bannerbanner sp
お薬コラム
Medication Column List
画像
更新日:2022/09/06

しみ・そばかすを改善する市販薬

年齢を重ねるにつれて増えていくシミ。鏡を見ながら「どうすればシミをなくせるのだろう」と悩んでいませんか?シミがあるとメイクで隠すのも大変ですし、なんとなく自分のお肌に自信がもてなくなりますよね。

しかし、美容治療を行うのには抵抗があったり、できるだけ自宅でケアしたいと考えたりしている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、しみやそばかすの改善に効果がある市販薬について紹介します。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター 岡本 妃香里

しみ・そばかすの種類や原因

しみと呼ばれるものには、厳密にはいくつか種類があります。それぞれ原因やメカニズム、治療法が違うため、まずは簡単にしみやそばかすの種類について見ていきましょう。

炎症性色素沈着

ニキビやケガをした部分がそのままシミになって残っているものです。通常はターンオーバーによってシミは薄くなっていきますが、ニキビやケガによる炎症が強い場合はそのままお肌に残ってしまうことがあります。

ムダ毛の自己処理によって毛穴が黒ずむのも炎症性色素沈着の一種です。放っておくと紫外線の影響によってさらに濃くなることあがるため、気になる場合は早めに対策を行いましょう。

老人性色素斑

加齢に伴って頬や手の甲などにできるシミのことです。日光性色素斑とも呼ばれており、紫外線の影響によってできます。ごくありふれたシミの一つで、40代以降になるとできやすくなることが特徴です。紫外線を浴びる機会が多い方では、20代でもできることがあります。

肝斑

おもに頬骨のあたりに左右対称にできるシミのことです。30~40代ごろからでき始めます。はっきりとした原因はわかっていませんが、女性ホルモンのバランスの乱れや紫外線が関係しているのではないかと考えられています。しみ・そばかす用の市販薬ではなく、肝斑専用のものを使って治療を行うことが一般的です。

そばかす

雀卵斑(じゃくらんはん)とも呼ばれており、頬や鼻の周りを中心に小さなしみがいくつも見られます。遺伝によってできることが多いといわれていますが、紫外線やお肌へのダメージがそばかすを濃くしてしまうこともあるため注意しましょう。

しみ・そばかすを予防する方法

しみやそばかすを予防するうえでもっとも大切なのは、紫外線対策です。
それ以外にも効果的な方法があるので、紫外線対策を中心に日頃からしっかりと予防を行っていきましょう。

日焼け止めを使い紫外線対策を行う

炎症性色素沈着や老人性色素斑、肝斑やそばかすはどれも紫外線の影響が関係しています。しみやそばかすを悪化させることもあるため、予防法としては紫外線対策がもっとも大切です。
紫外線といえば春や夏に強くなるイメージがありますが、実はピーク時ほどではないものの秋や冬でも降り注いでいます。

日焼け止めを顔に塗る場合はまず1円玉大の日焼け止めを手に取って塗り、再び1円玉大を取って2度塗りしてください。腕や脚などに塗る場合は、らせん状に日焼け止めをのせてから塗り広げることでムラなく塗ることができます。

日焼け止めを購入する場合には、効果の指標であるSPFやPAを基準に選びます。少し買物に行ったり通勤や通学をしたりする程度ならSPF30、PA+++以上あれば十分です。屋外で長時間過ごしたりスポーツをしたりする場合はSPF50+、PA++++程度を目安にしましょう。
日焼け止めについて詳しく知りたい方は、こちらのコラムもご参照ください。

スキンケアをしっかり行う

お肌が乾燥していると、バリア機能が低下する影響で紫外線の影響を受けやすくなります。洗顔後は化粧水をつけてお肌に水分を補給し、上から乳液やクリームを重ねて水分が蒸発しないように蓋をしてあげましょう。
なお、保湿を行うときにコットンでお肌を強く叩かないように注意してください。叩くことによる刺激によってしみやそばかすの原因になることがあります。

お肌によい栄養素を摂る

お肌の健康維持に役立つビタミンを摂ることも大切です。ビタミンCはメラニン色素の生成を抑制し、ビタミンEは血行をよくします。
ビタミンB2はお肌のターンオーバーを整え、メラニンを排出しやすくする栄養素です。ビタミンCはイチゴやブロッコリー、ビタミンEはアーモンドやアボカド、ビタミンB2は納豆や卵などに多く含まれています。

しみ・そばかすに効果がある市販の飲み薬・成分について

しみやそばかすを改善する市販薬は、ビタミンCL-システインが主成分となっているものがほとんどです。肝斑の治療薬にはトラネキサム酸が使われます。

ビタミンC

メラニン色素は、チロシンにチロシナーゼという酵素が働くことで作られます。ビタミンCにはこのチロシナーゼが作られるのを阻害する働きがあるため、メラニン色素の生成を抑えることができるのです。また、すでに作られたメラニン色素を抗酸化作用によって還元し、無色化するはたらきもあります。

L-システイン

メラニン色素の生成に必要なチロシナーゼの働きを抑えたり、チロシナーゼが作られるのを阻害したりする成分です。ターンオーバーを促進してメラニン色素の排出を促す働きもあります。

トラネキサム酸

メラノサイトを活性化するプラスミンの働きを抑えることで肝斑を改善する成分です。メラノサイトとは、メラニン色素を作り出す工場のこと。メラニン色素を作り出す大元の部分からブロックし、肝斑を薄くします。

しみ・そばかすの改善におすすめの市販薬

しみやそばかすの改善に効果がある市販薬には多くの種類があります。あまりに種類が多く、どれが自分に効果的なのか迷ってしまう方も多いでしょう。
そこで今回は、数ある商品のなかから3つをピックアップしました。

 

ハイチオールCプラス2

しみやそばかすだけでなく、疲労にも効果的です。1日あたり500mgのビタミンCを摂取できます。ビタミンCの働きをサポートするパントテン酸が配合されていることも特徴です。

ネオビタホワイトCプラス「クニヒロ」

1日の服用回数が2回で済むため、お昼に飲み忘れやすい方や仕事や学校の関係で飲みづらい方に向いています。
ビタミンCが1日あたり1,000mgと、多めに配合されていることもポイントです。ビタミンEやビタミンB2なども配合されているため、お肌のトータルケアができます。

トランシーノⅡ

肝斑専用の治療薬です。トラネキサム酸をはじめ、L-システインやビタミンC、パントテン酸カルシウムなどが配合されています。8週間続けて服用することで肝斑を改善できる、市販では唯一の商品です。

まとめ

しみにはいくつか種類がありますが、どれも紫外線の影響を受けて悪化することがあります。そばかすは遺伝要素もありますが、紫外線の影響もゼロではありません。そのため、しみやそばかすの予防には紫外線対策を行うことが大切です。

また、ビタミンCやL-システインなどが配合された市販薬を使うことで、できてしまったしみやそばかすの改善が期待できます。肝斑の場合はトラネキサム酸が配合されたものが効果的です。

 

〈参考資料〉
紫外線環境保険マニュアル2015