプロフェンナトリウム水和物が配合された商品です。市販では一番効果が高い成分となっているため、できるだけ効果が高いものが欲しい方はこちらを選びましょう。胃を保護する水酸化アルミニウムゲルも配合されています。

家族で飲める常備薬におすすめ!
バファリン ルナJ

バファリン ルナJは7歳の子どもから15歳以上の方まで飲める商品です。子どもから大人まで服用できるため、常備薬として置いておくと便利でしょう。ただし、効き目がマイルドなアセトアミノフェンが主成分のため、大人の方には効果が不十分な可能性もあります。

飲みやすい剤形の子供用バファリン
小児用バファリンチュアブル

3歳から飲める小児用バファリンチュアブルは、水なしで噛んで服用できることが特徴です。オレンジ味なので小さな子どもでも飲みやすいでしょう。眠くなる成分は一切入っていません。

まとめ

バファリンといえばバファリンAを示すことが多いですが、現在はいろいろな商品が販売されています。いろいろな種類があるので、自分に合った商品を選べるようにしましょう。

効果が高いものがよい方はバファリンEX、子どもから大人まで使えるものがよい方はバファリン ルナJ、小さな子どもに使えるものがよい方は小児用バファリンチュアブルや小児用バファリン CIIがおすすめです。