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お薬コラム
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更新日:2022/03/11
筋肉痛

「久しぶりに運動したら筋肉痛になってしまった」
「筋肉痛を楽にしたいのだけど、どうすればいいの?」

 

このようなお悩みを抱えていませんか?筋肉痛になると、動くたびに痛みを生じるのでつらいものですよね。そこで今回は、筋肉痛に効果がある市販薬や成分などを詳しく紹介します。

 

筋肉痛は市販薬を使うだけでもかなり楽になるものです。これを参考に、ぜひ自分に合うものを見つけてみてください。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター 岡本 妃香里

筋肉痛の原因について

筋肉痛は、普段あまり使っていない筋肉を使ったり、筋肉を使いすぎたりすることで起きます。筋肉に負担がかかることで筋繊維に傷がつき、傷を修復するために白血球などが集まることで炎症が起きるのです。この炎症が筋肉痛の原因になるといわれています。

しかし、筋肉痛が起こる具体的なメカニズムに関してはまだはっきりとはわかっていません。では、具体的にどのような行動が筋肉痛を引き起こす要因となるのでしょうか。

運動

久しぶりに運動をしたとき、いつもより強度の強い運動をしたときは筋肉痛が起こりやすくなります。運動をしたからといって必ず筋肉痛になるわけではありませんが、普段より長い時間体を動かしたり、いつもとは違う筋肉を使う運動をしたりすることで筋肉が損傷しやすくなるのです。

過労

運動以外では、過労も筋肉痛の原因になります。たとえば重い荷物を運んだり、階段の上り下りを繰り返したりなどの動作は筋肉痛を起こしやすい動作です。

危険な筋肉痛

筋肉痛だからといって、甘く見ていいわけではありません。なかには、命にかかわるほど危険な筋肉痛もあります。それが横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)です。横紋筋融解症とは、筋肉が壊死を起こして壊れてしまう疾患のこと。筋肉が壊れることで筋肉中にあるたんぱく質が大量に血液中へ混ざり、腎臓の機能に影響を与えることもあります。

横紋筋融解症の原因としては、薬の服用や熱中症、強いてんかん発作などが代表的です。なかでも脂質異常症の治療薬によって横紋筋融解症が起こりやすいことはよく知られています。

リバロやクレストールなどのスタチン系、ベザリップやトライコアなどのフィブラート系などは副作用で横紋筋融解症が起こりやすい代表的な医薬品です。脂質異常症の治療薬を使っている方で「運動したわけでもないのに手足が痛む」「しびれがある」「手足に力が入らない」といった症状が出てきたら、横紋筋融解症の初期症状が起こっているかもしれません。できるだけ早く医師や薬剤師に相談しましょう。

筋肉痛に効果がある市販薬

筋肉痛は時間の経過とともに次第に痛みが落ち着いてきますが、できることなら今すぐ痛みを楽にしたいと思うものです。そのようなときは、痛みを抑えるのに効果的な市販薬を使ってみてください。筋肉痛に効果がある市販薬としては、主に次の4つが知られています。

 

湿布薬

湿布薬は、患部に貼ることで痛みを取り除けるお薬です。痛みがあるところにピンポイントで使えることが特徴です。ただし、湿布薬には1日に貼れる枚数に制限があるものもあります。全身に筋肉痛の症状がある場合は湿布薬だと枚数がたりなくなることがあるでしょう。そのようなときは、解熱鎮痛薬の内服薬を使うのがおすすめです。

 

ボルタレンEXテープL

市販の湿布薬のなかでもっとも鎮痛効果が高いジクロフェナクナトリウムが配合されています。1日1回貼るだけで24時間にわたり効果が持続することが特徴です。

ロキソニンSテープL

解熱鎮痛薬としてもお馴染みのロキソニンと同じ成分が配合されています。湿布薬に特有のにおいが少ない微香性タイプのため、日常でも使いやすいです。

解熱鎮痛薬(痛み止め)

解熱鎮痛薬は全身の痛みを抑えることができるため、広範囲に筋肉痛の症状が出ている方に向いています。種類によって効果の強さや胃の負担のかかりやすさが違うため、自分に合うものを選びましょう。

 

