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お薬コラム
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更新日:2022/03/15
医薬品・指定医薬部外品・サプリメントの違いは?あなたに合うのはどのタイプ?

「最近疲れやすいな、よしビタミン剤を買おう」そう思ってドラッグストアに入ると、棚には数え切れないほどのビタミン剤が。
しかもよく見ると「こっちはサプリメントで、そっちは医薬品、それに指定医薬部外品っていうのまである。」
いったい何が違うの?入っているビタミンの種類?ただでさえ種類が多いのに、混乱してしまいますよね。
今回はそういったお悩みに応えるべく、医薬品・指定医薬部外品・サプリメントの違いについて、またサプリメントの注意点などをお伝えしたいと思います。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター ひまわりうさぎ

医薬品・指定医薬部外品・サプリメントはどう分類されているの?

医薬品と指定医薬部外品、サプリメントは以下のように分類されています。
こちらを踏まえた上で、それぞれを詳しく見ていきたいと思います。

医薬品とは?

医薬品は主に病気の治療や予防を目的とし、厚生労働省の厳格な審査の元、販売されています。
医療用医薬品は、医師の指示や処方箋に基づいて使用される薬で、OTC医薬品は市販薬とも呼ばれ、種類によりますが、薬局やインターネットでも購入することができる薬です。
医療用医薬品とOTC医薬品について、より詳しく知りたい方はこちらをご参照ください。

指定医薬部外品とは?

元々は医薬品として販売されていたものの、作用がマイルドで比較的安全性が高いことから、薬局だけでなく、コンビニやスーパーなどでも購入できるようにしたものです。
ビタミン剤や整腸剤など、種類は限られますが、医薬品と同様に「効果・効能」を記載することが認められています。

サプリメントとは?

サプリメントは「食品」に分類されます。
英語の『Supplement』が由来であり「補うもの」という意味・役割を表します。
実際には、食事だけでは足りない栄養素を補う働きをし、見た目は「薬」のような形をしていますが、役割としては「食事」の一部であると言えるでしょう。
サプリメントの中には特定保健用食品(トクホ)や栄養機能食品など、国が認めた「保健機能食品」として販売されているものもあります。

具体的に何が違うの?

それでは同じビタミン剤でも、医薬品・医薬部外品・サプリメントは何が違うのか。その違いは目的や販売方法、中の成分の審査方法などであり、法律で厳格に規定されています。主な違いを以下にまとめました。

医薬品 指定医薬部外品 サプリメント
目的 「病気の治療・予防 「病気の治療・予防 栄養補給や健康維持
販売 登録販売者や薬剤師でないと販売ができない 販売者に制限がないため、薬局に限らず、コンビニなど、どこでも購入が可能 販売者に制限がないため、薬局に限らず、コンビニなど、どこでも購入が可能
製品の審査 厚生労働省による厳しい審査が必要 厚生労働省による厳しい審査が必要 特に審査は必要ない
(「トクホ」は消費者庁が審査)
有効成分 厚生労働省が認めたもののみ使用可能 厚生労働省が認めたもののみ使用可能 医薬品に該当する成分はNGだが、他には明確な規定はない
(「トクホ」「栄養機能食品」は国が認めた成分が含まれている)
表示 「効能・効果、用法・用量」を記載できる 「効能・効果、用法・用量」を記載できる 効能・効果 や用法・用量を記載することはできない
(「トクホ」「機能性表示食品」は「血圧が高めの方に」などの「保健の用途」を具体的に表示することが可能)

それぞれのメリット・デメリット・オススメしたい人

上記のような違いはありますが、必ずしも医薬品の方が優れていて、サプリメントが劣るわけではありません。
重要なのは目的に沿ってそれぞれを使い分けることでしょう。
そこで、3つのメリット・デメリット、またどういった人におすすめかをご紹介します。

医薬品

<メリット>
効果・効能が高い
安全性が高い

<デメリット>
・高価
・サプリメントと比べると選択肢が少ない

<こんな人にオススメ>
安全性・有効性を重視する人
病気の治療や予防としての効果を期待する人
医師や薬剤師と相談した上で使用したい人

指定医薬部外品

<メリット>
効果・効能が高い
安全性が高い

<デメリット>
販売されている品目はかなり限られる

<こんな人にオススメ>
・安全性・有効性を重視する人
手軽に購入したい人

サプリメント

<メリット>
・医薬品と比較すると安価
手軽に購入できる
種類が豊富にあるため、選択肢が広い

<デメリット>
明確に効果があるわけではない
安全性が保障されていない可能性もある

<こんな人にお勧め>
・妊娠中の方(葉酸サプリ)
食事や運動での健康維持が難しい方
・医薬品に存在しない成分が欲しい方(天然由来成分など)
・医薬品で治療までは必要ないが、健康診断で◯◯(鉄、カルシウムなど)が不足していると言われた方

安全性が担保されないことから、あまり医療機関からサプリメントを勧められることはないですが、まれに例外もあります。
その一つとして、妊婦さんに対する葉酸サプリメントがあります。
葉酸を摂取することのメリットは立証されているけれど、医薬品としての適応はないため、サプリメントで採ることが推奨されています。
ただ、その他の場合、あくまでもサプリメントは補助的な役割です。
基本は運動や食事などの日常生活を見直し、改善することですので、それを踏まえた上で、サプリメントをうまく活用して健康維持や病気の予防に役立てましょう。

サプリメント使用時の注意点

サプリメントは副作用が少ないイメージがありますが、そうとも言い切れません。
飲み方を間違えると重大な問題を起こす可能性がありますので、気をつけていただきたい注意事項を以下に示しました。

・表示の用量を守ること
サプリメントはたくさん摂れば摂るほど効果が上がるものではありません。
過剰摂取することで、副作用が発生する可能性があるため、必ず決められた用量を守りましょう。

・成分の重複に注意
サプリメントを複数飲んでいることで、特定の成分が重複してしまうことがあります。
例えば、ビタミンの成分ですらも重複により過剰に服用すると副作用が起きるため注意が必要です。

・薬を服用している方は、飲み合わせの悪いサプリメントも
医薬品の吸収や分解に影響する成分が含まれていたり、医薬品の正しい効果がマスクされてしまったりする可能性があるため、新しいサプリメントを開始するときは医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

・体調悪化があれば、医療機関の受診を
サプリメントとはいえ、副作用が起きないわけではありません。
それに、たとえ天然由来成分であっても、アレルギー反応を起こす可能性もあります。
そのため、サプリメントを服用することによって体調に異変が生じた際は、迷わず医療機関を受診し、服用の経過を正しく伝えられるようにしましょう。

まとめ

医薬品・指定医薬部外品・サプリメントの違いについてお話しさせていただきました。
厳しい審査のある医薬品や指定医薬部外品に対して、サプリメントは安全性や有効性の面では不安があるのも否めません。
もしサプリメントの中でも、より安全性などを求めるのであれば、国が認めた「保険機能食品」から選択するのをお勧めします。
また、サプリメントはあくまでも食品ですが、「食品だから安心」というわけでもなく、しっかり決められた飲み方を守る必要があります。
使用に際して、しっかり注意を払えれば、サプリメントは医薬品などに比べて、種類が豊富で、選ぶ楽しさもあるでしょう。
あなたに向いているのは医薬品・指定医薬部外品・サプリメントいずれになるでしょうか。
この記事が商品を選ぶ際にお役に立てば幸いです。