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更新日:2025/07/16

ロキソニンSテープってどんな薬?市販で買える湿布の効果・貼り方・注意点まとめ

「病院でもらった湿布と似てるけど、市販のロキソニンSテープってどうなの?」

 

そんな疑問をもつ方のために、今回は医療用と同じ成分を配合した市販湿布の効果や貼り方、副作用の注意点を薬剤師の視点からわかりやすく解説します。

 

自宅でできるセルフケアの選択肢として、ぜひ参考にしてください。

薬剤師ライター クロロボ
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第1章|ロキソニンSテープの成分と効能

ロキソニンSテープとは

ロキソニンSテープは、痛みのある部位に直接貼って使う外用鎮痛消炎薬です。

有効成分には「ロキソプロフェンナトリウム水和物」が配合されており、この成分は医療現場で長年使われてきた医療用ロキソニンテープとまったく同じものになります。

つまり、処方箋がなくても病院と同じ成分の湿布薬が手に入るということになります。

ロキソニンSテープは以前、要指導医薬品として販売されていましたが、安全性の評価が進んだことで、現在では第2類医薬品に分類され、薬剤師がいない店舗でも購入できるようになっています。

成分は同じなのに、病院に行かなくても買えるってちょっと驚きですよね。

市販されている湿布薬のなかでも、ロキソニンSテープは効き目の信頼度が高い製品として知られています。

日常的な「肩・腰・関節のつらい痛み」に対して、ピンポイントで使えるのが魅力です。

 

効能効果

ロキソニンSテープが対象とするのは、一時的な局所の痛みです。

たとえば、以下のような症状に使われます。

・肩こりに伴う肩の痛み
・腰痛
・関節痛
・筋肉痛
・腱鞘炎(手や手首)
・テニス肘などの肘の痛み
・打撲や捻挫

これらはすべて、急性期または一過性の痛みです。

そのため、関節リウマチや変形性関節症など、慢性的に続く痛みには適していません。

こうした慢性疾患には、根本的な治療や長期的な医師の診断が必要です。

ロキソニンSテープはあくまでも、「セルフメディケーションで対応できる範囲の痛み」に特化した湿布薬になります。

 

スイッチOTCとは?

ロキソニンSテープは、「スイッチOTC医薬品」という分類に含まれます。

この言葉、聞いたことがあるようでピンとこない方も多いかもしれません。

スイッチOTCとは、元々は医師の処方が必要だった医療用医薬品が、使用実績と安全性が確認された上で、一般用医薬品(OTC)として市販されるようになった薬のことを指します。

この制度により、ロキソニンSテープのような「効果が高い」とされる成分が、ドラッグストアなどでも手軽に購入できるようになりました。

“スイッチ”って薬にもあるんだ〜?最初ちょっと不思議に思っちゃったよ〜

ちなみに、ロキソニンSシリーズは2016年に発売され、当初は要指導医薬品という取り扱いでした。

その後、安全性の再評価を経て、現在は第2類医薬品に移行しています。

この「第2類」であることが、薬局の登録販売者からも購入できる=手軽に買えるという背景になっています。

 

副作用の概要

ロキソニンSテープは、市販薬のなかでも比較的作用が強い湿布薬です。

そのため、副作用がまったくないわけではありません。

まず多いのが、皮膚に起こるトラブルです。

・発疹
・かゆみ
・赤み
・ヒリヒリ感
・かぶれ

いずれも、接触性皮膚炎として報告されるもので、貼った部分の皮膚が敏感な方に起こりやすいとされています。

ボク、肌弱いタイプだから貼る前にちょっとドキドキするんだよね〜

また、ロキソプロフェンが非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)に分類される成分である以上、稀にですが次のような症状も確認されています。

・胃の不快感(NSAIDsによる胃粘膜障害)
・アスピリン喘息(NSAIDs誘発性喘息)

特に過去にNSAIDsで喘息を起こしたことがある方は使用を避けるべきとされています(添付文書に明記あり)。

これらのリスクを避けるためにも、「長時間の使用」や「繰り返し同じ部位に貼る」ことは避け、使用は5〜6日で改善しない場合は医療機関へというのが基本的なルールになります。

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第2章|貼り方と使うときの注意点

用法・用量の基本ルール

ロキソニンSテープは1日1回の使用が原則です。

貼る場所は、痛みのある部位に直接1枚

肩や腰、関節などにピンポイントで使用します。

「痛みが強いから」と言って何枚も重ねて貼ったり、何日も貼りっぱなしにするのは避けてください。

有効成分であるロキソプロフェンナトリウム水和物は、24時間でほぼ体内に吸収されるため、それ以上貼っていても効果は変わりません。

むしろ、かぶれや皮膚刺激の原因になるおそれがあります。

あるある〜!ボクも気づいたら朝まで貼りっぱなしで、肌がピリピリに…!

