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お薬コラム
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更新日:2022/05/28
たくさんありすぎて選べない?高めの血圧に向けたサプリメントはこうやって選ぶと◎

国内では約4300万人もの人が高血圧であると言われており、特に加齢によってその割合が増えることから、今は問題がなくても、血圧に関する心配は決してひと事ではありません。
高血圧という診断がつき、定期薬による治療を受ける前に、可能であればセルフケアで血圧を管理したいですよね。
最も大切なのは運動や食事などの生活習慣の見直しですが、食事の一環としてサプリメントの服用も挙げることができるでしょう。
ただ、インターネットで「血圧 サプリメント」で調べても膨大な製品があがってきて選べない人も多いのではないでしょうか。
今回は薬剤師目線で、さまざまな血圧が高めの人へおすすめのサプリメントを成分からご説明させていただきます。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター ひまわりうさぎ

「血圧が高めの人に」は何mmHgから?

サプリメントを見ると「血圧が高めの人に」という表示がありますね。
この血圧が高めというのは、どの程度のことなのでしょうか。
実は、高血圧と呼ばれる治療が必要な段階までいってから、サプリメントでなんとかしよう、というのでは少し遅いかもしれません。
まず、下の図にあるように、高血圧は最高血圧が140mmHg以上または最低血圧が90mmHg以上である状態を指します。

参考:高血圧治療ガイドライン2019(日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会)

現在の血圧がすでに高血圧と呼ばれる状態で、まだ病院で診てもらっていない人は、サプリメントに頼るのではなく、まずは病院を受診するようにしましょう。
原則、サプリメントは食品であり、病気の治療に使われるものではなく、あくまでも補助的なものであるという点に注意しましょう。
高血圧の一歩手前の「高値血圧」の人は「血圧が高めの人」として、生活習慣の改善が望まれるため、食生活改善の一種として、サプリメントを検討することもおすすめされるでしょう。
しかしながら、すでに血圧の薬を服用している人がサプリメントを摂ってはいけないというわけでは決してありません。
ただ、サプリメントの種類によっては、すでに服用している医薬品との相性が悪いものもありますし、血圧が急に変化した場合、医薬品の効果を正しく見極めるのが難しくなるため、サプリメントを服用することは必ずかかりつけの医師、そして薬剤師に相談するようにしましょう。

医薬品とサプリメントの違い、またサプリメントにおける基本的な注意や選び方についてはこちらもご参照ください。

サプリメントを選ぶポイントは?

血圧が高めの人に向けたサプリメントはたくさんの種類が販売されています。
その中から製品を選ぶ際、参考にしていただきたいポイントを2つ挙げると
「保健機能食品」「GMPマーク」です。

<保健機能食品から選ぶ>
保健機能食品は安全性や有効性について国が認めているものです。
特に特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品があります。
「特定保健用食品」は製品ごとに国の審査を受け、許可を得なければなりません。
それに対し、「機能性表示食品」は食品の安全性と機能性に関する科学的根拠を、事業者が国に届け出ている食品であり、国の審査は受けていないという違いがあります。
ただ、機能性表示食品の届出の際のデータは誰であっても消費者庁のサイトで閲覧することができるため、サプリメントの購入に迷った際は、その根拠や安全性を自分自身で確認することが可能です。

<GMPマークを確かめる>
GMPマークは、製品の安全性と品質を担保するために、厚労省が定めた製造工程管理基準をクリアしていると認定された工場で作られた製品に表示できるマークです。
サプリメントは、さまざまな会社で製造されているため、製造の過程で中の成分にばらつきが出たり、中身が汚染されていたりするなどの危険性がないとは言い切れません。
GMPマークが付いている製品であれば、そういった心配も少ない状態で使用できるでしょう。

血圧に効果の期待できる成分

サプリメントによって、血圧に効果のある成分はたくさん挙げられていますが、その中でも、研究によりある一定の効果が示されている代表的なものをご紹介させていただきます。

・DHA/EPA
イワシやサバなどの青魚に多く含まれる必須脂肪酸の一種です。
血圧を下げる効果だけでなく、中性脂肪の低下や、血栓予防効果、動脈硬化の進行を防ぐ効果があることがわかっています。
EPAはその効果の高さから医薬品としても採用されている成分です。
サプリメントの他にも、医薬品として市販で購入することも可能です。
(第一類医薬品であるため、対面もしくはインターネットで薬剤師の確認を経て、購入する必要があります。)

