コンタクトをしたまま使える市販の目薬はある?
「コンタクト用とそうでない目薬の違いは何?」
「コンタクトをしたまま使える目薬が知りたい」
目薬には、コンタクトをしたまま使えるものと、そうでないものとがあります。どのように商品を選んだら良いのか、なぜコンタクトに使ってはいけないものがあるのか気になっている方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、コンタクトに使える目薬と使えない目薬の見分け方、コンタクトに影響がある成分などについて詳しく解説します。
コンタクトの種類で目薬が使えるかが変わる
多くの目薬は、コンタクトをしたままでは使用できません。とくにソフトコンタクトレンズの場合は、使えない目薬が多数存在します。
コンタクトレンズ装用中でも使用できると記載がない限り、ソフトコンタクトレンズの方は市販の目薬を使用しないようにしてください。ソフトコンタクトの場合は、目薬の成分を吸着しやすいため、目やレンズに影響が出やすいのです。
一方で、ハードコンタクトの場合は話が変わってきます。ハードコンタクトレンズは成分が吸着されづらいため、使用できる目薬の種類が多いことが一般的です。市販の目薬を購入する際は、パッケージを必ず確認して自分が装用しているコンタクトでも使用がOKなのかチェックするようにしましょう。
コンタクトに影響のある有効成分は?
ソフトコンタクトレンズを装用しているときに問題となりやすいのが、ベンザルコニウムです。ベンザルコニウムは、防腐剤として配合されています。通常であれば、ベンザルコニウムが配合されている目薬を使用しても、まばたきをすることによって目の外へ排出されていくため、大きな問題となることはありません。
しかしソフトコンタクトレンズの場合は、ベンザルコニウムがレンズに吸着されてしまいます。長時間にわたってベンザルコニウムが角膜に接触した状態が続き、角膜障害を起こす可能性があるので注意しましょう。
一方でハードコンタクトレンズの場合は、ソフトコンタクトレンズと比べてベンザルコニウムが吸着されづらいため、コンタクト用でない目薬でも使用できるとされているものが多くあります。目薬のパッケージにコンタクトを装用したままでも使用できるか記載されていますので、そちらを確認してから使うようにしてください。
ベンザルコニウムのほかに、ホウ酸もコンタクトに影響をもたらす恐れがあります。ホウ酸も同じく、防腐剤の一種です。ホウ酸は、一部のカラーコンタクトレンズを変性させる可能性があります。カラーコンタクトレンズを装用している場合は、念のためホウ酸が配合されていない目薬を選びましょう。
コンタクトをしたままできる点眼薬の探し方は?
コンタクトを装用したまま使用できる目薬を探す際は、パッケージに「コンタクトをしたまま使用可能」などの記載があるものを選ぶと間違いありません。コンタクト用の目薬には、レンズに影響を与えるベンザルコニウムなどが入っていないため、問題なく使用できるのです。
ただし、ベンザルコニウムが入っていない=コンタクト装用中でも使用できるというわけではないので注意しましょう。ほかにもソフトコンタクトレンズに影響を与える恐れがある成分があるため、商品によってはベンザルコニウムが配合されていなくてもソフトコンタクトレンズ装用中に使えないものがあります。
目薬を購入する際は、必ずコンタクト装用中にも使用できると記載されているものを選んでください。
コンタクトをしたまま使用できる市販の目薬5選
それでは、コンタクトを装用したまま使用できる市販の目薬を紹介します。ここでは、用途別に5つの目薬をピックアップしましたので、自分の症状に合わせてぴったりのものを選んでみてください。
涙液型点眼液:ソフトサンティア
ソフトサンティアは涙液に近い性質をもった人工涙液です。防腐剤が入っていないため、ソフトコンタクトレンズを使用した状態でも点眼できます。コンタクト装用中の目の乾きやかすみ、疲れなどに使用可能です。開封後は10日間以内に使い切るようにしてください。
