

市販で買える医療用湿布!スイッチOTC オムニードケトプロフェンパップ(医療用モーラスパップ同成分)完全ガイド
肩こりや腰痛に悩む方の中には、「医療用モーラスパップと同じ成分が市販で手に入るの?」と驚く方も多いはず。
実は、ケトプロフェンを有効成分とする「オムニードケトプロフェンパップ」がドラッグストアで購入可能です。
高い鎮痛効果を誇る一方で、光線過敏症など特有の注意点もあります。
薬剤師目線で、その実力と安全な使い方を解説します。


第1章|スイッチOTC オムニードケトプロフェンパップとは?
スイッチOTCとは? 病院の薬が市販で買える仕組み
「スイッチOTC」という言葉、聞いたことはありますか?
これはもともと医療機関で処方されていた薬(医療用医薬品)を、一定の条件を満たしたうえで市販薬として販売可能にしたものを指します。
つまり、病院に行かなくても、薬剤師や登録販売者の説明を受ければドラッグストアで購入できるようになった薬ということです。
スイッチOTCにはいくつかの分類があります。
まず「要指導医薬品」は、スイッチされたばかりで安全性の確認がまだ十分でない薬。
薬剤師による対面販売が必須で、ネット販売もNGです。
次に「第一類医薬品」は、副作用リスクが高めで、薬剤師の説明が必要ですが、ネットでも購入可能なものもあります。
「指定第二類医薬品」は、比較的副作用リスクがあるが、登録販売者でも販売が許可されているもの。
今回ご紹介する「オムニードケトプロフェンパップ」は、この指定第二類医薬品に分類されます。
指定第2類医薬品ってどんな薬?
指定第2類医薬品とは、医薬品の中でも副作用リスクがやや高いと判断された成分を含む市販薬です。
たとえば、喘息発作の誘発やアレルギー症状が報告されたことのある薬は、この分類に入ることがあります。
ドラッグストアで購入する際には、薬剤師または登録販売者のいる店舗でしか販売できません。
また、製品のパッケージには「注意!この医薬品は指定第2類医薬品です」という記載が義務づけられています。
この分類は、「安全に使うためには、販売時に注意喚起が必要な成分を含む」ということの証拠です。
オムニードケトプロフェンパップはどんな薬?
ここで、今回の主役「オムニードケトプロフェンパップ」の登場です。
この薬は、帝國製薬が製造し、テイコクファルマケアが販売している市販用パップ剤(湿布薬)です。
成分としては、以下の2つが主な有効成分です:
ケトプロフェン 0.3%:痛みや炎症を抑えるNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)
l-メントール 0.5%:貼った部位に清涼感を与える成分
この2つの組み合わせによって、腰痛・肩こり・関節痛・テニス肘・腱鞘炎・打撲・捻挫などに効果を発揮します。
サイズは14cm×10cmのパップ剤(湿布)で、1日2回まで使用可能。
販売は18枚入りで、使いやすい小分けパックになっています。
特にこの湿布が注目されているのは、医療用で使われていたケトプロフェン製剤を、スイッチOTCとして市販化した点にあります。
市販で唯一のケトプロフェン湿布薬
2025年現在、市販で購入できるケトプロフェン湿布薬は、オムニードケトプロフェンパップのみです。
他にも「効く」と言われる市販の湿布薬は多数ありますが、その多くはフェルビナク・インドメタシン・ロキソプロフェンといった別のNSAIDsが成分です。
一方、ケトプロフェンは医療用では「モーラスパップ」などで広く使われてきた強力な成分で、痛み止め効果が非常に高いことで知られています。
そのモーラスパップと同じ有効成分を持つ湿布薬が、いまではドラッグストアで手に入る。
それが、この製品が「市販で買える医療用湿布」と呼ばれるゆえんです。
ただし、強力な効果があるぶん、副作用や使い方の注意点も多いため、次章ではそのあたりを薬剤師目線でしっかり解説していきます。


