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更新日:2023/01/29
フェルビナクスチック軟膏3%「三笠」(医療用医薬品)は市販で買える?

「フェルビナクスチック軟膏」という痛み止めの外用薬を使用したことはありますか?

以前は「スミルスチック軟膏」という名前でした。湿布とは違い見た目に目立たないため、好んで使っている方も多い外用薬です。
今回は、使い勝手のよい「フェルビナクスチック軟膏」について、効果や使用方法、注意点をお伝えします。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター 中山 歩実

購入可能な市販薬とは?

フェルビナクスチック軟膏は、有効成分として「フェルビナク」を含んだスティック状の塗り薬(チック剤)です。
市販薬でも、同成分フェルビナクを含むチック剤を購入することができます。

 

ゼノールエクサムFX

有効成分フェルビナクが、医療用医薬品と同じく3%配合されています。l-メントールを2.7%含んでいるため、塗るとスーッと冷えるような感覚が得られます。
持ち運びにも便利なスリムなサイズのチックで、ほのかなフローラルグリーンの香りになっています。

ゼノールエクサムSX

有効成分フェルビナクが医療用医薬品と同じく3%、l-メントールが3%配合されています。広い範囲に塗りやすいよう、太めに作られたチック剤です。

フェイタスチックEX

有効成分フェルビナクが、医療用医薬品と同じく3%配合されています。l-メントールが6%と、他の市販薬と比べて多く含まれています。爽やかな使用感が好きな方におすすめです。

医療用医薬品としての基本情報

フェルビナクスチック軟膏について、効果や使用方法などについてご紹介します。

フェルビナクスチック軟膏の主成分とは?

主成分として、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と呼ばれる種類の「フェルビナク」が3%含まれています。炎症や痛みを抑える成分です。

チックとは、どういったもの?

チック剤というのは、透明のゲル剤をさらに固めて固形状にした、スティック状の塗り薬のことです。スティックのりやリップクリームと似たような形状です。
固形の軟膏で、手を汚さずに直接からだに塗ることができます。

湿布薬は製品にもよりますが、貼ってから12~24時間は効果が持続します。一方、チック剤のような塗り薬は、効果時間が短いと考えられているため、1日に数回塗りなおす必要があります。ただし、チック剤は湿布薬に比べてかぶれにくいため、皮膚が弱い方や湿布薬でかぶれやすい方には使いやすい剤形といえるでしょう。

フェルビナクスチック軟膏の効能は?

フェルビナクスチック軟膏は、以下のような場合の腫れや痛みに効果があります。

変形性関節症、筋・筋膜性腰痛症、肩関節周囲炎、腱・腱鞘炎、腱周囲炎、上腕骨上顆炎(テニス肘等)、筋肉痛、外傷後

日々のちょっとした筋肉痛や打ち身から、病気による腫れや痛みまで幅広く対応可能です。

フェルビナクスチック軟膏の使い方

腫れや痛みのある箇所に1日数回、擦り込むように塗ります。
目や陰部などの粘膜部分、傷口には塗らないようにしましょう。塗った箇所はラップなどで密封せず、通気性が保たれた状態にしてください。

フェルビナクスチック軟膏の医療用医薬品の種類

成分としてフェルビナクを含む外用薬は、医療用医薬品だけでも様々な剤形のものがあります。

【塗り薬】
・フェルビナクローション3%「三笠」
ローションタイプの塗り薬です。患部にあたる箇所はスポンジのようになっていて、スポンジの部分に浸透した液体成分を患部に塗布していきます。患部に塗布した液体成分はすぐに乾燥するので、洋服についたり垂れたりすることは少ないです。

・フェルビナク外用ポンプスプレー3%「三笠」
患部に直接噴霧し、手で伸ばして使います。使用後は、成分が目や傷口に入るのを防ぐため、手を洗うようにしましょう。

【貼り薬】
・フェルビナクテープ35mg/70mg「三笠」
・セルタッチパップ70㎎/140㎎
湿布タイプのフェルビナクです。いくつかのサイズがあるので、患部に合わせて選びましょう。テープタイプは色が薄茶色で剥がれにくいため、目に付く部位に貼りたい方やしっかり貼りたい方に適しています。パップタイプは、テープタイプに比べると剥がれやすいのですが、肌の弱い方には適しています。

フェルビナクスチック軟膏の注意点

外用剤は副作用がないと思われがちですが、そうではありません。フェルビナクスチック軟膏を使用する上で、注意していただきたいことを2つお伝えします。

使用後はキャップを閉める

フェルビナクスチック軟膏は「揮発性」という性質があります。成分が蒸発しやすいという意味です。
キャップを閉めずに置いておくと、室温や湿度によっては薬剤が脆くなって使用できなくなる場合がありますので、注意してください。

アスピリン喘息の方は使用できない

NSAIDsと呼ばれる種類の鎮痛薬で喘息発作を起こしたことがある方は、フェルビナクスチック軟膏を使用できません。
外用剤(塗り薬)は副作用がなく安全と思っている方は少なくありませんが、飲み薬と同様に副作用が生じる危険性はあります。以下のNSAIDsで喘息発作を起こしたことがある方は、フェルビナクスチック軟膏を使用しないでください。外用剤であっても、痛み止めを使用したい場合は自己判断で市販薬を購入せず、医師や薬剤師に相談しましょう。

先発品の名称 成分名
ロキソニン錠 ロキソプロフェン
ボルタレン錠・坐剤 ジクロフェナク
セレコックス錠 セレコキシブ
ナイキサン錠 ナプロキセン
モービック錠 メロキシカム
ハイペン錠 エトドラク
バファリン配合錠
バイアスピリン錠
アスピリン

※市販の「バファリン」の中には、アスピリンが含まれているものと含まれていないものがあるので注意

まとめ

今回は、医療用医薬品の「フェルビナクスチック軟膏」について、効果や使用方法、類似の市販薬をご紹介しました。抗炎症・鎮痛の塗り薬として、筋肉痛や変形性関節症などさまざまな痛みに使用することができます。
薬の品質を保つため、使用後はキャップを閉めるようにしましょう。粘膜や傷口に使用しないこと、アスピリン喘息の方は使用しないことを意識して、安全に使用してください。