ロキソニンS

医療用のロキソニンと同じ成分が配合された解熱鎮痛薬です。服用後、およそ15~30分で効果が表れます。市販薬のなかでは効果が高い成分が使われていることが特徴です。

リングルアイビー

主成分としてイブプロフェンが配合されています。液体カプセルなので素早く溶け、痛みを速く抑えてくれる解熱鎮痛薬です。眠くなる成分は含まれていません。

ビタミン剤

筋肉痛には、ビタミンB1が配合されたビタミン剤も有効です。ビタミンB1だけが配合されたビタミン剤は販売されていないので、総合ビタミン剤を選ぶとよいでしょう。

 

アリナミンEXプラス

眼精疲労や腰痛、肩こりなどの改善ができる総合ビタミン剤です。筋肉痛に効果のあるビタミンB1をはじめ、神経の働きをサポートするビタミンB6、神経を修復するビタミンB12などが配合されています。

漢方薬

意外かもしれませんが、漢方薬でも筋肉痛の痛みをやわらげられます。血流をよくしたり冷えを改善したりすることで体のバランスを整え、痛みを取り除くのです。

 

葛根湯(かっこんとう)

血流をよくして体を温めることで筋肉痛の痛みをやわらげます。体力がある方に向いています。

芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)

こむら返りに効く漢方薬として有名ですが、筋肉の緊張をゆるめる働きがあるため筋肉痛にも有効です。関節痛やしゃっくりにも用いられます。

筋肉痛に効果がある成分とは?

筋肉痛をやわらげる成分としては、ビタミンB1解熱鎮痛成分が代表的です。

ビタミンB1

ビタミンB1は、筋肉の疲労を改善する働きがある成分として知られています。筋肉のエネルギー代謝を改善したり痛みそのものを緩和したりする働きがあるため、筋肉痛をやわらげるのに有効です。

解熱鎮痛成分

ジクロフェナクナトリウムロキソプロフェンイブプロフェンなどの解熱鎮痛成分は、痛みを引き起こす原因物質が作られるのを阻害する働きがあります。そのため、痛みを大元からブロックすることが可能です。

運動後の筋肉痛のアミノ酸、タンパク質の摂取の有効性

筋肉痛をやわらげるのに、アミノ酸やタンパク質の摂取も効果があるといわれています。いくつか種類があるアミノ酸のうち、筋肉痛の緩和に効果があるといわれているのはBCAAと呼ばれるものです。
BCAAは筋肉のエネルギー源となることで知られており、バリンとロイシン、イソロイシンのことを指しています。

タンパク質は筋肉のリカバリーを促進するために必要な栄養素です。体を動かした後にタンパク質と糖質を同時に摂取することで、筋肉の回復が早まるといわれています。

 

味の素 アミノバイタル ゼリードリンク SUPER SPORTS

アミノ酸BCAA配合のゼリードリンクタイプです。運動後の素早いアミノ酸補給に。

 

ザバス(SAVAS) ホエイプロテイン100+ビタミン リッチショコラ味

タンパク質と糖質の他、ビタミンB1など体作りに欠かせないビタミン群を配合。運動後の素早いタンパク質補給に。

患部は冷やした方が良い?温めた方が良い?

筋肉痛が起きたら患部は冷やすべき?それとも温めるべき?と悩んでしまう方は多いのではないでしょうか。湿布薬を選ぶときも温感湿布にするか冷感湿布にするか迷ってしまいますよね。

一般的に患部に炎症が起きていたり腫れて熱を伴っていたりするときは冷やし、何週間も何か月も痛みが続く慢性的な症状は温めると効果的です。筋肉痛の場合は慢性症状ではなく一時的なものなので、冷やしたほうが痛みはやわらぎやすいでしょう。湿布薬を選ぶときは冷却効果のあるタイプを選んでみてください。

まとめ

筋肉痛はいつもより負荷をかけて運動したり体を動かしたりすることで起こります。時間が経てば自然に痛みはひいていきますが、つらいときは市販薬を活用してみましょう。湿布薬や解熱鎮痛薬、ビタミンB1が入ったビタミン剤が有効です。

すぐに痛みを止めたい方は湿布薬や解熱鎮痛薬を選びましょう。アミノ酸やタンパク質を摂取することも筋肉痛の予防や緩和に役立ちます。