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更新日:2022/12/31

ビタミン系のハンドクリームとは?効果、有効成分を薬剤師が解説。

ハンドクリームにはさまざまな種類があります。保湿効果を重視したもの、角質をやわらかくするもの、皮膚の健康状態をよくするものなどがあるため、自分の症状に合わせて選ぶことが大切です。

 

今回は、いろいろな種類があるなかで、ビタミン系のハンドクリームについて詳しく解説します。「ビタミン系のハンドクリームにはどのような効果があるの?」「どのような有効成分が含まれているの?」といった疑問にお答えしていくので、ぜひ参考にしてみてください。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター 岡本 妃香里

ビタミン系ハンドクリームとは?

ビタミン系のハンドクリームとは、有効成分にビタミンEやビタミンB2、ビタミンCなどが配合されたもののことです。ビタミンの働きにより血行をよくしたり新陳代謝を改善したりすることにより、手の荒れを改善していきます。

ひび割れやあかぎれなど乾燥が進んで起こる症状には、ビタミン系のハンドクリームが効果的です。手を保湿するだけでなく、荒れた手を治したい方は、ビタミン系のハンドクリームを選ぶとよいでしょう。

有効成分として含まれるビタミンの種類は?

ビタミンとひとくちで言っても、多くの種類があります。ハンドクリームによく配合されているのは、ビタミンEやビタミンB2などを含めた以下の4種類です。

ビタミンE
ビタミンEには血行をよくする働きがあります。皮膚を守るための栄養素を効率よく補給し、ターンオーバーを整えて健やかにする成分です。「トコフェロール」や「トコフェロール酢酸エステル」「酢酸トコフェロール」などの名前で配合されています。

ビタミンB2
保湿作用をもつ成分です。皮膚や粘膜の機能を健康に保つ働きもあります。ビタミンB2が配合されたハンドクリームは、やや黄色みがかったものが多いでしょう。これは着色料の色ではなく、ビタミンB2そのものの色です。「リボフラビン酢酸エステル」や「リボフラビンリン酸ナトリウム」などの名前で配合されています。

ビタミンC
ビタミンCは優れた抗酸化作用をもつ成分です。それによりお肌のダメージを防いで、肌荒れを防ぐ効果があります。ビタミンCといえばメラニン色素を抑えて美白効果を発揮するという印象をおもちの方もいるかもしれません。ハンドクリームに配合されている場合は肌荒れ予防効果をメインとして配合されています。

パンテノール(ビタミンB5誘導体)
パンテノールとは、ビタミンB5誘導体とも呼ばれる水溶性ビタミンの一種です。プロビタミンB5とも呼ばれています。保湿や組織修復促進、抗炎症効果などによって肌荒れを改善する成分です。

ビタミン系ハンドクリームの効果の強さとは?

ビタミン系のハンドクリームには、次のように3つの分類があります。

• 医薬品
• 医薬部外品(指定医薬部外品)
• 化粧品

有効成分の違いから分類が決められており、効果の高さは医薬品>医薬部外品>化粧品となることが一般的です。ただし、一概に「医薬品だから優れている」「化粧品だから効かない」というわけではありません。

分類をチェックすることは大事ですが、それよりも自分の症状に合う成分が配合されているかをしっかり確認しましょう。

ビタミン系ハンドクリームの選び方

「ビタミン系ハンドクリームが気になるけど、どれを選んだらいいのかわからない」という方も多いかと思います。そのような方は、次の選び方を参考に自分に合うものを探してみてください。

配合成分で選ぶ

皮膚のターンオーバーが気になる方にはビタミンE、肌荒れが気になる方はビタミンCやパンテノール、乾燥が気になる方にはビタミンB2がおすすめです。とくに乾燥が気になる方は、ビタミン系ではなく保湿剤がメインのハンドクリームを選ぶとよいでしょう。

分類で選ぶ

ひび割れやあかぎれを治したい方は医薬品予防したい方は医薬部外品や化粧品を選びましょう。医薬品には「治す効果」があるので、すでに何かしらの症状が気になっている方におすすめです。

おすすめビタミン系ハンドクリーム4選

では、ドラッグストアでも人気のビタミン系ハンドクリームの中から特におすすめの商品を4つご紹介します。

ひび、あかぎれ症状がある方

ヒビケア軟膏a

こちらは、ハンドクリームというよりは手荒れ用の塗り薬と言ったほうが正確かもしれません。皮膚の修復を助けるアラントイン、肌の細胞を正常にするパンテノール、血行を促進するトコフェロール酢酸エステルなどが配合されています。保湿成分のグリセリンやかゆみ止めのジフェンヒドラミンも配合されているので、乾燥やかゆみが気になる方にもぴったりです。

分類  第3類医薬品
配合成分 ・アラントイン
・パンテノール
・トコフェロール酢酸エステル
・グリセリン
・ジフェンヒドラミン

ユースキン

ユースキンはビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)をメインの成分として配合したハンドクリームです。血行を促進する働きにより、ひびやあかぎれ、しもやけを改善します。手はもちろん、全身に使えるので自宅に一つあると重宝するでしょう。

分類  指定医薬部外品
配合成分 ・トコフェロール酢酸エステル
・グリチルレチン酸
dl‐カンフル
・グリセリン

ひび、あかぎれの予防をしたい方

アトリックス メディケイティッド エクストラクリーム

手を酷使している方向けに開発されたハンドクリームです。「高密封集中リペア処方」により刺激や水から皮膚を守るため、水仕事をする方でも何度も塗り直す必要がありません。皮膚を膜で覆って有効成分がしっかり浸透します。手を洗ってもぬるぬるしないため、使い心地もよいと人気です。

分類  医薬部外品
配合成分 ・アラントイン
・ビタミンE
・ヒアルロン酸

メンソレータム メディカルビタミンクリーム

荒れやすい手のためにビタミンを配合したハンドクリームです。血行をよくし、皮膚の働きをよくしたり水分を与えたりすることで肌荒れを防ぎます。手はもちろん、全身に使えるのでボディクリームの代わりとして使用することも可能です。うるおい成分の植物性コラーゲンも配合されており、うるおい補給にも効果を発揮します。

分類  医薬部外品
配合成分 ・ビタミンB2
・ビタミンE誘導体
・ビタミンC誘導体
・ビタミンB6

まとめ

ビタミン系のハンドクリームとは、ビタミンCやビタミンE、パンテノールなどのビタミンが配合されたハンドクリームのことです。皮膚を健やかにしひび割れやあかぎれなどを改善したり予防したりする効果があります。

ひび割れやあかぎれを治したい方は医薬品、予防したい方は医薬部外品や化粧品の分類になっているハンドクリームを選ぶとよいでしょう。

ビタミンのほかに保湿成分やかゆみ止めが配合されているものもありますので、自分の症状に合わせてぴったりのものを選びましょう。