成分 | 塩化カリウム、塩化ナトリウム |
効能・効果 | ハードコンタクトレンズやソフトコンタクトレンズを装用しているときの不快感、涙液の補助、目の疲れ、目のかすみ |
目の渇きに:スマイルコンタクトピュア
ベンザルコニウムをはじめとした防腐剤を含んでいない目薬です。涙の働きを補う4種類の成分を配合しています。清涼感はなく、優しい使い心地です。しみる目薬が苦手な方でも使いやすいでしょう。
成分 | コンドロイチン硫酸エステルナトリウム、 タウリン、L-アスパラギン酸カリウム、 塩化ナトリウム |
効能・効果 | ハードコンタクトレンズやソフトコンタクトレンズを装用しているときの不快感、涙液の補助、目の疲れ、目のかすみ |
目のかゆみに:ロートアルガードコンタクトa
目のかゆみが気になる方向けの目薬です。ベンザルコニウムは配合されていません。かゆみ止めのクロルフェニラミンマレイン酸塩、角膜保護成分のコンドロイチン硫酸エステルナトリウムなどが配合されています。カラーコンタクトレンズ装用時には使用できないので注意してください。
成分 | クロルフェニラミンマレイン酸塩、 コンドロイチン硫酸エステルナトリウム 0.5%、 ビタミンB6 |
効能・効果 | 目のかゆみ、目の疲れ、眼病予防、紫外線その他の光線による眼炎、ソフトコンタクトレンズまたはハードコンタクトレンズを装用しているときの不快感、目のかすみ |
疲れ目には:Vロートコンタクトプレミアム
代謝を促進するタウリン、かゆみを抑えるクロルフェニラミンマレイン酸塩、ピント調節機能を改善するネオスチグミンメチル硫酸塩などが配合された目薬です。角膜のダメージを修復し、目の疲れを改善します。
成分 | レチノールパルミチン酸エステル、ネオスチグミンメチル硫酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、酢酸d-α-トコフェロール、タウリン、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム |
効能・効果 | 目の疲れ、目のかすみ、ハードコンタクトレンズまたはソフトコンタクトレンズを装用しているときの不快感、眼病予防、紫外線その他の光線による眼炎、目のかゆみ |
コンタクトの不快感:スマイルコンタクトファインフィットプラス
コンタクトがゴロゴロしやすい方におすすめの装着液です。目にさして使うのではなく、コンタクトに直接液を垂らして使用してください。そうすることでコンタクトが瞳にすっと馴染み、ゴロゴロ感を抑えることができます。
成分 | ヒプロメロース、ポリビニルアルコール、 コンドロイチン硫酸エステルナトリウム、 L-アスパラギン酸カリウム、タウリン |
効能・効果 | ソフトコンタクトレンズまたはハードコンタクトレンズの装着を容易にする |
コンタクトを点眼の都度外せば専用の目薬じゃなくても使っていい?
「コンタクトを外して点眼すれば、コンタクト用の目薬じゃなくても使えるのでは?」と思っている方もいるかと思います。外した状態で点眼するのであれば、コンタクト用ではない目薬を使っても問題ありません。
しかし、点眼してすぐにコンタクトを装用すると、ベンザルコニウムなどの防腐剤がレンズに吸着されてしまう恐れがあります。一旦外してから点眼する場合は、点眼して5分以上経ってからコンタクトを装用するようにしてください。ただし、点眼の度にコンタクトを取り外すのは衛生上よくありません。できればコンタクト用の目薬を使うようにしましょう。
まとめ
市販にはコンタクトを装用したまま使える目薬がいくつか販売されています。ただし、多くはコンタクト用には使えないものばかりです。パッケージにコンタクト装用中でも使用できると書かれたものを必ず選ぶようにしましょう。コンタクト用でないものを使用すると、防腐剤がレンズに吸着され、角膜障害を起こす恐れがあります。