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お薬コラム
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更新日:2025/02/04

眠くならない風邪薬の選び方!仕事や勉強に集中できる市販薬を薬剤師が解説

風邪の引き始め、喉の痛みや鼻水が気になるけれど、「風邪薬を飲むと眠くなって仕事に集中できない…」と悩んでいませんか?

実は、風邪薬の中には眠気を抑えたタイプもあります。

 

ポイントは「抗ヒスタミン薬が含まれていないかどうか」。

本記事では、眠くなりにくい風邪薬の選び方や、おすすめの市販薬を薬剤師の視点で解説します。

薬剤師ライター クロロボ
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第1章:なぜ風邪薬を飲むと眠くなる?成分とメカニズムを解説

風邪薬の眠気はどこから?

風邪薬を飲むと「なんだか眠くなる…」と感じたことはありませんか?

仕事や勉強、運転をする予定があるときなど、「眠気が出るのは困る!」という場面も多いはずです。

では、なぜ風邪薬を飲むと眠くなるのでしょうか?

その理由は、風邪薬に含まれる 眠気を引き起こす成分 にあります。

特に影響が大きいのは 抗ヒスタミン成分一部の鎮咳成分 です。

これらの成分がどのように眠気を引き起こすのかを解説していきます。

眠気を引き起こす成分とは?

風邪薬に含まれる 眠くなりやすい成分 は、大きく2つに分けられます。

1.抗ヒスタミン成分

抗ヒスタミン成分は、鼻水やくしゃみを抑えるために配合されています。

ヒスタミンは、アレルギー反応や炎症を引き起こす物質ですが、同時に 脳の覚醒を維持する働き も持っています。

抗ヒスタミン薬はヒスタミンの働きを抑えることで 鼻水やくしゃみを止める のですが、同時に 脳の覚醒も抑えてしまう ため、眠気が出やすくなります

代表的な抗ヒスタミン成分には、以下のようなものがあります。

・クロルフェニラミンマレイン酸塩
・ジフェンヒドラミン塩酸塩
・クレマスチンフマル酸塩

風邪薬なのにアレルギー成分?ってちょっと意外ですよね!

これらの成分は鼻炎薬にも含まれていることが多く、風邪薬を飲んだ後に 「なんとなくぼーっとする」 のは、この抗ヒスタミンの影響です。

 

2.一部の鎮咳成分

咳止めとして使われる成分の中には、眠気を引き起こすもの があります。

特に 中枢性鎮咳薬 と呼ばれる成分は、脳の咳中枢に作用するため、副作用として眠気が現れることがあります。

代表的な成分は以下の2つです。

・ジヒドロコデインリン酸塩
・デキストロメトルファン臭化水素酸塩

ジヒドロコデインは 麻薬性鎮咳薬 の一種で、咳を抑える効果が強いですが、眠気や倦怠感の副作用もあります。

一方、デキストロメトルファンは 非麻薬性鎮咳薬 ですが、脳の咳中枢に作用するため、やはり眠気のリスクがあります。

眠気が出るのは、風邪薬が体をリラックスさせるからかと思ってました!

ただし、すべての鎮咳成分が眠気を引き起こすわけではありません

例えば、ノスカピン は中枢性鎮咳薬ですが、眠気の副作用はほぼありません

そのため、鎮咳成分が入っているからといって、必ずしも眠気が出るわけではないのです。

眠気を引き起こさない成分もある

一方で、風邪薬に含まれる成分の中には、眠気とは無関係なもの もあります。

例えば、解熱鎮痛成分 である イブプロフェンアセトアミノフェン です。

これらは発熱や喉の痛みを和らげる目的で配合されていますが、眠気を引き起こす作用はありません。

そのため、眠気を避けたい場合は 抗ヒスタミン成分や一部の鎮咳成分を含まない風邪薬 を選ぶことがポイントです。

 

風邪薬を選ぶ際には、眠気を引き起こす可能性のある成分をチェックし、自分の生活スタイルに合ったものを選ぶことが大切 です。

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第2章:眠くならない風邪薬を選ぶポイントとは?

