bannerbanner sp
お薬コラム
Medication Column List
画像
更新日:2025/09/20

風邪にリポビタンDはどうなの?カフェインの注意点とノンカフェイン製品のすすめ

「リポビタンDを飲んで風邪を早く治したい」と思う方は少なくありません。

 

ですが、カフェインを含むため風邪薬と重なりやすく、眠りの質を下げる可能性もあります。

 

実はノンカフェインの栄養ドリンクが複数あり、風邪のときにはむしろこちらがおすすめ。

 

本記事ではリポビタンフィールを含めたノンカフェイン製品を紹介し、賢い選び方を解説します。

薬剤ライター クロロボ
画像

第1章|風邪で体はどう変わる?必要なのは水分と休養

風邪をひくと、体は想像以上に負担を抱えています。

発熱で体温が上がれば、汗をかいて水分と電解質がどんどん失われます。

さらに鼻水や下痢などの症状が加わると、体の水分バランスは一気に崩れます。

水分が足りないと血流が滞り、免疫細胞の働きも鈍くなるため、回復にブレーキがかかります。

食欲も落ちやすいのが風邪の厄介なところです。

「食べたい気持ちはあるけど、胃が重くて無理…」という方は多く、栄養不足が体力低下につながります。

ほんとだよね〜、食欲ないときって何を口にすればいいか迷っちゃうんだよね…

こうした背景があるので、多くの人が「ドリンクでなんとか補えないか」と考えるのは自然なことです。

コンビニやドラッグストアで手に取りやすい飲み物は、風邪のときの“お助けアイテム”として真っ先に候補に挙がります。

体力を回復したい、喉の渇きを潤したい、そんな欲求が一気に高まるタイミングです。

特にポカリスエットやアクエリアスといったスポーツドリンクは、発熱や大量の発汗による脱水を防ぐ点で有効です。

ただし今回の記事のテーマは「栄養ドリンク」に焦点を当てます。

水分補給ドリンクは補足程度に触れるにとどめ、本題はリポビタンDなど栄養ドリンクに移ります。

水分と栄養、どっちを優先するか悩むときあるよね~

 

画像

第2章|リポビタンDの成分と風邪時の注意点

リポビタンDは「タウリン」「ビタミンB群」「カフェイン」を主成分とする100mLの医薬部外品です。

公式成分(100mL中)は、タウリン1000mg、イノシトール50mg、ニコチン酸アミド20mg、ビタミンB1・B2・B6各5mg、無水カフェイン50mgです。

風邪時に最も問題になりやすいのは「カフェイン50mg」を含む点です。

市販の総合感冒薬(例:パブロンゴールドAなど)にも無水カフェインを含む製品があり、同時期に摂るとカフェイン量が積み上がります。

つまり、風邪薬+リポビタンDの組み合わせで、覚醒・動悸・眠りの質の低下などのカフェイン由来の作用が強まりやすい状況が生じます。

夜は眠れなくなるのがいちばん困りますね~

就寝前にリポビタンDを飲むのは、風邪のときは避けたいです。

カフェインが入眠を妨げ、回復の土台である**睡眠の質を下げやすくなります。

また、風邪薬に含まれる眠気成分(抗ヒスタミンなど)と作用がぶつかり、眠気のコントロールが乱れやすくなります。

一方で、タウリンやビタミンB群は疲労時の栄養補給を目的とした成分です。

ただし、同シリーズの上位モデルや価格が高い製品でもカフェインを含むものはあります。

カフェイン量が据え置きの例もあるため、「高価=カフェインなし」ではありません。

夜はノンカフェイン設計を選び、成分表示でカフェインの有無を確認してください。

カフェイン入りは昼間だけ上手に使う、って線引きも大事だね~

結論として、風邪のときに「今すぐ元気を出したい」気持ちでリポビタンDを選ぶと、就寝の質低下や薬とのカフェイン重複で“逆効果”になり得ます。

日中に短時間の作業をこなしたい等の限定的な場面を除き、夜間や服薬中はカフェインを避ける設計の製品(次章で紹介するノンカフェイン)へ切り替える判断が実用的です。

 

