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お薬コラム
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更新日:2022/06/19
まゆ毛の抜け毛、薄毛

「心当たりがないのに、まゆ毛がよく抜けるようになった」

「まゆ毛の抜け毛が多くて薄くなってきた」

 

まゆ毛は顔の印象を大きく左右するため、思い通りの抜け毛が増えたり薄毛になったりすると気になりますよね。メイクでまゆ毛を描いたりアートメイクを行ったりする方法もありますが、今回はまゆ毛そのものを増やすために効果的な市販薬について紹介します。

 

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター 岡本 妃香里

まゆ毛が薄くなる原因とは?

まゆ毛が薄くなる理由としては、次のものが代表的です。まずは自分がどの原因で薄くなっているのかを確認してみましょう。

まゆ毛の抜きすぎ

よくあるのが、まゆ毛の抜きすぎです。まゆ毛を整える際に、毛抜きで抜いている方は多いのではないでしょうか。基本的にどんなにまゆ毛を抜いても、毛根が死滅することはありません。毛根が残っている限り、まゆ毛は生え続けます。

しかし、頻繁にまゆ毛を抜くことで毛周期が乱れたり、毛母細胞に栄養を与える毛乳頭が傷ついたりした場合は、生えづらくなることも考えられるでしょう。

ホルモンバランスの変化

まゆ毛をはじめ、毛の成長にはホルモンバランスが大きく関わっています。妊娠や出産、ストレスや疲労などによりホルモンバランスが変化すると、まゆ毛の抜け毛が増えてしまうことがあるでしょう。

ケガによるダメージ

ケガや火傷の深さによっては、毛包がなくなりまゆ毛が生えてこなくなることがあります。瘢痕性(はんこんせい)脱毛症とも呼ばれており、この状態になった場合、まゆ毛が生えてくることは残念ながら一生ありません。

メイクによる毛穴の詰まり

クレンジングをしっかりと行わないと、毛穴にメイクや皮脂が詰まってまゆ毛の成長に影響が出てしまうことも考えられます。毛穴の詰まりだけが原因でまゆ毛が薄くなるとは考えにくいですが、日頃からメイクはしっかり落とすようにすることが大切です。

 

病気が原因でまゆ毛が薄くなることもある

まゆ毛の抜け毛が目立つようになってきた場合、疾患が隠れている場合があります。何かがおかしいと感じたら、早めに医療機関を受診して検査をしてもらいましょう。

円形脱毛症

円形脱毛症は頭皮のみに症状が出ると思われがちですが、実はまゆ毛が抜けることもあります。まつ毛や体毛も抜けることがあるため、まゆ毛以外にも脱毛が見られたら要注意です。

甲状腺機能低下症

甲状腺の働きが悪くなると、新陳代謝が低下するためまゆ毛や髪の毛などが抜けやすくなります。抜け毛が増えるほか、疲れやすくなったり無気力になったり、体重が増えたりなどもよく見られる症状です。男性よりも女性のほうが発症しやすいことで知られています。

まゆ毛の適切なケアや対策方法

まゆ毛の抜け毛を防ぐためには、日頃からのケアや対策が大切です。

まゆ毛を抜かない

「まゆ毛を抜いていたら生えてこなくなった」と言われる方はとても多くいます。お手入れをする際はカミソリや電気シェーバーで整え、できるだけ抜かないようにしましょう。まゆメイクをした状態でコームを当てて、メイクからはみ出た部分だけ剃ると失敗しづらくなります。

メイクをしっかりと落とす

メイクを行った日は、まゆ毛も忘れずしっかり落とすようにしてください。まゆマスカラをしている方はポイントメイク落としを使ってあらかじめオフしておき、その後にしっかりとクレンジングするとメイクが残りにくくなります。

まゆ毛用の美容液を使用する

まゆ毛用の美容液は、まゆ毛を直接増やす効果はありませんが、ハリやコシを与えることでボリュームアップを目指すことが可能です。「まずは何か簡単な対策がしたい」という方は、ドラッグストアでも購入できるまゆ毛用の美容液を検討してみるのもよいでしょう。

まゆ毛の脱毛に効果がある市販薬の有効成分と特徴は?

眉毛を生やす成分として使われているのは、男性ホルモンの成分です。男性ホルモンと聞くと逆に薄毛を想像される方もいるかもしれませんが、頭皮の薄毛を引き起こすのはジヒドロテストステロンと呼ばれるもの。眉毛の発毛促進に使われるのはテストステロンという別の男性ホルモンです。テストステロンは、眉毛やヒゲ、胸毛などの発毛に関わっています。

メチルテストステロン

メチルテストステロンは、毛母細胞に働きかけて発毛を促進します。毛母細胞は、自身が細胞分裂を行うことでまゆ毛を成長させる働きをもつ部分です。毛母細胞の働きが活発になれば、まゆ毛も生えてくるようになります。

プロピオン酸テストステロン

プロピオン酸テストステロンも、テストステロンの一種です。メチルテストステロンと同様に、毛母細胞の働きをサポートしてまゆ毛の発毛を促します。

まゆ毛の脱毛症に効果がある市販薬

まゆ毛の薄毛や抜け毛に使える市販薬はそう多くはありません。今回は、比較的手に入れやすい2種類の市販薬を紹介します。

 

ペレウス

リキッドタイプの市販薬です。ペン先が極細になっているので、まゆ毛が気になるところにピンポイントで薬剤を塗布できます。主成分はメチルテストステロンです。
使用する際は、目に入らないようにガーゼやコットンで目を覆ってください。1日1~2回使用します。第一類医薬品なので、薬剤師から説明を受けることで購入可能です。

ミクロゲン・パスタ

メチルテストステロンとプロピオン酸テストステロンの両方が配合された市販薬です。クリームタイプになっているため、髭や胸毛など広範囲に使いたい方に向いているでしょう。
1日1~2回、薄く伸ばして使用してください。こちらも第一類医薬品のため、薬剤師からの説明が必要になります。

まとめ

まゆ毛の薄毛や抜け毛が気になる方は、市販薬のペレウスミクロゲン・パスタを使用するとよいでしょう。ただし、15歳未満の方や排尿困難がある前立腺肥大症の方、妊娠中や授乳中の方は使用できません。

また、これらの市販薬を使用してもすぐにまゆ毛が生えてくるわけではないので継続的な塗布が必要です。1~3か月ほど継続してみて、効果があるか観察してみてください。

もしそれでも効果が見られない場合は、医療期間で相談するようにしましょう。また、円形脱毛症や甲状腺機能低下症の影響でまゆ毛が抜けることもあるため、気になる症状がある方は早めの受診がおすすめです。