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お薬コラム
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更新日:2022/06/18
不眠でお悩みの方にオススメの市販薬とは?漢方やサプリメントも紹介

「なかなか寝付けない」「寝ても途中で目が覚めてしまう」など、一時的な不眠症状に悩んでいませんか?薬局やドラッグストアでは多くの種類の睡眠改善薬が販売されています。購入される方も非常に多く、不眠で悩んでいる方は少なくありません。

 

しかし、どの睡眠改善薬を購入したらよいのかわからず困っている方もいるでしょう。そこで今回は、不眠の症状に使える市販薬について、実際に商品を見ながら紹介します。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター 岡本 妃香里

睡眠薬は市販では買えない?

睡眠薬は医療機関で処方してもらわなければ手に入らないお薬です。たとえばマイスリーやレンドルミン、ルネスタなどは医師の処方箋が必要になります。つまり、市販で睡眠薬は手に入りません。

一方、市販で購入できるのは、睡眠薬ではなく睡眠改善薬と呼ばれるものです。睡眠薬は不眠症の諸症状に効果がありますが、睡眠改善薬は一時的な不眠症状の改善にしか効果がありません。海外旅行に行って時差ぼけで寝られないとき、勤務時間が不規則で睡眠サイクルが乱れたときなどに適しているお薬です。

慢性的に眠れない状態が続く不眠症が疑われる場合は、市販の睡眠改善薬を使うのではなく医療機関を受診するようにしてください。

市販薬で可能な不眠に効果があるものとは?

市販で睡眠薬の扱いはありませんが、不眠症状に使用できるお薬はあります。それが先ほども触れた睡眠改善薬です。このほか、漢方薬も使用されます。

睡眠改善薬

睡眠改善薬とは、一時的な不眠症状を改善するお薬です。不眠症状を来すほかの症状がないにもかかわらず、寝付きが悪かったり途中で起きてしまったりなどの症状が出ているときに用いられます。

処方してもらうことで手に入る睡眠薬とは異なり、睡眠改善薬は風邪薬や鼻炎薬を飲んだときに現れる眠気の副作用を利用したものです。ジフェンヒドラミン塩酸塩という抗ヒスタミン薬が主成分として使用されています。

漢方薬

不眠の症状には、漢方薬も用いられます。なぜ眠れないのか、理由に合わせて適切なものを選びましょう。ただし、漢方薬のみで不眠症状を大きく改善させることは難しいため、生活習慣の改善も行いながら補助的に使用するのが望ましいとされています。

市販で購入できる睡眠改善薬

市販の睡眠改善薬にはいくつもの種類がありますが、実はどれを選んでも主成分は変わりません。配合されている量も同じです。どれを選んでも効果は同じため、価格や飲みやすさなどで選ぶとよいでしょう。

 

ネオデイ

比較的安く購入できる睡眠改善薬です。直径7mmとほかの製品よりも小粒になっているため、錠剤の服用が苦手な方でも使いやすくなっています。1回の服用量は2錠です。1箱に6錠入りのものと12錠入りのものとがあります。

ドリエルEX

カプセルタイプの睡眠改善薬です。主成分のジフェンヒドラミン塩酸塩のほかに、ラベンダーアロマも配合されています。カプセルの直径が13.6mmとやや大きめですが、1回1カプセルでよいため飲みづらさを感じることはあまりないでしょう。

アンミナイト

日本初の液体タイプの睡眠改善薬です。「錠剤やカプセルを飲むのは苦手…」「まずは1回だけ試してみたい」という方に使いやすいでしょう。アセロラ風味で、1本わずか2kcalしかありません。ノンシュガーなので、寝る前でも安心して使用できます。

市販で購入できる漢方薬

漢方薬は、不眠の症状が出ている原因や体質に合わせて適切なものを選ぶことが大切です。不眠症状に悩んではいるけど睡眠改善薬はなんとなく飲みたくない方、不眠の原因にアプローチして根本的に症状を改善したい方に漢方薬は向いています。

 

抑肝散(よくかんさん)

「抑肝散」という名前でも販売されていますが、「アロパノール」や「スリーピンα」という商品も有名です。体力が中等度あり、イライラしやすく神経の高ぶりが見られる際の不眠に向いています。

抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

抑肝散と同じくイライラや神経の高ぶりが見られる方に使われるものですが、体力が低下しており、胃腸が弱い方向けです。抑肝散にプラスして精神や自律神経の機能をサポートする陳皮と半夏が配合されています。

柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

緊張やストレスで眠れない方に向いている漢方薬です。眠りに関わりがあると言われている「気」のめぐりをよくし、心を落ち着かせて眠りやすい状態にします。体力が中等度の方向けです。

桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

疲れやすく神経が過敏になることで眠れなくなる方、イライラや不安がある方に向いています。体力が虚弱な方向けです。

加味帰脾湯(かみきひとう)

気持ちを落ち着かせ、ストレスや不安感を抑えることで不眠の症状を改善します。血色が悪く、貧血になりやすい方向けです。消化器の働きを助ける効果もあります。「加味帰脾湯」としても販売されていますが、「ユクリズム」という製品も有名です。

酸棗仁湯(さんそうにんとう)

体力が低下しており、心身共に疲れが溜まっている方に向いています。朝と夜のリズムが乱れることで寝られない方、寝ても疲れが取れない方におすすめです。「酸棗仁湯」という名前で販売されている商品はほとんどないため、購入するとすれば酸棗仁湯を使った「ナイトミン」が候補になりやすいでしょう。

不眠のサポートに使えるサプリメントや栄養ドリンク

始めに注意点をお伝えしておきますが、サプリメントや栄養ドリンクには不眠の症状を直接緩和する効果はありません。生活習慣の改善や薬の服用をベースに、補助的に使用するようにしてください。

 

味の素「グリナ」

睡眠の質と関係があると言われているグリシンが配合されたサプリメントです。睡眠の質の向上、起きたときのスッキリ感、疲労感を軽減する機能性表示食品として販売されています。

アリナミンナイトリカバー

その日の疲れをその日のうちにスッキリさせたい方向けの栄養ドリンクです。疲労感を軽減するグリシンやフルスルチアミンが配合されています。もちろんノンカフェインなので、お休み前の服用も安心です。

まとめ

不眠の症状をやわらげる市販薬としては、ネオデイやドリエルなどに代表される睡眠改善薬があります。不眠症と診断されている場合には使用できませんが、一時的な不眠症状の緩和に役立ちます。そのほか、抑肝散や加味帰脾湯などの漢方薬を使うのもよいでしょう。

不眠症状にお悩みの場合は、薬の使用よりも生活習慣の改善を行うことが大切です。夜になったら部屋を暗くする、就寝・起床時間を一定にする、遅くまでスマートフォンを見ないなど、眠りやすい環境作りも心がけましょう。