第2章|効果・正しい使い方・光線過敏症リスクまで薬剤師が徹底解説
ケトプロフェン+l-メントールのW作用とは?
有効成分のケトプロフェン0.3%は、医療用ではモーラスパップなどで使われてきた成分です。
炎症を抑える作用と鎮痛効果が高く、医療用と同じ有効成分である点が大きな特長です。
これにl-メントール0.5%を配合し、冷感によるリラックス感や患部の血流促進も狙っています。
ただし、清涼感はあるものの温感タイプではないため、温めたいときには別の温感湿布を検討しましょう。
正しい使用方法と貼り方の注意
基本は1日2回まで。
貼る前に患部の汗や汚れをきちんと拭き取ることが大切です。
皮膚が濡れていると密着性が悪くなり、成分の吸収にも影響します。
皮膚が弱い人は、使用前に腕の内側へ1〜2cm角の小片を半日貼って様子をみる「パッチテスト」を推奨します。
発疹・かゆみ・赤みが出た場合は使用を避けましょう。
剥がした後は最低4週間、貼付部を紫外線に当てないこと。
光線過敏症のリスクは使用後もしばらく残るため、衣服やサポーターでしっかり遮光してください。
光線過敏症の正体と対策
ケトプロフェンによる光線過敏症は、紫外線を浴びた部位に発赤・かゆみ・水疱・ただれなどの強い皮膚反応を起こすことがあります。
症状は遅れて出ることもあり、色素沈着や白斑として長く残るケースも報告されています。
この副作用は、医療用のモーラスパップでも知られているケトプロフェン特有のリスクです。
そのため、貼付部はもちろん、剥がした後も最低4週間は日光を避け、必要に応じて遮光性の高い衣服やサポーターで保護しましょう。
併用を避けたい製品と成分
オキシベンゾンやオクトクリレンを含む日焼け止め・香水などは光線過敏症を助長する可能性があるため併用NGです。
また、NSAIDs湿布薬の大量貼付や複数併用は避けるべきです。
ケトプロフェンパップは経皮吸収量が比較的少ないため、適正枚数内であればNSAIDs内服薬との併用は大きなリスクは低いと考えられます。
しかし、複数の貼付薬を同時使用すると吸収量が増え、副作用(消化管障害や全身性の有害反応)の可能性が高まります。
使用できない人・避けるべきケース
以下の方は使用できません。
・妊娠中または妊娠の可能性がある方
・15歳未満
・ケトプロフェンや類似成分でアレルギー歴がある方
・喘息歴や紫外線アレルギーがある方


第3章|購入時の注意点とよくある質問(FAQ)を薬剤師が回答!
ネットでも買える?店舗でも買える?
オムニードケトプロフェンパップは指定第2類医薬品です。
購入には薬剤師または登録販売者による販売が必要です。
店舗で購入する場合は、体調やアレルギー歴、使用部位について質問されることがあります。
ネットではAmazonや楽天などでも販売されており、確認なしで購入できるケースもありますが、あくまで自己責任での使用が前提です。
よくある質問とその答え(FAQ形式)
Q1: 何日間まで使っていい?
原則として、1日2回、5〜6日間使用しても改善がない場合は中止し、医師に相談してください。
長期連用は皮膚障害や副作用リスクを高めます。
Q2: 他の湿布やロキソニンと一緒に使える?
ケトプロフェンパップを適正な枚数(例:両肩・腰など局所)で使用している限り、NSAIDs内服薬との併用による胃腸障害リスクは高くありません。
ただし、大量に貼る、または他のNSAIDs湿布と併用すると、皮膚からの吸収量が増えて全身性副作用のリスクが上がります。
貼付剤を併用する場合や広範囲に貼る場合は、必ず薬剤師に相談してください。
Q3: 貼った後、いつから日光に当てていい?
使用中だけでなく、剥がした後も最低4週間は紫外線を避けてください。
光線過敏症のリスクがあり、発赤・水疱・色素沈着を起こす可能性があります。
衣類やサポーターでしっかり遮光しましょう。
薬剤師からのワンポイントアドバイス+代替薬の提案
オムニードケトプロフェンパップは強力な鎮痛・抗炎症効果がありますが、使用後4週間の遮光が必要という制約があります。
首や腕、ふくらはぎなど日光に当たりやすい部位に貼る場合は、光線過敏症リスクのない湿布を選ぶのも一つの選択肢です。
ここで紹介する2製品は、いずれもオムニードと同サイズ(10cm×14cm)で、有効成分は医療用でも使用されており、ケトプロフェンに近い鎮痛効果が期待できます。
また、光線過敏症の注意がなく、日常生活で紫外線を完全に避けられない方にも使いやすい製品です。
ロキソニンSパップ
有効成分:ロキソプロフェンNa水和物
急性の痛みに素早く効くのが特徴。
添加物としてハッカ油が配合された冷感タイプでスーッと爽やか。
伸縮性に優れるパップ剤で、広範囲にも使いやすい。
フェイタスシップ(冷感)
有効成分:フェルビナク
慢性的なこりや痛みにじっくり効く。
メントールによる清涼感があり、厚みのあるシップ剤で患部を覆って効果を持続。
温感タイプも販売されており、症状や季節に応じた使い分けが可能。
まとめ:強い効果と安全性のバランスを見極めるポイント
・市販唯一のケトプロフェン湿布薬:オムニードは医療用モーラスパップと同成分
・光線過敏症に要注意:剥がしても4週間は紫外線NG
・貼る部位を選ぶ:日光が当たる場所は避け、衣服やサポーターで遮光
・併用注意:NSAIDs含有の他湿布・内服薬との重複は薬剤師に相談
・代替薬も検討:日光が当たる部位ならロキソニンSパップやフェイタス5.0も選択肢
強い鎮痛効果と引き換えに、光線過敏症リスクが高いのがケトプロフェンの特徴です。
貼る部位・期間・季節を考えて選びましょう。
「効く」だけでなく「安全に使える」ことが、長く症状と付き合う上で大切です。
【参考情報】
この記事の作成にあたり、以下のメーカー公式情報を参照しています。
ご自身での確認や商品選びの際にご活用ください。
◆ メーカー公式製品情報
・テイコクファルマケア|オムニードケトプロフェンパップ
・久光製薬|モーラスパップ
・第一三共ヘルスケア|ロキソニンSパップ
・久光製薬|フェイタス