【紫外線アレルギーかも？】肌の赤み・かゆみ対策を薬剤師が徹底解説！

「外に出たら肌がかゆい」「赤くなって湿疹まで…これって日焼けじゃないの？」

そんな経験、ありませんか？

実はそれ、“紫外線アレルギー”かもしれません。

紫外線アレルギーは、光線過敏症（こうせんかびんしょう）とも呼ばれ、紫外線や可視光線によって皮膚が過敏に反応する病気の総称です。

軽いかゆみから、水ぶくれ、ただれまで。

日焼けとは明らかに違う症状が出ることが特徴です。

紫外線アレルギーとは、紫外線などの光を浴びることで、アレルギー反応のような炎症を起こす皮膚疾患です。

日本皮膚科学会では「光線過敏症」と分類され、複数の疾患が含まれます。

紫外線をきっかけに、赤み・湿疹・かゆみ・水ぶくれなどの反応が、光が当たった部分に集中して現れます。

特に気をつけたいのが「毎年決まった季節や状況で繰り返す」「薬や化粧品を使った後に出た」場合。

それは単なる日焼けではなく、内因性または外因性の紫外線アレルギーの可能性があります。

紫外線アレルギーは、大きく分けて体質的な「内因性」と、からの影響による「外因性」に分けられます。

特に外因性は、一部の抗生物質や鎮痛薬、湿布、香料入り化粧品などがトリガーになることがあり、知らずに繰り返す方も少なくありません。

同じ“日光による肌トラブル”でも、紫外線アレルギーと日焼けでは仕組みも対応もまったく別物です。

以下に簡単な比較を載せておきます。

セルフチェックしてみよう！

こんな症状がある場合は、一度「紫外線アレルギーかも？」と疑ってみてください。

✅日差しを浴びた直後にかゆみ・赤み・湿疹が出る
✅汗やかぶれではなく、日光が当たった部分にだけ出る
✅毎年決まった季節に繰り返す
✅特定の薬やコスメを使った後に悪化する
✅該当する方は、第2章以降で紹介する対策法や受診の目安をチェックしてみてください。

次章では、今日からできる紫外線アレルギー対策について、実践的に解説していきます！

紫外線アレルギー（光線過敏症）は、できるだけ日差しを浴びないことが一番の予防策です。

外出の際は、帽子・日傘・長袖の衣類・サングラスなどを積極的に使いましょう。

特に紫外線量が多くなる10〜14時の外出はできるだけ控えるのが理想的です。

日々の紫外線量を知るには、気象庁が公開している「UVインデックス」をチェックするのがおすすめです。

紫外線の強さを「1〜11+」の数値で示してくれます。

▶ 気象庁：UVインデックス予測サイト

中でも、「8」以上のときは特に警戒が必要。

その場合は、日中の外出を控える／長袖や帽子を必ず使う／日焼け止めをしっかり塗るなど、積極的な対策が欠かせません。

■ SPFとPAの「意味」と選び方

「SPF」や「PA」は、日焼け止めのパッケージで必ず見る表記ですよね。

でも、「数値が高ければ安心」と選んでいませんか？

SPF（Sun Protection Factor）は、主にUV-B（短時間で肌が赤くなる紫外線）を防ぐ強さを表します。

PA（Protection Grade of UVA）は、UV-A（肌の奥に届いてシミ・たるみを引き起こす紫外線）を防ぐ目安です。

どちらも高いほど効果は強いですが、毎日使うなら肌負担とのバランスも重要。

紫外線アレルギー対策としては、「SPF30前後・PA++～+++」の製品が使いやすくておすすめです。

■ 「ノンケミカル（紫外線散乱剤）」タイプが推奨されます

日焼け止めには大きく分けて「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤（ノンケミカル）」があります。

紫外線アレルギー対策では、紫外線吸収剤の使用には注意が必要です。

中でも、「オクトクリレン」「オキシベンゾン」といった成分は、光線過敏症（光アレルギー）を引き起こすリスクがあると報告されています。

そのため、肌のバリア機能が弱い方や敏感肌の方には、紫外線散乱剤のみを使った『ノンケミカル』タイプが推奨されます。

✅ おすすめ製品：

KuSu 日焼け止めクリームPro 40g

SPF50+・PA++++。紫外線吸収剤不使用で敏感肌にもやさしいノンケミカルタイプ。
保湿成分（ヒアルロン酸Na、加水分解コラーゲンなど）配合。石けんで落とせる処方で、赤ちゃんや子どもにも使用可能です。