風邪をひいたとき、「薬を飲むと眠くなるのが困る」と感じたことはありませんか?

実は、風邪薬の成分をよくチェックすれば、眠気の副作用が出にくいものを選ぶことができます。

この章では、眠くなりにくい風邪薬を選ぶためのポイントを解説します。

眠気を避けるなら抗ヒスタミン成分に注意!

風邪薬で眠気が出る大きな原因のひとつが 抗ヒスタミン成分 です。

これらは鼻水やくしゃみを抑えるために配合されていますが、脳の覚醒作用を低下させる ことで眠気を引き起こします。

そのため、眠くなりにくい風邪薬を選ぶには、まず 「抗ヒスタミン成分が含まれていないもの」 を選ぶことが大切です。

風邪薬の成分表示のどこを見ればいい?

市販の風邪薬には、箱や説明書に 成分一覧 が記載されています。

ここで 「○○塩酸塩」や「○○マレイン酸塩」 という表記がある成分には要注意です。

特に以下の成分が含まれている場合、眠気が出やすくなります。

眠気を引き起こしやすい抗ヒスタミン成分

・クロルフェニラミンマレイン酸塩
・ジフェンヒドラミン塩酸塩
・クレマスチンフマル酸塩

風邪薬を購入するときは、これらの成分が含まれていないか 成分表をしっかり確認する ことが大切です。

風邪薬を買うときに、成分表までチェックする人って意外と少ないかも?

咳止めにも注意!中枢性鎮咳薬を避ける

風邪の症状の中でも はつらいものですが、咳を止めるための鎮咳成分の中には 眠気を引き起こすもの があります。

特に 「中枢性鎮咳薬」 は脳に作用するため、副作用として眠気が出ることがあります。

眠気を引き起こす鎮咳成分

・ジヒドロコデインリン酸塩
・デキストロメトルファン臭化水素酸塩

これらの成分は咳をしっかり抑える効果がありますが、眠気が出やすいため 仕事や勉強中には不向き です。

 

眠気を避けたい人向けの咳止め成分

では、眠くなりにくい咳止め成分 にはどのようなものがあるのでしょうか?

・ノスカピン
・チペピジン
・麦門冬湯(ばくもんどうとう)

特に ノスカピンチペピジン は市販の風邪薬にも含まれており、眠気を避けたい人におすすめの成分です。

チペピジンってあまり聞いたことがないけど、眠くなりにくいなら試してみたい!

風邪薬の代替手段:漢方薬の活用

風邪薬の中には、眠くならない代替手段として漢方薬を使う という選択肢もあります。

漢方薬は西洋薬とは異なり、体質や症状に合わせた処方が可能です。

特に、以下のような漢方薬は 眠くなりにくい ため、仕事や勉強中にも使いやすいです。

眠くなりにくい漢方薬

・麻黄湯(まおうとう)(悪寒や発熱を伴う風邪の初期症状に効果的)
・小青竜湯(しょうせいりゅうとう)(鼻水や咳がひどい場合に適している)
・葛根湯(かっこんとう)(風邪の引き始め、肩こりを伴う場合におすすめ)

これらの漢方薬には 抗ヒスタミン成分が含まれていない ため、眠気の副作用を避けながら風邪の症状を和らげることができます。

ただし、漢方薬は 体質によって合う・合わないがあるため、服用前に薬剤師に相談するのが安心 です。

 