画像

第3章|安心して飲める!ノンカフェインの栄養ドリンク

風邪のときに「夜でも安心して飲める栄養ドリンクはないの?」と聞かれることがあります。

実は、最近はノンカフェイン設計の栄養ドリンクが増えてきていて、風邪薬との飲み合わせや就寝前でも安心できるものが揃っています。

 

リポビタンフィール

リポビタンシリーズの中でも、カフェインゼロ・低カロリーが売りの1本です。

眠りを妨げないので「風邪で寝たいけど疲れも取りたい」という方にはおすすめしやすいです。

 

アリナミンナイトリカバー

こちらは珍しく、“寝る前に飲むこと”を想定して作られた栄養ドリンクです。

名前の通り、休養中の回復をサポートする設計で「寝る前ドリンク」というカテゴリーを築いた存在です。

 

ユンケル黄帝DCF

ユンケルシリーズの中でカフェインレス仕様の製品です。

生薬ビタミンを組み合わせ、カフェイン抜きでも“飲んだ満足感”を得やすいのが特徴です。

 

パブロン滋養内服液アルファ

風邪薬ブランドのパブロンから登場した滋養内服液です。

「薬のイメージが強いパブロン」だからこそ、風邪時に飲みやすい安心感があり、ドラッグストアでも相談されやすい存在です。

薬のブランドから出てると、つい手に取りやすいよね~

以前、風邪で来局した患者さんが「疲れてるからリポビタンDを買おうかな」と話していました。

ただ夜もぐっすり眠りたいとのことだったので、私はノンカフェインのリポビタンフィールを紹介しました。

後日その方から「教えてもらったフィールにしたら眠れたし、体も楽だった」と感謝の言葉をいただきました。

“眠りを妨げない栄養ドリンク”が風邪時にはとても役立つと改めて感じた出来事です。

 

画像

第4章|栄養ドリンクを選ぶときの注意点

まず前提。

栄養ドリンクは“治す薬”ではなく、滋養強壮のための医薬部外品です。

 

糖分・カロリーが高い製品は飲みすぎ注意

風邪で食事量が落ちていても、糖分の多いドリンクを連続で飲むと血糖変動や胃部不快感につながりやすいです。

食事代わりに“がぶ飲み”は避け、用法用量内で最小限にとどめます。

甘いとつい増えちゃうから、本数を決めたいよね~

 

持病(糖尿病・高血圧など)がある人は要注意

糖尿病の方は糖質量、高血圧の方はナトリウム量の記載を必ず確認します。

利尿薬や降圧薬を使っている場合も、むくみや循環動態への影響に配慮し、主治医・薬剤師へ相談します。

サプリ等を併用している人は、ビタミンや生薬の重複にも気をつけます。

 

ほとんどの15歳未満は対象外

市販の滋養強壮ドリンクは、用法用量上“成人(15歳以上)”を想定した製品が大半です。

小児は基本的に水分補給と休養を優先し、栄養ドリンクに安易に頼らない方針が安全です。

お子さんはまず水分補給と休養が大切。食事は無理をせずに様子を見ましょう。

 

ノンカフェインであっても“補助的なもの”

カフェインゼロは睡眠を妨げにくい利点がありますが、主役はあくまで休養・水分・栄養です。

就寝前に使うなら1本で切り上げ、翌日の体調で継続可否を判断します。

「飲めば治る」ではなく、回復を邪魔しない範囲でそっと後押しする位置づけがちょうど良いです。

 

・本数を決めて、成分表示(糖・ナトリウム・生薬・ビタミン)を確認。

・持病・併用薬がある人は事前相談。

・未成年は原則避け、ノンカフェインでも“必要なときだけ”使う。

この3点を守れば、風邪の回復を邪魔せずに上手に活用できます。

 

画像

第5章|症状別・シーン別のおすすめの飲み方

風邪のときに「どんなドリンクを選べばいいのか」は、その時の症状やシーンによって変わります。

ここでは具体的な状況ごとにおすすめの選び方を整理します。

 

発熱・発汗で脱水が強いとき

優先すべきは水分補給です。

高熱や大量の汗で体内の水分・電解質が減っているときは、まずは水分と塩分をしっかり補うことが大切です。

この場面では、スポーツドリンク(ポカリスエットやアクエリアスなど)が役立ちます。

ただし糖分が多いので、少しずつ・適量での利用にとどめるのが安心です。

 

