

花粉症で鼻炎に悩む方へ!おすすめ市販薬を薬剤師が解説
冬が終わり、暖かな春の日差しと共に「鼻水、鼻のむずむず」を感じ「花粉症」に悩まされる方も多い時季ではないでしょうか。
花粉症の方にとっては、
・鼻がむずむずして、くしゃみがでる
・鼻水、鼻づまりがひどい
・目の痒み
などの症状が辛いですよね。
この記事では、花粉症に対するオススメの「飲み薬」「点鼻薬」「目薬」、花粉症の受診の目安や治療法を解説します。
「忙しくて病院へ受診して相談ができない」「花粉症の市販薬はどんな物があるのか知りたい」という方は、ぜひ記事を参考にセルフメディケーションをおこなってみてくださいね。


花粉症のメカニズムと「早め」の対策!
花粉症のメカニズムを知ることで、どんな対策ができるのかわかり安くなります。
また、花粉症の症状は早めに対策することで、症状も変わってくるのです。
花粉症のメカニズム
花粉症の原因は植物の花粉が原因で引き起こされる、炎症性の症状です。
鼻に花粉が入ると「鼻水、鼻閉」、花粉が目に入れば「目の痒み」、皮膚に付くことで「皮膚炎」という症状を起こします。
本来は花粉という「異物」を体の外に出すために、鼻水、くしゃみ、涙液などがでます。
異物を出そうとする反応が、過剰に起こってしまうことが「花粉症」ともいえるでしょう。
花粉症の薬は、過剰に起こってしまう反応を抑える薬です。
また、過剰な反応を起こさない対策としては「マスク」「ゴーグル」などの、花粉を体内に入れないための対策があります。
早めの内服で症状の悪化を防ごう
花粉症の薬は、花粉という「異物」に対する過剰な反応を抑えて鼻水やくしゃみ、目の痒みなどの症状を鎮めてくれます。
薬は使用するポイントがあります。
「花粉が飛び始めたら、薬の使用を始めよう」
「鼻水」「くしゃみ」などが悪化してから花粉症の薬を服用する方が多いのではないでしょうか。
症状が軽い時機から薬をしっかりと使用することが、花粉症の症状を悪化させないためのポイントとわかってきているのです。


花粉症の受診の目安
花粉症の受診の目安には「重症度」が関わってきます。
重症度は、くしゃみの回数や鼻閉の度合いなどによる生活への影響で判断します。
・1日中くしゃみがと止まらない
・鼻水が止まらず、常に鼻をかんでいる
・鼻閉が1日中続いている
・くしゃみ、鼻水、鼻閉により生活や仕事に支障がでている
時には鼻閉の影響で睡眠がとれず、日中に眠くなってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
このように、生活に支障が出ている「重症度」の高い方は、病院で医師に相談してくださいね。


花粉症は治せる!病院での治療を紹介
病気の治療方法は大きく分けて2つあり、「症状を抑える=対症療法」と「原因を治療する=根治療法」です。
花粉症では「鼻水、くしゃみの症状を薬で抑える」というのは「対症療法」です。
花粉症の「根治療法」には「アレルゲン免疫療法(減感作療法)」があります。
アレルゲン免疫療法(減感作療法)とは、花粉症などのアレルギー性の疾患に対して、原因となるアレルゲン(抗原)に体を慣れさせていく治療法です。
対症療法とは違いすぐに効果がでない、治療期間は長期にわたります。
ですが、花粉症の重症度の高い方には症状が出なくなるため、期待できる治療法です。
アレルゲン免疫療法は特定の医療機関でのみ行うことができる治療方法です。治療をご希望の方は、下記のサイトを参考にしてお近くの医療機関へ受診して下さい。
お医者さんに相談しよう|舌の下(したのした)で行う鳥居薬品の舌下免疫療法専門サイト (torii-alg.jp)


市販で買える花粉症治療薬のオススメを紹介!!
市販薬でも花粉症に対する薬は、さまざまな種類が販売されています。
今回は市販薬の中でも、
・「眠くなりにくい」おすすめの飲み薬
・花粉で肌の痒みも!おすすめの飲み薬
・鼻水、鼻閉の症状に直接使用できるステロイド点鼻薬
・鼻水だけじゃない「目の痒み」が辛い方へおすすめの目薬
に分けておすすめの市販薬を紹介します。
「眠くなりにくい」おすすめの飲み薬
花粉症の薬は、「比較的眠くなりやすい成分」と「眠くなりにくい成分」が存在します。
今回は、その中から特に「眠くなりにくい成分」を含む製品を3つ紹介します。
どれも、薬の説明書に「車の運転等を控える」記載はありません。
小青竜湯の注意点は、「マオウ」「カンゾウ」という生薬を含みます。
心臓、高血圧、腎臓、甲状腺を治療している方は注意が必要な生薬です。
まずは、主治医の先生に相談してくださいね。
花粉で肌の痒みも!おすすめの飲み薬
症状がひどく、花粉によって肌の痒みも出ている方には「ムヒAZ錠」がおすすめです。
ただし、眠気のでる成分のため、車の運転を毎日する方、仕事等で眠くなっては困る方は注意してくださいね。
鼻水、鼻閉の症状に直接使用できるステロイド点鼻薬
花粉症の鼻水、鼻閉の症状には「ステロイド」の点鼻薬も有効です。
ステロイド点鼻薬は「内服薬だけでは効果が不十分の方」、「内服薬による眠気の副作用が心配な方」におすすめです。
連続して使用できる期間は薬ごとに設定されていることがあります。使用期間を守り使用してくださいね。
鼻水だけじゃない「目の痒み」が辛い方へおすすめの目薬
花粉症の症状には「目の痒み」をつらく感じる方もいます。
ペミロラストカリウム点眼(ノアールPガード点眼液)には、花粉症の症状がでる1~2週間前を目安に使用することで、目の痒みの悪化を防ぐ効果があります。
目の痒みが毎年ひどいという方は、花粉予報などを活用して早めに目薬を使用してみましょう。
まとめ
花粉症の症状は悪化してからだと生活に支障がでる病気です。最近ではさまざまな花粉予報のサービスも提供されています。
症状が悪化してから病院へ受診するのではなく、花粉予報サービスを使用しながら市販薬で早めに対策するように心がけてください。
今回紹介した、市販薬は自分でできる「早めの対策」です。
マスク、ゴーグルなどと一緒に使用しながら、春のさまざまなイベントを楽しんでくださいね。
<参考資料>
・花粉症の根本治療はできる!アレルゲン免疫療法(減感作療法)
・アレルゲン免疫療法の現状と今後の課題
・コメディカルが知っておきたい 花粉症の正しい知識と治療・セルフケア 平成17・18年度厚生労働省免疫アレルギー疾患予防・治療研究推進事業