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更新日:2022/05/28

初心者にもおすすめの血糖測定器は?自宅での血糖測定の重要性から丁寧に解説

血糖値は自宅でも測定できることをご存知でしょうか。
血糖測定器は指先から微量の血液を採取するだけで血糖値が測定でき、主に糖尿病の方の血糖コントロールにとって、とても重要なアイテムです。
ただ、なぜ血糖値を自宅でまで測定する必要があるのか、と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このコラムでは血糖値に関する基礎的な内容から、血糖測定器の基本やおすすめの製品までお伝えさせていただきます。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター ひまわりうさぎ

血糖値とは?

血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことです。
食事によって口から入った食べ物のうち、炭水化物などの糖質は吸収された後、ブドウ糖として血液に取り込まれます。
そのため、健康な人であれば食後すぐから血糖値は上昇します。
その後は、膵臓から出されるインスリンの働きにより、血液中のブドウ糖は形を変えて、筋肉や肝臓に貯蔵されるため、血糖値も下がってきます。

血糖値が高いと何がいけないの?

このように血糖値は食前と食後で変動するものですが、インスリンの分泌が少なかったり、うまく機能していないなど、いわゆる糖尿病と呼ばれる状態では、血糖値がスムーズに下がらず、高血糖の状態が続いてしまいます。
血糖値が高い状態が続くと、血管が徐々に破壊されてボロボロになり、酸素や栄養素をうまく体の末端にまで届けることができなくなります。
その結果、目の網膜や手足の末端、腎臓などに合併症が現れ、失明や手足の壊死を起こしたり、腎臓の機能が落ちて透析が必要になったりすることもあります。

血糖値が低くてもいけないの?

血糖値は健康な人であれば過度に低くなることはあまりありませんが、血糖値を下げる薬を服用している場合、その日の体調や食事の影響により、血糖値が下がりすぎて低血糖になる恐れがあります。
血液の中のブドウ糖は脳の活動において必要なエネルギー源ですので、それが不足すると、脳が正常に働かなくなり、体のあちこちに異常が現れてしまいます。
最悪の場合は死に至ることもあるため、血糖値は決して低ければいいというものではなく、むしろ危険な状態であると言えます。

日常生活の血糖値をコントロールするためには?

血糖値は高すぎても低すぎてもいけません。
また、糖尿病と一口に言っても、食後の血糖値が上がりすぎてしまう人や、食事に関係なく血糖値がなかなか下がらない人など、症状はさまざまです。
そのため、自身のタイプに合わせて、細やかな血糖コントロールを行う必要があります。
そこで使用されるのが、自宅でも簡単に測定できる「血糖測定器」です。
インスリン製剤を用いて治療を行なっている人などは、低血糖のリスクを避けながら、よりデリケートな管理が必要となるため、病院から家庭での血糖値測定を指示されることもあります。
現在は医学の発展と共に優れた薬もたくさん開発されてはいますが、糖尿病は油断していると知らず知らずのうちに合併症を進行している可能性があるため、インスリン製剤を使用している人に限らず、自身の生活習慣において血糖値を意識し、自己管理していくことは非常に重要であると言えるでしょう。

血糖値と尿糖はどう違うの?

糖尿病の診断には血糖値の値が用いられますが、尿検査で検出する尿糖も、糖尿病を始めとした、さまざまな疾患を判断する際に使用される検査項目です。
血糖値がある一定のラインを超えると、尿中に糖が排出されてくるため、尿糖は糖尿病の診断の目安とされています。
あくまでも尿糖は目安であり、血糖値とは異なるものではありますが、指先に針を指して血液を採取する必要がある血糖測定器に比べると、試験紙に尿をかけるだけで、検査へのハードルは低いため、より気軽に検査できるでしょう。

自宅でできる尿検査薬に関して、詳しくはこちらのコラムもご参照ください。

血糖測定器を使用するには他に何が必要?どこで購入できるの?