眠くなりにくい風邪薬を選ぶには、抗ヒスタミン成分や中枢性鎮咳薬の有無をチェック することが重要です。

特に クロルフェニラミンジフェンヒドラミン は眠気を引き起こしやすいため避けたほうが良いでしょう。

また、咳止め成分では ジヒドロコデインデキストロメトルファン ではなく、ノスカピンチペピジン を選ぶと眠気を抑えやすくなります。

さらに、漢方薬は眠気の副作用がないものが多いため、風邪の症状に応じて活用するのも一つの方法 です。

風邪薬を選ぶときは、成分表示をしっかり確認し、日常生活に支障のないものを選びましょう。

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第3章:薬剤師が選ぶ!眠くなりにくい市販の風邪薬おすすめ3選

おすすめ基準:眠くなりにくい市販薬の条件

風邪薬を選ぶとき、眠気が出にくいものを選ぶには 成分をしっかり確認 することが大切です。

特に 抗ヒスタミン成分 (クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミンなど)は眠気を引き起こしやすいため、これらを含まないものを選ぶのがポイント。

また、ジヒドロコデインやデキストロメトルファンといった中枢性鎮咳薬も眠気を誘発するため、代わりにチペピジンやノスカピンを含むものが良い でしょう。

さらに、漢方薬の風邪薬は眠気の副作用がないため、仕事や勉強がある人には特におすすめ です。

なるほど、風邪薬って成分次第で眠気が変わるんだね。仕事や勉強がある日は、しっかり選ばないと危険かも!

眠くならない風邪薬ベスト3

数ある市販薬の中から、薬剤師の視点で 眠気を抑えつつ風邪の症状に対応できるおすすめの3つ を選びました。

1.パブロン50

特徴
・喉の痛みを和らげる麦門冬湯エキス 配合
解熱鎮痛成分のアセトアミノフェン で発熱や痛みを抑える

こんな人におすすめ
・喉の痛みを中心に風邪の症状がある
・眠くなる成分を避けつつ、市販薬でしっかり対応したい

 

2.改源かぜカプセル

特徴
カンゾウ末、ケイヒ末、ショウキョウ末 の生薬配合で自己回復力をサポート
・バランスの取れた洋薬成分で風邪の諸症状に対応

こんな人におすすめ
・発熱や寒気が気になるが、日中の活動を優先したい
・生薬の力を活かしつつ、眠気を避けたい

 

3.カコナール2葛根湯顆粒〈満量処方〉

特徴
葛根湯の満量処方 で、風邪のひき始めに効果的
抗ヒスタミンや中枢性鎮咳成分を含まず、眠くならない
・発汗作用で体を温め、風邪を早めに改善

こんな人におすすめ
・風邪のひき始めに肩こりや寒気がある
・眠気が出にくい漢方薬を選びたい

葛根湯って昔からあるけど、やっぱり風邪の初期にはよく効くんですよね!

風邪の症状別おすすめ風邪薬の選び方

風邪の症状によって、適した市販薬は異なります。以下の表を参考に、自分の症状に合った風邪薬を選びましょう。

風邪の症状別おすすめ風邪薬の選び方

これらの市販薬をうまく活用し、仕事や勉強に支障をきたさない風邪対策をしていきましょう。

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第4章:風邪薬を買うならどこがベスト?賢い購入方法と注意点

風邪をひいたときに、できるだけ早く対処したいもの。

しかし、風邪薬を買う際に「どこで買えばいいの?」「何に注意すればいいの?」と悩むこともあります。

今回は、眠くなりにくい風邪薬の購入方法と、買う前に知っておくべき注意点について詳しく解説します。

ドラッグストアでの選び方のコツ

風邪薬を買うなら、まずは近くのドラッグストアが選択肢になります。

実物を手に取って成分を確認できるほか、薬剤師や登録販売者に相談できるメリットもあります。

 

成分表示のチェック方法

「眠くなりにくい風邪薬」を選ぶには、パッケージの成分表示をしっかり確認することが重要です。

特に、次のような成分が含まれていないかをチェックしましょう。

・「○○マレイン酸塩」「○○塩酸塩」(抗ヒスタミン成分)
・「ジヒドロコデイン」「デキストロメトルファン」(一部の鎮咳成分)

風邪薬の中には、眠気を軽減するためにカフェインを配合しているものもあります。

夜に服用する場合は、「無水カフェイン」の有無も確認するのがポイントです。

 

薬剤師や登録販売者に相談するのもアリ

成分を見てもよくわからない場合は、「眠くなりにくい風邪薬を探している」薬剤師又は登録販売者に相談してみるのもおすすめ。

症状やライフスタイルに合わせて、適切な風邪薬を紹介してもらえます。

ドラッグストアの風邪薬コーナーって種類が多くて迷いますよね…!

