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更新日:2023/02/28
市販薬のアレジオン20について薬剤師が解説!有効成分アレジオンの効果や副作用とは?医療用アレジオン錠との違いは?

「市販のアレジオン20はどのような薬なの?」
「アレジオン20の効果や使うときの注意点について知りたい」
「医療用のアレジオンとは何か違いがあるの?」

 

アレジオン20は、花粉症のシーズンになると非常に良く売れる市販薬の一つです。どのような効果があるのか、どういった注意点があるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。

 

今回は、アレジオン20の効果や注意点などについて詳しく解説します。医療用のアレジオンとの違いも紹介しているので、こちらも参考にしてみてください。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター 岡本 妃香里

アレジオン20とは?

アレジオン20とは、主成分としてエピナスチンが20mg配合されたアレルギー専用の鼻炎薬です。以前はアレジオン10が販売されており、エピナスチンは10mgしか配合されていませんでした。しかし、有効性や安全性が確かめられたため、医療用と同じ用量を配合したアレジオン20が販売されたのです。

アレジオン20は1日1回の服用で済むため、何度も薬を服用するのが面倒だと感じる方、服用回数が多いとうっかり飲み忘れてしまう方に向いています。アレルギー専用の鼻炎薬ということもあり、アレジオン20は鼻水やくしゃみ、鼻詰まりなど鼻の症状以外の緩和には使用できません。皮膚の症状には使用できないので注意しましょう。

また、アレジオン20は眠気が出にくい鼻炎薬とは言われていますが、添付文書には服用後に乗物や機械などの運転操作をしないようにと注書きがされています。眠気が出にくいだけでまったく眠くならないものではないため、車の運転などは避けてください。

有効成分のエピナスチンとは?

アレジオン20の主成分であるエピナスチンは、次のようにアレルギー症状を抑える3つの働きを持っています。

1. 抗ヒスタミン作用
2. 抗アレルギー作用
3. 抗炎症作用

ヒスタミンは、鼻の神経や血管を刺激して鼻水や鼻詰まりなどのアレルギー症状を起こす物質です。エピナスチンには抗ヒスタミン作用があるため、これらの症状を抑えてくれます。

また、抗アレルギー作用といって、アレルギー誘発物質の放出を抑える働きがあることも特徴です。炎症を抑える働きもあるため、アレルギー症状をこれ以上悪化させないようにストップをかけてくれる役割もあります。

このほか、PAFやロイコトリエンなど、症状を悪化させる物質の働きを抑える効果ももっています。エピナスチンは数ある抗ヒスタミン薬のなかでも眠気や口の渇きが出にくい成分です。

抗ヒスタミン薬には第1世代と第2世代のものとがあり、エピナスチンは第2世代の抗ヒスタミン薬に分類されます。眠気や口の乾きが出にくく、さらに1日1回の服用で24時間にわたり効果が持続するため、とても使いやすい成分だと言えるでしょう。

医療用のアレジオン錠との違いは?

アレジオン20は、医療用のアレジオン錠20mgと同じ成分を含んでいます。主成分も1錠あたりの成分量も同じです。しかし、効能効果や用法用量に違いがあるので注意しましょう。

市販のアレジオン20は、鼻の症状にしか使えません。一方で医療用のアレジオン錠20は、気管支喘息や蕁麻疹などにも使用できます。医療用の場合は症状や年齢によって服用量を10~20mgで調節できる点も市販との違いです。

成分は医療用も市販薬も同じですが、使える症状が異なります。症状によっては医療用の代わりとして市販薬を使うことができないため、効能効果をよく確認しましょう。

製品名 アレジオン20 アレジオン錠20
有効成分 エピナスチン塩酸塩 エピナスチン塩酸塩
成分量
(1錠あたり)
 20mg  20mg
用法用量 1日1回1錠を就寝前に水またはぬるま湯で服用する 〈気管支喘息、じん麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、痒疹、そう痒を伴う尋常性乾癬〉
1日1回20mgを経口で服用する〈アレルギー性鼻炎〉
1日1回10~20mgを経口で服用する
効能効果 花粉、ハウスダスト(室内塵)などによる鼻みず、鼻づまり、くしゃみなどの緩和 ・気管支喘息
・アレルギー性鼻炎
・蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症、痒疹、そう痒を伴う尋常性乾癬

服用時の注意点

アレジオンは副作用が出づらくとても使いやすい薬ですが、服用するにあたっていくつか注意点があります。

早めに服用を開始する

症状が出てから服用しても効果はありますが、できれば症状が出始めてすぐの段階で服用するようにしてください。アレジオン20がもつ抗ヒスタミン作用や抗炎症作用は比較的すぐに効果が発揮されますが、抗アレルギー作用は効果が出るまでに数日から数週間かかります。

アレジオン20の効果を十分に実感するためには、なるべく早めに服用することが大切です。花粉の飛散日がわかっている場合は、飛散日の2週間前ほどから服用を始めましょう。

1日1回、寝る前に服用する

アレジオン20は1回の服用で効果が約24時間持続します。そのため、服用回数は1日1回となっています。「何回か飲まないと効いているか不安」と思う方もいるようですが、決して2回以上は服用しないようにしてください。

また、服用タイミングは寝る前となっています。これは、寝る前がもっとも飲み忘れが少ないためです。寝る前に服用することで、朝起きてすぐにくしゃみや鼻水に襲われるモーニングアタックも予防できます。

服用後は車の運転をしない

眠気が出にくい薬ではありますが、服用後は車の運転をしないようにしてください。どうしても車の運転をする必要がある場合は、運転に支障が出ないクラリチンEXアレグラFXなどを使うと良いでしょう。

アレジオン20よりも、もっと安く買える同じ成分の市販薬はある?

エピナスチンを主成分とする市販薬は、ほかにもいくつかあります。アレジオン20より割安なものもありますので、メーカーにこだわりがない方はそちらを利用するのもおすすめです。

「エピナスチン20 EX」は1錠あたり約55円と、非常に安い価格で購入できます。アレジオン20の半額程度ですので、安さを重視する方はこちらを選ぶと良いでしょう。

製品名 アレジオン20 ポジナールEP錠 ナブルシオン20 トキワ アレブロック エピナスチン20 RX
1箱あたりの錠数 12錠 20錠 20錠 12錠 40錠
価格 1,298円 1,958円 1,499円 1,480円 2,200円
1錠あたりの価格 約108円 約98円 約75円 約123円 約55円

まとめ

アレジオン20は、主成分としてエピナスチンを含む鼻炎薬です。医療用のアレジオン錠20mgは気管支喘息や蕁麻疹にも使用できますが、市販のアレジオン20は鼻の症状でしか服用できません。医療用の代わりとして市販薬を使う場合は、効能効果をよく確認してから服用するようにしましょう。