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お薬コラム
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更新日:2022/08/13

頻尿

「5分前にトイレに行ったばかりなのに、また行きたくなる」

「夜に何度もトイレで目が覚めてしまう」

 

頻尿はただトイレが近くなるだけではなく、学校や仕事に影響が出たり、睡眠不足で体調を崩したりとさまざまな影響をもたらします。

 

しかし、頻尿で病院に行くのも…とためらっている方も多いのではないでしょうか。そのような方に向けて、今回は頻尿の治療に使える市販薬について紹介します。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター 岡本 妃香里

頻尿とは?

日本泌尿器科学会では、起床してから就寝するまでの排尿回数が8回以上ある場合を頻尿であるとしています。しかし、排尿回数は人によって個人差があるものです。
そのため必ずしも排尿回数のみが頻尿の指標となるわけではありません。頻尿のなかでも、排尿のために1回以上夜に目が覚める場合は夜間頻尿と呼ばれます。

頻尿の原因

頻尿の原因は本当にさまざまです。単に水分の摂取量が多いだけのこともあれば、膀胱の機能に問題があるケースもあります。

過活動膀胱

過活動膀胱とは、尿が十分に溜まる前に膀胱が収縮してしまう状態です。急に強い尿意が起こってトイレに間に合わなかったり、睡眠中でも尿意で目が覚めてしまったりなどの症状が起こります。男性よりも女性で起こりやすい疾患です。

残尿

膀胱にある程度の尿が溜まると、尿意を感じるようになります。尿を出し切れず残っている状態が続くと、膀胱に溜めておける尿量がその分だけ減るためすぐに尿意を感じてしまうようになるのです。前立腺肥大症や膀胱炎、パーキンソン病などで残尿量の増加がよく見られます。

水分の摂りすぎ

水分を多く摂れば摂るほど、排尿量も増えます。水分を摂ることは熱中症を予防したり血液をサラサラにしたりする効果がありますが、摂りすぎは尿量の増加を招くので注意しましょう。

もし口やのどが乾きやすくなる影響で水分の摂取量が増えている場合は、糖尿病や薬の副作用なども考えられるので医師や薬剤師に相談するようにしてください。

緊張やストレス

大勢の前で喋らなければいけなかったり、仕事や勉強で強いストレスを受けたりすると尿意をコントロールしている神経が過敏になるため、すぐにトイレに行きたくなることがあります。

また、「トイレに行きたいときに行けなかったらどうしよう」「外出先にトイレがあるか不安」といった心因的な要因も頻尿の原因です。

加齢

年齢を重ねると、多くの方に排尿機能の衰えが見られます。加齢によって膀胱の筋肉がうまく収縮しなくなったり、尿を溜められる量が減ったりしてしまうのです。また、腎臓の働きが落ちることで尿量が増えることもあります。

冷え

体が冷えると汗をかきにくくなるため、その分だけ尿量が増えやすくなります。また、冷えによって膀胱が収縮しやすくなることも頻尿の原因です。

カフェインやアルコールの影響

カフェインやアルコールには利尿作用があります。ビールを1リットル飲むと1.1リットルの尿が排泄されるほどアルコールには利尿作用があるため、頻尿に悩んでいる方は夜間の飲酒量を減らしてみるとよいかもしれません。コーヒーや紅茶、緑茶などはカフェインが多いため、こちらも注意が必要です。

頻尿症状が出る疾患

なんらかの疾患が原因で頻尿になることも少なくありません。頻尿が起こることのある疾患にはいろいろなものがありますが、次の5つがとくによく知られています。

• 膀胱炎
• 心因性頻尿
• 過活動膀胱
• 前立腺炎
• 前立腺肥大症

疾患を治療することで頻尿も落ち着いてくるため、市販薬を使ってもあまり効果がない場合は早めに医療機関を受診して原因をしっかり確認してもらうのがおすすめです。

頻尿に効果がある市販薬は?

頻尿の治療ができる市販薬には、次のものがあります。

• 漢方薬
• フラボキサート
• プロピベリン

市販では漢方薬を使うことが主流です。フラボキサートプロピベリンは医療用でも使われており、市販では女性専用の薬として販売されています。

おすすめの市販薬(漢方製剤)と特徴

まずは、頻尿に使われる漢方薬について見ていきましょう。

猪苓湯(ちょれいとう)

猪苓湯は、体に溜め込んでいる水分を出すように促すことで頻尿を改善する漢方薬です。膀胱に溜まっている雑菌を洗い流す働きもあるため、膀胱炎の治療にも使われます。体力に関係なく使用可能です。

五淋散(ごりんさん)

尿トラブルによく用いられる漢方薬として知られています。尿の出をよくすることで残尿量を減らし、頻尿を改善するものです。体力が中等度くらいの方に向いています。

清心蓮子飲(せいしんれんしいん)

胃腸が弱く、ストレスを感じやすい方に向いている漢方薬です。トイレがあるか気になって何度も行ってしまう方、尿意を気にしすぎる傾向がある方に向いています。

竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)

炎症を鎮めて体に溜まっている水分を取り除く漢方薬です。頻尿のほか、排尿痛や残尿感にも用いられます。体力が中等度以上ある方向けです。

八味地黄丸(はちみじおうがん)

水のめぐりをよくし、体を温めることで頻尿を改善します。低下した膀胱の機能を改善する効果もあり、夜間頻尿や排尿困難にもよく使われる漢方薬です。体力が中等度以下で疲れやすい方に向いています。

六味丸(ろくみがん)[六味地黄丸]

六味丸は六味地黄丸と呼ばれることもあり、下肢が疲れやすく口が渇きやすい方によく使われる漢方薬です。高齢の方に使われることが多く、体力が低下した方に向いています。

牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

体を動かすエネルギーを補うことで老化に伴う頻尿や夜間頻尿を改善する漢方薬です。体力が低下しており疲れやすく、下半身が冷えやすい方に向いています。

フラボキサート製剤について

フラボキサートは、膀胱の機能を改善することで頻尿を治療する薬です。過敏に反応してしまう膀胱の状態を元に戻し、頻尿を改善していきます。

効果が出るまでに1週間ほどかかるため、しばらく服用を続けて様子を見ることが大切です。市販では女性専用の「レディガードコーワ」が販売されています。

プロピベリン製剤について

プロピベリンは、膀胱が必要以上に収縮するのを抑えることで頻尿を改善する薬です。尿意切迫感や尿意切迫感に伴う頻尿や尿漏れに効果があります。

要指導医薬品のため、薬剤師からの説明を受けることで購入可能です。市販では女性専用の「バップフォーレディ」が販売されています。

まとめ

排尿回数が1日に8回以上ある方は頻尿の可能性が高いでしょう。過活動膀胱や緊張、ストレスなどが頻尿の原因となります。市販薬では漢方薬やフラボキサート、プロピベリンなどを使うことが一般的です。

市販の頻尿治療は使える薬が限られているため、1週間ほど服用しても効果が見られない場合は医療機関を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。