ネットで買うと失敗する?実は落とし穴も

最近では、風邪薬をネットで購入する人も増えています。

確かに便利ですが、意外な落とし穴もあるので注意が必要です。

 

在庫切れで届くまでに時間がかかる

体調が悪いときに注文しても、届くのに1〜2日かかることがあります。

ドラッグストアならその場で手に入るので、すぐに飲みたい場合はネット購入は不向きです。

 

まとめ買いしすぎると使用期限切れに

ネット通販では「〇〇円以上で送料無料!」というお得な設定があることが多く、ついまとめ買いしがち。

しかし、風邪薬には使用期限があるため、買いすぎると期限切れで使えなくなる可能性もあります。

安いからって適当に買うと、届いたころには風邪が治ってることも…(笑)

風邪薬の併用注意!飲み合わせを確認しよう

風邪薬を服用する際は、他の薬や飲み物との組み合わせにも注意が必要です。

知らずに併用すると、副作用が強まることもあるので要チェック

 

「カフェイン入り栄養ドリンク」との併用に注意

「早く回復したいから、風邪薬と一緒に栄養ドリンクも!」というのはNGの場合があります。

特に、風邪薬の中にはカフェインが含まれているものもあるため、栄養ドリンクを併用するとカフェイン過剰摂取のリスクが高まります。

カフェインの摂りすぎは、動悸、不眠、頭痛などの原因にもなるため、飲み合わせには注意しましょう。

 

市販薬の重複摂取に注意!

風邪薬を飲んでいるのに、さらに別の市販薬を追加すると、同じ成分が重複してしまうことがあります。

例えば、次の組み合わせは要注意です。

●総合感冒薬(風邪薬)+解熱鎮痛薬
→ アセトアミノフェンやイブプロフェンの過剰摂取につながる可能性あり。

●総合感冒薬+抗アレルギー薬
→ 抗ヒスタミン成分が重複し、強い眠気が出ることがある。

●風邪薬+抗うつ薬・降圧薬
→ 一部の成分が相互作用を起こすため、かかりつけ医や薬剤師に確認が必要。

風邪薬を飲む前には、自分がすでに服用している薬と重なっていないかチェックすることが大切です。

 

風邪薬は、正しく選んでこそ効果を発揮します。

仕事や勉強を頑張るためにも、適切な風邪薬を選んで快適に過ごしましょう。

まとめ

●眠気を防ぐ風邪薬を選ぶには 抗ヒスタミン(クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン)を避ける ことが重要。

●中枢性鎮咳薬(ジヒドロコデイン、デキストロメトルファン) も眠気を引き起こしやすいため注意。

●チペピジンやノスカピン を含む咳止めなら、眠気が少なく安心。

●漢方薬 は眠気の副作用がないため、仕事や勉強中でも使いやすい選択肢。

●成分表を確認して、自分の生活スタイルに合った風邪薬を選ぶことが大切。

 

風邪薬を選ぶときは、「とりあえず効きそうなもの」ではなく 自分の予定や体調に合ったもの を選びましょう。

日中の眠気が気になるなら、 抗ヒスタミンや中枢性鎮咳薬の有無をチェックする ことがポイントです。

また、眠気を避けたいなら 漢方薬 も選択肢のひとつ。

仕事や勉強がある日でも、しっかり風邪対策しながら活動したいなら、 成分を見極めて賢く選ぶ ようにしましょう!