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更新日:2025/09/25

今年のインフルエンザ、もう流行ってる?全国平均と最新ニュースで徹底チェック

9月も後半になると、インフルエンザの流行が気になり始めます。

 

SNSでは「学級閉鎖が出た」という投稿が増え、薬局でも「高熱なのに検査は陰性」といった相談が目立つようになっています。

 

本記事では、NHK感染症ダッシュボードやModerna Epi Reportを使って最新の流行状況を確認しながら、昨年との比較や今年のワクチン接種の目安を解説します。

 

早めの準備が、家族や職場を守る第一歩になります。

薬剤師ライター クロロボ
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第1章|誰でも分かる流行チェックサイト

インフルエンザが流行しているのかを知るためには、まず「どこを見ればいいのか」がはっきりしていなければなりません。

ここでは専門的な知識がなくても誰でも使える2つのサイトを紹介します。

両方をブックマークして、週1回チェックするだけで、流行の全体像をつかむことができます。

 

NHK感染症ダッシュボード

NHKが公開している感染症ダッシュボードは、厚生労働省の定点医療機関からの報告データを、地図とグラフで見やすく可視化したものです。

全国平均の折れ線を見れば全体の動きが分かり、都道府県別の色の濃淡を見るだけで地域の広がりも把握できます。

薬局で働いていると、全国ニュースよりもこのダッシュボードの方が現場の感覚に近いと感じることがあります。

「子どもたちの間で少しずつ増えてきたな」と思ったタイミングで、折れ線グラフがゆるやかに上向いているのを見ると納得できます。

グラフが動き出すと、数字が一気にリアルになりますね。

ポイントは、細かく毎日見る必要はないということです。

同じ曜日に見比べれば、先週より増えているのかどうかが分かります。

難しい計算をせずに「流行が動いているか」を直感で把握できるのがこのツールの強みです。

▶ NHK感染症ダッシュボード

 

Moderna Epi Report

もう1つ、ぜひ押さえておきたいのが「Moderna Epi Report」です。

このサイトは、JAMDAS(エムスリーが提供するリアルワールドデータ)に基づく日次の推計値を公開しており、全国や地域ごとの感染状況を地図で直感的に確認できます。

赤やオレンジに色づいた地域は、患者数が多いか、または増加傾向が強い場所です。

NHKダッシュボードが「公式の報告データ」を示すのに対して、Epi Reportは「直近の勢い」を色で示してくれます。

両方を併用することで、現状と近未来の動きをまとめて把握できるのです。

色で勢いを見ると…うわっ、ちょっとドキッとしちゃうよね!

私自身、ブログを執筆するときは必ず両方を確認します。

片方だけでは見落とす動きも、2つ合わせて見ると不思議と納得感が増します。

▶ Moderna Epi Report

 

インフルエンザの流行チェックは、この2つのサイトを見れば十分です。

NHK感染症ダッシュボード:全国と地域の流行を、数字と色で把握できる

Moderna Epi Report:日次推計で感染の勢いを直感的に理解できる

「これを見ておけば間違いない」というサイトを2つだけ押さえておくことで、情報に振り回されずに冷静な判断ができます。

 

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第2章|いま全国ではどうなっている?

全国平均の状況

第1章で紹介したサイトを踏まえて、全国の状況を整理してみましょう。

全国平均は注意報や警報の基準にはまだ届いていません。

ただし、週ごとに小さな上昇が続いており、折れ線の傾きはゆっくりと上向いています。

地図の色合いも淡いながら広がりが出てきており、典型的な流行の立ち上がりといえるでしょう。

 

現場で見えるサイン

数字は落ち着いて見えても、生活の現場では先に変化が表れます。

・学校や園では欠席が増え、学級閉鎖のニュースが散発的に出始めています。

・薬局では「高熱なのに検査は陰性だった」という相談が増え、解熱鎮痛薬や咳止めを求める人も目立ちます。

・ワクチン予約に関する問い合わせが9月に入ってから急に増えました。

こうした行動の前倒しは、すでに流行が静かに動き始めている証拠といえるでしょう。

静かに増えている時期ほど、気づきにくいものですよね。

 

平均だけに安心しない

全国平均は“ならし”であり、地域ごとの立ち上がりを見えにくくします。

地図の一部が濃くなっている場合、通勤や通学の動線と重なっていないかを意識して確認しておくことが大切です。

局所的な上昇でも、自分や家族に直結するリスクになるからです。

数字と日常の変化が重なると、ぐっとリアルになりますね。

平均が低くても、実際には静かな流行が始まっています。

この前提で、マスクや手洗い、ワクチン予約などの対策を一段引き上げておくと安心です。

次の章では、昨年の流れを振り返りながら、今年の備えをいつ始めるのが良いのかを具体的にお伝えします。

 

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第3章|昨年の流行パターンと今年のワクチン接種

昨シーズンの流れを振り返る

昨シーズンのインフルエンザは、9〜10月にじわじわ増え、11月に急増し、12月から1月にかけて大きなピークを迎えました。

学校では学級閉鎖が相次ぎ、職場では同じ部署で次々と欠勤が出るなど、家庭から社会全体に波が広がった典型例でした。

薬局にも「家族全員が順番に高熱を出している」という相談が多く寄せられ、地域全体でインフルエンザの存在感が強まっていきました。

一人かかると、家族全員に広がるのが本当に早いですよね。

 

今年の見通し

今年はすでに9月の段階で全国平均が上昇傾向に入りました。

昨年と比べると早めの立ち上がりであり、11月中に本格化し、12月前半に山を作る地域も出るかもしれません。

つまり、年末の繁忙期に向けて感染の波が早く押し寄せる可能性があります。

12月の忘年会とかぶると、ほんとタイミング最悪だよね〜

 

ワクチン接種の目安

インフルエンザワクチンは、接種してから効果が出るまでに約2週間かかり、効果の持続はおよそ5か月です。

そのため、10月前半に接種するのが最も効果的なタイミングといえます。

特に優先したいのは次の方々です。

・高齢者
・妊婦
・基礎疾患を持つ方
・小児や学生
・医療・介護・教育など、人と接する職種の方

 

ワクチンだけでなく日常の工夫も

予防はワクチンだけで完結するものではありません。

睡眠・栄養・乾燥対策・家庭での衛生管理といった日常の積み重ねが、実際の感染リスクを減らします。

さらに、常備薬や経口補水液を10月中に準備しておくと、いざ発症したときに慌てずに対応できます。

 

まとめ|ここだけ押さえておきたいポイント

全国平均はまだ低いが増加傾向:数字は落ち着いて見えても、静かな流行が始まっています。 昨年より早めにピークが来る可能性:11月から本格化し、12月前半に山を作る地域もあり得ます。 ワクチンは10月前半がベスト:効果は2週間後に発現し、5か月持続します。 生活習慣と備えも重要:睡眠・栄養・乾燥対策、家庭での衛生管理、常備薬や経口補水液の準備を。

ワクチンや対策は「いつかやろう」では間に合いません。

10月前半の接種と、家庭での準備を先に整えることが安心につながります。

自分のためだけでなく、家族や職場を守る行動として早めに動いてください。

 

【参考情報】
この記事の作成にあたり、以下の公式情報を参考にしています。
ご自身での確認やワクチン接種の検討にお役立てください。
◆ 公的機関・公式サイト
NHK|感染症ダッシュボード(インフルエンザの最新状況)
Moderna Japan|Epi Report(インフルエンザ流行状況 日次推計)
厚生労働省|インフルエンザ関連情報ページ
国立健康危機管理研究機構|感染症発生動向調査週報