・GABA
GABAは、野菜や発酵食品などに含まれるアミノ酸の一種で、血管を収縮させる作用のあるノルアドレナリンの分泌を抑えることで、血圧を下げる効果があると言われています。
また、ノルアドレナリンの神経興奮作用も抑えるため、GABAにはリラックス効果が期待でき、ストレスにも良いとされています。(1)

・ペプチド関連物質
ペプチドとはアミノ酸が複数個繋がったものです。
特定のアミノ酸の配列を持つペプチドで、血圧を上げる作用のあるアンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害する作用があることが分かりました。
ペプチドには抽出するものによって種類がたくさんあり、大豆ペプチドやごまペプチド、他に魚由来のサーデンペプチドや乳由来のラクトトリペプチドなどがあります。(2)

・ヒハツ
東南アジアに分布するコショウ科の植物であり、血管内でNO(一酸化窒素)の働きを促進することで、血管が拡張し、血圧改善効果を示すという報告があります。(3)
そのため、血圧以外にも全身の血行促進による冷え改善にも効果的です。

・杜仲葉配糖体
漢方として古くから使用されている成分であり、ヒハツと同じく血管内のNO(一酸化窒素)の働きを促進するだけでなく、副交感神経にも作用して、血管を拡張させ、血圧を下げる効果があります。(4)
また、肥満を防止する効果も広く知られています。

おすすめの血圧に効果のあるサプリメント

DHA&EPA+セサミンEX

成分:EPA、DHA、DPA、セサミン、オリザプラス、ビタミンE、ビタミンD
分類:GMP認定
特徴:DHA・EPAを含むサプリメントの中で15年以上連続でシェアNo.1を獲得しており、DHAサプリメントのおおよそ7割といった圧倒的シェアを占める、サントリーのサプリメントです。
セサミンが入ることで、DHA・EPAの酸化を抑えながら、コレステロール低下作用、抗高血圧作用、免疫活性作用など、体を若々しく保つ効果が期待できます。
DHA・EPAを含むサプリメントには魚臭さを感じるものもありますが、こちらはニオイが気にならないという意見が多いのも人気の秘密でしょう。

血圧GABA(ギャバ)粒

成分:GABA、ヒハツ
分類:機能性表示食品、GMP認定
特徴:サプリメントの中には、1日に何粒も飲まないといけないものも多いですが、こちらは1日1粒で設計されているため、シンプルで続けやすいでしょう。
GABAと並んでヒハツもサポート成分として含まれています。

ヘルケア

成分:サーデンペプチド
分類:特定保健用食品、GMP認定
特徴血圧対策に向けたサプリメント部門で1位の売り上げを獲得している製品です。
医療用医薬品の製造販売を古くから手がけているエーザイから販売されているため、品質についても安心感がありますね。
1回分の4粒が個包装になっているため、数える手間もなく、外出先に持ち運びもしやすいでしょう。
特定保健用食品に認定されており、人間ドック保険協会も推奨しています。

杜仲源GX (つぶタイプ)

成分:杜仲葉由来のゲニポシド酸
分類:機能性表示食品
特徴:杜仲葉に含まれる血圧降下に効果があるとされる成分、ゲニポシド酸を抽出したサプリメントです。
杜仲葉を使用したお茶、いわゆる杜仲茶は「煮出すのが面倒」「味が独特」という声もあるため、錠剤タイプのこちらはそういった方にとっても続けやすいでしょう。

まとめ

血圧が高めの人におすすめのサプリメントについて、どういった方に導入がおすすめであるかや選び方のポイント、またオススメの成分や製品をお伝えさせていただきました。
サプリメントはたくさんの会社からさまざまな製品が販売されているため、その中から製品を選ぶのも一苦労であると思います。
サイトによっては、甘い言葉で購入をそそのかしてくるようなところもありますが、品質や成分の有効性などをしっかり確認し、自分に合ったものを見極めることが大切でしょう。
また、今の血圧をしっかり把握し、サプリメント以外にも食生活や運動といった生活習慣の改善を行うことも忘れないようにしてくださいね。
この記事が血圧に向けたサプリメントでお悩みのあなたにとって、お役に立てれば幸いです。

 

<参考資料>
(1)γ−アミノ酪酸(GABA)の血圧降下作用
(2)血圧と保健機能食品 日本食品安全協会会誌 第13巻 第4号 2018年 長村 洋一 (鈴鹿医療科学大学)
(3)Piperine の血圧低下作用における一酸化窒素の関与 迫康弘他
(4)杜仲葉配糖体の機能性