血糖測定器を使った測定に必要な道具は以下の通りです。

特徴 初期購入か
継続購入か
分類 購入場所
血糖測定器本体 血糖値を測定・表示する機器本体です。 初期購入のみ 高度管理医療機器 ・調剤薬局
・ドラッグストア
インターネット
(高度管理医療機器の販売許可が必要)
測定用センサー(チップ) 本体に装着し使用します。
センサーが血液を吸い取ることで測定ができます。
継続購入
(使い捨て)
体外診断用医薬品 ・調剤薬局
・調剤併設型ドラッグストア
穿刺器具 皮膚から血液を採取するための器具です。
針を装着し、ボタンを押すと針が飛び出る仕組みです。
初期購入のみ 一般医療機器 ・調剤薬局
・ドラッグストア
インターネット
穿刺針 穿刺器具の先に装着します。 継続購入
(使い捨て)
管理医療機器 ・調剤薬局
・ドラッグストア
インターネット
消毒綿 穿刺する部位の消毒に使います。 継続購入
(使い捨て)
医薬品・医薬部外品 ・調剤薬局
・ドラッグストア
インターネット

血糖測定器本体と穿刺器具に関しては、最初に購入すればその後何度も使うことができますが、測定用センサー、穿刺針、消毒綿に関しては使用毎に取り替える必要があるため、継続購入が必要になります。
穿刺器具に関しては、穿刺針と一体型になっているものも販売されています。
購入にあたっては、測定用センサーは体外診断用医薬品にあたるため、調剤薬局調剤併設のドラッグストアにおいて、薬剤師から対面で購入する必要があります。
それ以外のアイテムに関しては、取り扱いに関する分類は異なりますが、インターネットでも購入することが可能です。
ただ、測定用センサーを含め、調剤薬局やドラッグストアにおいてはどこの店舗でも、必ず全てのアイテムが置いてあるとは限りません。
購入する際には、事前に店舗へ確認を取ることをお勧めします。
インスリン製剤を使用している人や、小児の糖尿病、妊娠糖尿病の方は自己血糖測定の必要性が高いことから、機器の購入に保険が適応されます。
また、病院によっては血糖測定器本体の貸し出しを行っていることもありますので、該当する方で血糖測定器に興味がある方は、一度受診している医療機関で相談してみてください。

おすすめの血糖測定器は?

上記に挙げた道具は、原則的に血糖測定器本体とセンサー、また穿刺器具と穿刺針に関しては、セットで使う必要がありますが、さまざまなメーカーから販売されているため、自由に選んでお使いいただけます。
こちらでは比較的調剤薬局で取扱も多い、初心者におすすめの血糖測定器とそのセットをご紹介させていただきます。

TERUMO

おすすめセット
・メディセーフフィットスマイル

・メディセーフチップ

・メディセーフファインタッチディスポ
(血糖測定スタートセット)

特徴:メディセーフスマイルは音声ガイドや、測定値により背景色が変わる仕組みなど、高齢の方をはじめとして、誰であっても使いやすいように設計された血糖測定器であるため、初心者にも使いやすいでしょう。
また、メディセーフファインタッチディスポは、穿刺器具と穿刺針が一体型になっているため、最初から穿刺器具まで揃えるのは費用面でも躊躇うという方にもオススメです。
これらのおすすめが最初からセットになっているスタートキットも販売されています。

三和化学研究所

おすすめセット
・グルテストアクア

・グルテストブルーセンサー

・ジェントレットⅡ

・ジェントレット針

特徴「見やすい。わかりやすい。使いやすい。」をコンセプトに従来の測定器&センサーを改良したものが2020年に販売されました。
音声ガイド機能や測定忘れ防止のアラーム機能の他、測定結果をスマホアプリに記録できる通信機能も備わっています。
同時に発売されたグルテストブルーセンサーは、従来品に比べ精度が向上しているほか、測定可能な気温が10℃〜40℃から、5℃~45℃まで広がっています。
ジェントレットⅡは一度使用した針が再利用されないように設計されているため、感染防止の面からも安心して使用できます。

まとめ

血糖値についての基礎知識から、血糖測定器の必要性、また購入方法やおすすめの製品をお伝えさせていただきました。
血糖測定器を用いて、日常生活の中での血糖値の変動を見ることは、自身の健康管理に役立つことはもちろん、医療機関を受診する際、医師にとって非常に有効な情報となります。
インスリン製剤などを使用している人、また糖尿病の方に限らず、誰であっても血糖測定器を活用することができますし、気になってはいるけれど最初から血糖測定器はハードルが高いと感じられる方は、尿糖検査を行ってもいいかもしれません。
ただ、いずれにせよ、自宅での検査はあくまでも簡易検査ですので、定期的な医療機関の受診は欠かさないようにしましょう。
血糖測定器についてお悩みの方にとって、この記事がお役に立てれば幸いです。