また、パッケージには1日の最大使用量が明記されています。

・通常サイズ(7cm×10cm):最大4枚まで

・Lサイズ(10cm×14cm):最大2枚まで

決められた上限を守りながら使うことが、肌トラブルを避けるためにも重要です。

 

使用できない部位と注意すべき人

ロキソニンSテープは、どこにでも貼れるというわけではありません。

特に以下の部位には貼ってはいけません

・傷口やただれがある部位
・粘膜(目や口、鼻の中など)
・顔全体(皮膚が薄く敏感)

また、肌が弱い方やアレルギー体質の方も注意が必要です。

とくに、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)でかゆみ・発疹・喘息を起こした経験がある方は使用を控えてください。

これは、製品に添付されている説明書でも明確に注意喚起されています。

皮膚に異常を感じたら、すぐに使用を中止し、必要であれば皮膚科などで相談しましょう。

貼っていい場所、悪い場所って意外と知られてない気がします。

 

入浴との関係も見逃せない

意外と多いのが、「お風呂のあとすぐ貼っていいの?」という疑問です。

入浴直後の皮膚は、ふやけた状態でバリア機能が一時的に低下しています。

この状態で湿布を貼ると、粘着剤の刺激が強く感じられたり、かぶれやヒリつきが起こるリスクがあります。

入浴後は皮膚がふやけて刺激に敏感になりやすいため、汗が引いて肌がしっかり乾いてから使うのが安全です

一般的には入浴後30分程度あけると肌も落ち着いて、貼付による違和感やトラブルが起こりにくくなります。

ただ、時間だけにとらわれる必要はありません。

汗が引いて、肌がしっかり乾いたと感じられるタイミングで貼るのがベストです。

貼ったままの入浴は、テープがはがれやすくなるほか、成分が流れてしまう可能性もあるため避けましょう。

ボク、前にお風呂あがりすぐに貼っちゃって…ピリピリしてびっくりした〜!ちゃんと乾いてからが正解なんだね〜

 

他剤形との使い分けも知っておきたい

ロキソニンSシリーズには、「テープ剤」以外にも「パップ剤」「ゲル剤」などのバリエーションがあります。

それぞれに特長があるため、使う部位や目的に応じて選び分けるとより快適です。

ここでは「テープ」との違いを中心にご紹介します。

剤形 特徴 向いている使用部位 テープ剤 剥がれにくく固定力が高い 肩・腰・背中など広い面積 パップ剤 水分多めで冷感あり。皮膚にやさしい 打撲や腫れのある部位 ゲル剤 塗るタイプ。動く関節にも使いやすい 肘・膝など関節部位

テープ剤は「動きに強い・ズレにくい」というメリットがありますが、肌が弱い人や貼りにくい関節周りにはゲルタイプも有効です。

特に日常生活で動きの多い部位に使う場合は、“貼る”より“塗る”ほうが実用的なこともあります。

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第3章|テープ剤の選び方とお得な市販品ガイド

どこで買える?手軽に買える湿布薬

ロキソニンSテープは、第2類医薬品に分類されており、薬局やドラッグストアはもちろん、Amazonや楽天などの通販サイトでも手に入ります。

購入時に薬剤師が不在でも、登録販売者がいれば問題なく購入できます。

忙しくてお店に行けないときでも、ネットで簡単に注文でき、最短で当日配送されるケースもあるため、利便性の高さは大きな魅力です。

こういうのって、いきなり必要になるからね〜。ネットで買えるの、ほんと助かる〜!

 

サイズとシリーズは意外と豊富

ロキソニンSテープには、貼る場所に応じた2つのサイズがあります。

・通常サイズ(7cm×10cm)肩、首、ひじ、手首など

 

・Lサイズ(10cm×14cm)腰、背中、太ももなど広範囲に

 

また、痛みの性質や好みに合わせたシリーズも展開されています。

ロキソニンS温感テープ

温かく感じる成分配合で、冷えを伴う慢性的な痛みにおすすめ。

 

ロキソニンEXテープ

ロキソプロフェンNaを8.1%という高濃度で配合。
メントールとビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)も加えられ、鎮痛+血行促進のWアプローチが可能な第2類医薬品です。

シリーズごとに用途が違うから、痛みの種類で使い分けるのが良さそうですね。

実は他にもある“同じ成分”のお得テープ

「ロキソニン=唯一無二」だと思っている方も多いかもしれませんが、実は同じ成分(ロキソプロフェンNa)を含んだ市販テープが他にもあります

リフェンダLXテープ(タカミツ)

サイズは、ロキソニンSの通常サイズ (7cm×10cm)と同じ。

実勢価格はロキソニンSよりも安めです。

 

フィスターLXテープ 大判(テイコク)

こちらも同じ有効成分を含み、大判仕様(10cm×14cm)
製薬メーカーとしての信頼性が高く、コスパ重視派に人気です。

 

薬剤師視点で言えば、「使用頻度が多い人」や「まとめ買いをしたい人」にこそ、こうした“ジェネリック的”な湿布薬は有力な選択肢です。

“ロキソニン”のブランドにこだわらず、「有効成分」「サイズ」「価格」のバランスで選ぶことで、満足度の高い買い物になります。

まとめ|ロキソニンSテープの選び方・使い方のポイント

・成分は医療用と同じロキソプロフェンNa:信頼性の高いスイッチOTC薬
・用途は一時的な痛みの緩和:肩こり・腰痛・捻挫などに対応
・1日1回、患部に直接貼るだけ:重ね貼りや長時間の貼りっぱなしは避ける
・入浴直後の使用はNG:汗や水気が引いてから貼るのが◎
・シリーズとサイズ展開が豊富:痛みの種類や部位に合わせて選べる
・成分が同じ安価な製品もあり:リフェンダLX、フィスターLXなどコスパ重視派におすすめ

痛み止めの湿布は「ブランド名」だけで選ばず、成分と使用感、価格まで比べて選ぶのがコツです。

同じロキソプロフェンNa配合でも、粘着性やサイズ感の好みで差が出ます

湿布をよく使う人ほど、賢く選びたいですね。

 

【参考情報】
この記事の作成にあたり、以下の公式情報を参考にしています。
ご自身での確認や商品選びの際にご活用ください。
◆ メーカー公式製品情報
第一三共ヘルスケア|ロキソニンSシリーズ ブランドサイト(テープ・温感・EX 含む)
タカミツ製薬|リフェンダLXテープ
帝國製薬|フィスターLXテープ