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お薬コラム
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更新日:2022/10/08

PL配合顆粒は、市販で購入できる?

風邪薬として有名な医療用医薬品「PL配合顆粒」を使ったことはありますか?

患者さまから「よく効くからPL配合顆粒がほしい」「家に常備しておきたい」という声をよく耳にします。多くの方になじみのある「PL配合顆粒」は、市販薬として購入できることをご存じですか?

今回は、PL配合顆粒について、また市販薬を購入するうえで注意してほしいことについて解説します。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター 中山 歩実

購入可能な市販薬とは?

PL配合顆粒と同様の市販風邪薬をご紹介します。

 

パイロンPL顆粒

パイロンPL錠

パイロンPL顆粒/パイロンPL錠の2つは、医療用のPL配合顆粒と全く同じ成分で構成されています。ただし、より安全に配慮するため、成分の量はすべて80%に減らされている点に注意が必要です。

パイロンPL錠ゴールド

パイロンPL顆粒/パイロンPL錠の成分に、デキストロメトルファンとブロムヘキシンを追加した、総合風邪薬です。
デキストロメトルファンは、比較的効果の強い咳止めです。副作用として便秘をおこしやすいので注意しましょう。
ブロムへキシンは、痰の粘りを弱めて痰を吐き出しやすくする成分です。目立った副作用はありません。

パイロンPL顆粒Pro

医療用のPL配合顆粒と全く同じ成分が、同じ量入っているものです。

医療用医薬品としての基本情報

PL配合顆粒の主成分とは?

PL配合顆粒は、4つの成分で構成された風邪薬です。

【PL配合顆粒(1g中)】
サリチルアミド 270mg:解熱・鎮痛の作用がある成分です。
アセトアミノフェン 150mg:解熱・鎮痛の作用がある成分です。
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩 13.5mg:抗ヒスタミン薬で、くしゃみ・鼻水に効果のある成分です。眠気が強く出ます。
無水カフェイン 60mg:だるさ・眠気の解消作用がある成分です。

サリチルアミドは、非ステロイド性抗炎症薬と呼ばれる種類の解熱・鎮痛成分で、医療用の「ロキソニン(ロキソプロフェン)」や「セレコックス(セレコキシブ)」などと似たような働き方をします。
アセトアミノフェンは、「カロナール」と同じ成分です。子どもから高齢者まで、比較的安全性の高い解熱・鎮痛成分といえます。痛み止めとして定期的に内服している方もいますので、成分が過量にならないよう、薬剤師に確認してください。

プロメタジンメチレンジサリチル酸塩(以下、プロメタジン)は、抗ヒスタミン薬でアレルギー症状を抑える効果があります。ただし、脳内にも作用するため眠気が非常に強く、プロメタジンと似た抗ヒスタミン薬は、市販の睡眠改善薬としても使われているほどです。

プロメタジンによる眠気やだるさを和らげるため、無水カフェインが配合されています。

PL配合顆粒の効能は?

PL配合顆粒は風邪薬なので、風邪に伴う以下のような症状に効果があります。
発熱・鼻づまり・鼻水・のどの痛み・関節痛・筋肉痛

医療用のPL配合顆粒には、咳や痰といった呼吸器症状に効果のある成分は入っていません。

PL配合顆粒の使い方

成人の方は、1日4回、1包ずつ内服します。医師によっては、1日3回・毎食後で処方する場合もあります。風邪症状がなくなれば、内服をやめてもかまいません。

もし飲み忘れたときは、次の服用時間まで時間がある(目安として3時間以上ある)ときは気が付いたときに飲みましょう。飲む時間は食事のあとでなくとも問題ありません。
次の服用時間が近いときには、次のタイミングから飲むようにしてください。副作用が出るリスクが高まるため、1度に2包飲んではいけません。

PL配合顆粒の医療用医薬品の種類

医療用のPL配合顆粒には、小児用もあります。

・幼児用PL配合顆粒
2~11歳の小児用です。成分は大人用と同じです。年齢によって、1回に何包飲むか変わりますので、医師の指示通り内服してください。

【小児用PL配合顆粒(1g中)】
サリチルアミド45mg
アセトアミノフェン25mg
プロメタジンメチレンジサリチル酸塩2.25mg
無水カフェイン10mg

2歳未満の子ども、インフルエンザウイルスに罹患中の子どもには使用できません。

PL配合顆粒を飲む際に注意が必要な人

風邪薬ということで安易に飲んでしまいたくなりますが、PL配合顆粒にはいくつか注意しなくてはならない点があります。どんな方に注意が必要かご紹介します。

配合成分にアレルギーがある人

アスピリンなどサリチル酸系の薬、カロナール(アセトアミノフェン)といった配合成分にアレルギーのある方は使用できません。
不安のある方は、医師や薬剤師に伝えて問題ないかどうか確認してもらいましょう。

アスピリン喘息の人

PL配合顆粒に含まれている「サリチルアミド」は、アスピリンと似たような成分のため、アスピリン喘息の方は使用できません。

緑内障の人

緑内障のうち、とくに「閉塞隅角緑内障」の方はPL配合顆粒を使用できません。眼圧が上がって、目の症状が悪化する可能性が高いです。
「開放隅角緑内障」であっても、まれに眼圧が上がってしまうことがありますので、注意して使う必要があります。

前立腺肥大症の人

前立腺肥大症など、尿路が閉塞している方(詰まっている・狭くなっている方)はPL配合顆粒を使用できません。
PL配合顆粒の成分によって、膀胱の収縮がじゃまされ、尿が出なくなる副作用が出る可能性があるためです。
前立腺肥大症などに気が付いていない方がPL配合顆粒を飲み、尿が出なくなったという事例もあります。「尿が出ない・出にくい」症状があらわれた場合には、PL配合顆粒の内服を止めて、病院や薬局へ連絡してください。

妊婦・授乳婦の方

妊娠12週以内・あるいは妊娠後期の方、妊娠している可能性のある方は、PL配合顆粒の使用を控えた方がよいです。禁止というわけではありませんが、胎児や新生児に影響を与えるかもしれないので、主治医と相談しましょう。
授乳婦の方も、控えた方がよいです。カフェインが含まれており、母乳中にも分泌されます。

解熱薬であれば、PL配合顆粒の成分である「アセトアミノフェン(カロナール)」が妊婦・授乳婦の方でも使えます。必要な成分だけのシンプルな薬を医療機関でもらう方が安全です。

注意すべき副作用

PL配合顆粒は、成分の「プロメタジン」の影響で強い眠気が出ます。
そのため、服用している間は、自転車や車などの運転は控えてください。

まとめ

今回は、医療用のPL配合顆粒と、市販薬で類似の薬である「パイロンPL」シリーズについてご紹介しました。

PL配合顆粒は、風邪薬なので「とくに副作用など気にしなくて大丈夫なんだろう」と思ってしまいがち。ですが、持病によっては気を付ける必要があります。今回解説した内容をふまえ、より安全に使用してください。