以下のようなものにも、紫外線アレルギーを悪化させる要因が潜んでいます。

・光感作を起こす薬の外用薬（例：ケトプロフェン含有の湿布）
・香水や化粧品の成分（アルコールや色素）
・グレープフルーツやレモンなどの柑橘系果汁

これらが肌に残ったまま紫外線に当たると、光毒性やアレルギー反応を引き起こすことがあります。

普段のスキンケアや外用薬にも気を配りましょう。

紫外線アレルギーは、大人だけでなく子どもにも起こる可能性があります。

小さな子どもには、ベビー用の日焼け止めや、UVカット加工の衣類・帽子を活用しましょう。

家族全員で紫外線対策を意識することで、将来の肌トラブルやアレルギーのリスクを減らすことにもつながります。

▶ 予防が基本とはいえ、うっかり日焼けや紫外線トラブルが起きることも…

どれだけ気をつけていても、「うっかり日焼けしてしまった…」「なんだか肌が赤くてかゆい…」という場面は避けられないこともありますよね。

そんな時のために、紫外線による肌トラブルをやさしくケアできる市販薬を知っておくと安心です。

次の章では、薬剤師の視点から選んだ、紫外線アレルギーのケアに役立つ市販薬をご紹介します。

紫外線アレルギー（光線過敏症）は、かゆみや赤みなどさまざまな皮膚症状を引き起こします。

では、どの程度の症状なら市販薬で対応してよくて、どこからが皮膚科の出番になるのでしょうか？

まず前提として、市販薬の使用は軽度の症状に限られます。

たとえば以下のようなケースが目安になります。

・赤みやかゆみが限られた部位に少しだけ出る
・水ぶくれやジュクジュクはない
・数日で自然に改善する兆しがある
・全身症状（発熱や強い倦怠感など）はない

このような場合は、セルフケアで様子を見ることも可能です。

市販薬での対処は、ステロイド外用薬が基本です。

かゆみや赤みを鎮める効果があり、症状の初期に適切に使うことで悪化を防げます。

市販薬の中でも、以下の3つが代表的な選択肢です。

・フルコートf

市販では最も強力な「ストロング」クラス。
抗生剤も配合されており、かき壊しにも対応できます。

・リンデロンVsクリーム

同じく「ストロング」ですが、ステロイド単剤でシンプル。
顔以外の部位に短期使用がおすすめです。

・新リビメックスコーワ軟膏

やや穏やかな「ミディアム」クラス。
敏感肌や子どもにも使いやすいのが特徴です。
使用目安は1日1～2回、5～7日程度の短期間のみにとどめましょう。

市販の抗ヒスタミン内服薬で皮膚症状に使えるものとしては、

「レスタミンコーワ糖衣錠（ジフェンヒドラミン）」がよく知られています。

皮膚のかゆみやじんましん、湿疹などに効果がありますが、

眠気の副作用や、持病との相性（前立腺肥大、緑内障など）に注意が必要です。

このため、内服薬は外用薬の補助的な選択肢として考えましょう。

市販薬が使えるのは、あくまで「軽度の一時的な症状」に限られます。

次のような場合は、市販薬では対応が難しく、必ず皮膚科を受診しましょう。

・水ぶくれ、ただれ、ジュクジュクした部分がある
→ 感染の恐れがあり、抗菌薬や専門治療が必要なケースも

・赤みやかゆみが広範囲に広がっている
→ 自己判断での外用薬使用は逆効果になることも

・化粧品や薬を使った後に悪化した
→ アレルギー反応や接触皮膚炎の可能性あり

・毎年同じ時期に繰り返す・慢性化している
→ 光線過敏症やアトピー性皮膚炎などの基礎疾患の可能性

・発熱やだるさなど、全身の不調を伴っている
→ 単なる皮膚トラブルではなく、内科的な原因も考えられる

これらの症状は、皮膚のトラブルに見えて実は全身疾患の一部であることもありえます。

早めに専門医の診断を受けることが、悪化を防ぐ最大の予防策です。

「皮膚科に行くべきか、市販薬で様子を見るべきか…」

そんな迷いがあるときは、薬局やドラッグストアで薬剤師に相談するのも有効です。

薬剤師は、以下のような視点からアドバイスしてくれます。

・症状に合った市販薬を選ぶお手伝い
・使用上の注意点や、他の薬との飲み合わせの確認
・症状が市販薬で対応できるかの「見極め」
・医療機関への受診が必要かどうかの助言

特に初めて症状が出た方や、家族の症状に不安がある方にとって、薬剤師は頼れる存在です。

忙しい日常の中でも、早期の対応や適切な判断につながります。

・紫外線アレルギーは“アレルギー反応”：日焼けとは原因も症状も異なる
・予防は遮光とノンケミカル日焼け止めが基本：吸収剤は避ける
・SPF・PAは目的に応じて選ぶ：UV-BとUV-Aに対応
・軽度なら市販薬で対応可：外用ステロイドが第一選択
・水ぶくれ・再発は皮膚科へ：早めの受診が悪化予防につながる

紫外線アレルギーは、気づかずに放置していると、毎年同じトラブルを繰り返してしまいます。

まずは紫外線を避ける習慣と適切な製品選びからスタートしてみてください。

肌の変化は、体からの大切なサイン。

「ちょっと違うかも」と思ったら、今年こそ正しいケアで、肌を守る一歩を踏み出しましょう。

◆ メーカー公式製品情報
・田辺三菱製薬｜フルコートf 製品情報
・塩野義製薬｜リンデロンVsクリーム 製品情報
・興和｜新リビメックスコーワ軟膏 製品情報
・興和｜レスタミンコーワ糖衣錠 製品情報
・アイセイ薬局｜KuSu 日焼け止めクリームPro ブランドサイト
　
◆ 公的・医療機関情報
・気象庁｜UVインデックス（紫外線情報）全国版
・環境省｜紫外線環境保健マニュアル2020（PDF）