倦怠感が強いとき

ノンカフェインの栄養ドリンクが向いています。

タウリンやビタミンB群で疲労感をサポートしつつ、睡眠の邪魔をしません。

「体がだるくて食事も進まないけど、何かで支えたい」という場面におすすめです。

だるさが続くと、ちょっとでも助けが欲しくなるよね~

 

夜にしっかり眠りたいとき

ノンカフェイン一択です。

カフェイン入りのドリンクは、せっかくの睡眠を浅くしてしまいます。

風邪の回復は「どれだけ眠れるか」で差がつきます。

寝る前に飲むなら、リポビタンフィールアリナミンナイトリカバーといった眠りを妨げない設計の製品を選びましょう。

・脱水時 → スポーツドリンクで水分と電解質を補給。

・倦怠感が強い → ノンカフェイン栄養ドリンクで体をサポート。

・夜は睡眠最優先 → ノンカフェイン製品を選ぶ。

状況に合わせてドリンクを選べば、風邪の回復を妨げずに支えてくれます。

 

画像

第6章|FAQ(よくある質問)

Q1.  リポビタンDは風邪の予防にもなる?

予防効果はありません。
リポビタンDは滋養強壮の医薬部外品です。
体力低下時の栄養補給には使えますが、感染予防は手洗い・睡眠・食事が基本です。

 

Q2.  リポビタンフィールなどノンカフェインは子どもに飲ませてもいい?

基本的に子どもには適していません。
ほとんどの栄養ドリンクは15歳未満対象外の設計です。
なお「子ども用に設計された製品(例:リポビタンキッズ)」は別枠です。
風邪の子どもは水分補給と休養を優先し、使用可否は医師・薬剤師に相談してください。

 

Q3.  ノンカフェインの栄養ドリンクは薬との飲み合わせに問題ない?

特に生薬成分を含む製品は注意が必要です。
生薬は血圧・血糖・凝固系に影響する場合があります。
ビタミンB群は通常問題になりにくいですが、持病・常用薬がある方は、生薬配合品の使用前に必ず確認してください。
Q4.  栄養ドリンクはいつ飲むのが効果的?

基本は食後が安心です。
多くの製品は食後が吸収・胃への刺激の面で無難です。
ただし、アリナミン ナイトリカバー就寝前を想定したノンカフェイン設計
寝る前に飲みやすい製品ですが、空腹時の可否は体調と表示を確認してください。
日中は活動前の補助、夜はノンカフェインを1本だけにしましょう。

 

Q5.  栄養ドリンクを毎日飲んでも大丈夫?

常用はおすすめできません。
多くの製品は「1日1回・必要時使用」が前提です。
数日使っても改善しない場合は中止し、相談してください。健康の土台は睡眠・食事・水分です。

 

まとめ|30秒でわかる結論

最優先は水分と休養:発熱・発汗時はまず脱水対策。 リポビタンDは夜・服薬中は注意:カフェイン50mgで睡眠と重複に配慮。 迷ったらノンカフェイン:リポビタンフィール/アリナミンナイトリカバー/ユンケル黄帝DCF。 飲むタイミング:基本は食後。就寝前は就寝前設計またはノンカフェインを1本だけ。 常用しない:必要時に限定。数日で改善しなければ中止して相談。

つらいときほど「一本で何とかしたい」と思うもの。

でも、いちばんの味方はよく眠ることしっかり潤すことです。

ドリンクは“主役”ではなく、あなたの背中をそっと押す相棒

眠りたい夜はノンカフェインを。

汗をかく日は水分をこまめに。無理はしないでください。

どうか今日は、自分にやさしい選択を。

明日のあなたが、少しでも楽になりますように。

 

【参考情報(最小限)】
この記事の作成にあたり、以下のメーカー公式情報を参照しました。
ご自身での確認や商品選びの際にご活用ください。
◆ メーカー公式製品情報
大正製薬|リポビタン ブランドサイト
アリナミン製薬|アリナミン ナイトリカバー
佐藤製薬|ユンケル ブランドサイト(黄帝DCF 含む)