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お薬コラム
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更新日:2025/03/05

【薬剤師が解説】蓄膿症に市販薬は効く?漢方・点鼻薬・飲み薬の違いを徹底解説

「蓄膿症に市販薬は本当に効くの?」そんな疑問を持つ方も多いはず。

 

蓄膿症は慢性的に副鼻腔に膿がたまり、鼻づまりや頭痛などの症状を引き起こします。

 

症状を和らげるために、市販の漢方薬や点鼻薬、抗炎症薬を試す方もいますが、どれを選べばいいのか分かりにくいですよね。

 

今回は、それぞれの市販薬の違いを徹底解説!どの薬がどんな症状に向いているのか、選び方のポイントを詳しく紹介します。

薬剤師ライター クロロボ

第1章:「蓄膿症に市販薬は効く?治療の基本を解説」

「蓄膿症に市販薬は効くのか?」という疑問を持つ人は多いでしょう。

鼻づまりや頭痛、鼻水の違和感を少しでも楽にしたいと考え、市販薬に頼ることもあるかもしれません。

しかし、市販薬がどこまで有効なのか、どのような症状なら病院に行くべきなのか、正しく理解しておくことが重要です。

1.「蓄膿症」と「副鼻腔炎」の違いを整理

「蓄膿症」は正式な医学用語ではなく、一般的には慢性副鼻腔炎を指すことが多いですが、副鼻腔炎全体を指して使われることもあります。

そもそも副鼻腔炎には、急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎の2つがあります。

・急性副鼻腔炎:風邪や細菌感染が原因で、副鼻腔に炎症が起こる。

・慢性副鼻腔炎:副鼻腔の炎症が長引き、膿が溜まりやすくなる状態が3か月以上続く。

一般的に「蓄膿症」と言われるのは、後者の慢性副鼻腔炎のことを指すことが多いですが、厳密には急性副鼻腔炎の一部でも「膿が溜まる」状態になることがあります。

蓄膿症は慢性副鼻腔炎のことだと思ってたけど、意外と曖昧な表現なんだね!

2.市販薬は「治す」のではなく「症状を和らげる」もの!

市販薬に頼れば、病院に行かなくても治ると考えてしまう人もいますが、それは誤解です。

副鼻腔炎の根本的な治療には病院での診察が必要であり、市販薬はあくまで「症状を和らげる」ためのものです。

市販薬には、主に以下のような役割があります。

1)鼻づまりを緩和する(点鼻薬、鼻炎薬)

2)炎症を抑える(抗炎症成分を含む薬)

3)痛みを和らげる(鎮痛薬)

例えば、点鼻薬は鼻づまりを素早く解消しますが、長期間使いすぎると「リバウンド現象」で逆に悪化することもあります。

また、抗ヒスタミン薬は鼻水を抑えますが、眠気が出る可能性があるため、運転前や仕事中は注意が必要です。

市販薬は症状を和らげるもの。根本的に治すには病院での診察が必要なので、長引く場合は受診を!

3.市販薬を使うべき人 vs 病院に行くべき人

軽症のうちは市販薬で対処できますが、以下のような症状がある場合はすぐに病院を受診するべきです。

・発熱がある(細菌感染が疑われる)

・顔の腫れや激しい痛み(炎症が広がっている可能性)

・強い頭痛やめまい(副鼻腔炎が悪化している可能性)

・症状が10日以上続いている(慢性化の恐れあり)

・市販薬を5~6日試しても改善しない

病院では、症状に応じて抗生物質の処方や鼻洗浄などの治療を受けることができます。

慢性副鼻腔炎が重症化すると、手術が必要になることもあるため、症状が長引く場合は早めの受診をおすすめします。

なるほど、軽い症状なら市販薬でOKだけど、長引いたり痛みが強かったら病院に行くべきだね。早めの判断が大事だ!

 

副鼻腔炎の中でも慢性化したものが「蓄膿症」と呼ばれることが多く、市販薬は根本的な治療ではなく症状を和らげるために使うものです。

軽症であれば市販薬で対応できますが、長引く場合や症状が悪化する場合は、迷わず病院に行くことが大切です。