尿素系のハンドクリームとは?効果、有効成分を薬剤師が解説。
寒い季節になってくると、ドラッグストアには多くのハンドクリームが並ぶようになります。空気が乾燥すると手荒れしやすくなるので、多くの方がハンドクリームを使うようになるのです。
さまざまな種類の商品がありますが、なかでもよく見かけるのが尿素配合のハンドクリーム。今回は尿素系のハンドクリームにはどのような効果があるのか、人気の商品にはどういったものがあるのかなどについて解説します。
尿素系ハンドクリームとは?
尿素系ハンドクリームとは、有効成分に尿素が配合されたハンドクリームのことです。ハンドクリームには、このほかにビタミン系や保湿剤系もあります。尿素系ハンドクリームは、皮膚が固くなってガサガサしている方に向いている商品です。
指の乾燥がひどく、ひび割れやあかぎれができている方は、尿素系ハンドクリームを選ぶとよいでしょう。ビタミン系は皮膚のターンオーバーを正常に整えて手荒れを回復させたい方、保湿剤系は皮膚の水分が少なくカサカサしている方に向いています。
有効成分の尿素とは?
尿素には、固くなった角質をやわらかくする効果と皮膚にうるおいを与える効果とがあります。
一般的に、濃度が20%の尿素は角質をやわらかくする効果に優れており、10%のものは水分を保持する効果がメインになります。ガサガサを治したいのか、それともうるおい補給をしたいのかによって尿素の配合濃度を選ぶようにしましょう。
尿素系ハンドクリームを使用するときの注意点
尿素系ハンドクリームは、固くなった角質層をやわらかくするのに優れた効果をもっています。
しかし、含有率が高い尿素は、皮膚に刺激を与えることもあるので注意しましょう。皮膚がひび割れていたり炎症を起こしたりしている部位に尿素系ハンドクリームを塗ると、しみてしまうことがあります。
また、角質をやわらかくする目的で尿素系ハンドクリームを使用する場合は、効果が出るまで毎日しっかりと塗るようにしてください。数回使った程度では思うような効果が出ない可能性があります。
尿素系のハンドクリームの強さとは?
尿素系ハンドクリームには、「医薬品」「医薬部外品(指定医薬部外品)」「化粧品」の3種類があります。基本的に効果の強さは医薬品>医薬部外品(指定医薬部外品)>化粧品の順番です。
しっかりと尿素の効果を実感したい方は、医薬品タイプのハンドクリームを選ぶようにしてください。ただし、医薬品だから必ず効果が出るとは限りません。尿素を含めほかの成分が配合されていることも多いので、総合的に配合成分を判断して自分に合うものを選ぶことが大切です。
尿素系ハンドクリームの選び方
尿素系ハンドクリームには、さまざまな種類のものがあります。自分の悩みに合うものを選ぶためには、次の3つのポイントを押さえておくようにしましょう。
尿素の濃度で選ぶ
尿素は配合濃度によって期待できる効果が変わります。角質をやわらかくしてガサガサ肌を改善したい方は濃度が20%前後のものを、保湿効果を期待する方は10%前後のものを選びましょう。
香りで選ぶ
ハンドクリームで香りを楽しみたいという方から、できるだけ無香料のものがいいという方までさまざまでしょう。まるで香水のような香りを楽しめるものもあれば、ほぼ無臭のハンドクリームもあります。自分の生活に馴染む香りのものを選んでみてください。
使い心地で選ぶ
ハンドクリームを選ぶうえで大切なのが、使い心地です。ベタつきが強いものはなかなか日常使いができません。手に取るものがすべてハンドクリームでベタついてしまい、ストレスに感じてしまう方もいるでしょう。尿素の配合濃度や香りも大事ですが、毎日使い続けられるかどうかも確認するようにしてください。
おすすめ尿素系ハンドクリーム4選
ここからは、尿素が配合された人気のハンドクリームを紹介します。商品の分類や香りなどもあわせて紹介しているので、参考にしながら自分に合うものを見つけてみてください。
3種の香りが選べるハンドクリーム
ケラチナミンコーワ アロマハンドクリーム
3種類の香りが展開されているハンドクリームです。尿素が10%配合されており、皮膚にしっかりとうるおいを補給してくれます。尿素のほか炎症を抑えるグリチルレチン酸が配合されていることも特徴です。まるで香水のような香りの変化を楽しめます。
分類 | 指定医薬部外品 |
尿素の濃度 | 10% |
香り | ローズ、ラベンダー、ジャスミン |
市販の最大濃度、尿素20%配合
ケラチナミンコーワ20%尿素配合クリーム
尿素が最大濃度の20%配合されたハンドクリームです。濃度が高い尿素が配合されていることから、手がガサガサに固くなって乾燥している方に向いています。手だけでなく、ひじやひざ、かかとなど乾燥が気になる部位に使うことが可能です。
分類 | 第3類医薬品 |
尿素の濃度 | 20% |
香り | 記載なし |
手荒れを防ぐビタミン剤配合のハンドクリーム
薬用ハンドベール 手荒れキメ整うクリーム
配合されている尿素の濃度は不明ですが、肌荒れを防ぐ成分としてビタミンA油とコフェロール酢酸エステルが配合されています。医薬部外品であることと、濃度の記載がないことから尿素はそこまで多く配合されていないと考えられるでしょう。ガサガサ肌の改善というよりは、肌の保湿に特化したハンドクリームです。
分類 | 医薬部外品 |
尿素の濃度 | 不明 |
香り | ゴールデンシトラスの香り |
化粧品を手掛けるメーカーが販売するハンドクリーム
薬用ハンドクリームUR
大手化粧品メーカーとして有名な資生堂が販売しているハンドクリームです。尿素の濃度や香りについて、とくに記載はありませんでした。尿素のほかに、血行をよくするビタミンE誘導体や、肌荒れを改善するグリチルリチン酸塩が配合されています。ほどよくしっとりしていながらベタつきにくいと人気の商品です。
分類 | 医薬部外品 |
尿素の濃度 | 不明 |
香り | 不明 |
ハンドクリームを選ぶときに注意したいこと
ハンドクリームには、エタノールが含まれているものもあります。敏感肌の方はエタノールが刺激となり、肌荒れを起こしてしまうことがあるかもしれません。とくに問題ない方は使用しても大丈夫ですが、エタノールで荒れやすい方は配合成分をよくチェックして購入するようにしましょう。
まとめ
尿素系ハンドクリームには、固くなった角質層をやわらかくしたりうるおいを与えたりする効果があります。濃度が20%のものは角質をやわらかくする効果、10%のものは保湿効果がメインです。
尿素の濃度が高ければ高いほど保湿効果が高いというわけではないので注意してください。商品によってはどれだけの尿素が入っているのか記載がないものもあります。尿素の効果をしっかり実感したい方は、濃度がわかるものを購入すると安心でしょう。