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更新日:2025/12/07

育児・在宅ワーク世代に贈る 冬の“自律神経ケア術”|だるさ・イライラ・ストレス対策

子どもの送り迎え、仕事、家事、家族の世話――冬の寒さと忙しさが重なると、気づけば「イライラ」「眠れない」「疲れが取れない」…。

 

そんなあなたにとって、“冬の不調”は他人事ではありません。

 

特に在宅ワークや育児・家事で忙しい20〜50代は、自律神経の乱れが起きやすく、知らぬ間にストレスをためがちです。

 

本記事では、薬剤師の立場から、忙しい日常の中でも実践できる「冬の自律神経ケア術」を提案します。

薬剤師ライター クロロボ
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第1章|そもそも自律神経とは?冬になると乱れやすいワケ

自律神経とは?

冬の不調の話をする前に、まずは“自律神経って何だっけ?”というところから整理していきます。

自律神経は、私たちの体を24時間オートで動かしてくれている司令塔のような仕組みです。

呼吸、心臓の拍動、体温調節、血圧、胃腸の動き、ホルモン分泌…

こういった「自分で意識して調整できない働き」を担当するのが自律神経です。

そして、この自律神経には大きく2つの役割があります。

交感神経(アクセル役)

緊張・ストレス・活動のときに働きます。
仕事の集中モード、朝の活動スイッチ、危険を察知したときなどがこれにあたります。

 

副交感神経(ブレーキ役)

休息・消化・睡眠を担当します。
夜くつろぐ時間、寝る前の穏やかな状態、食後に胃腸が動くときなど。

 

この “アクセル(交感)”と“ブレーキ(副交感)”の切り替えがスムーズにできること が健康の大前提です。

逆に、どちらかが強すぎたり、切り替えができなくなると、さまざまな不調につながります。

アクセル踏みっぱなしの人、多い気がするんですよね。

 

バランスが乱れると何が起こる?

ここでは簡単に触れますが、代表的な症状だけ挙げておきます。

・だるさ、疲れやすさ
・冷え
・肩こり、頭痛
・眠りの質の低下
・イライラしやすい
・気分の落ち込み

特に「原因がハッキリしない不調」は、自律神経バランスに影響しているケースが多いです。

ボクも“なんとなくダル~い日”、冬に増えるんだよね~。

 

なぜ自律神経は乱れる?(一般的な原因)

自律神経は、環境や心の状態にとても敏感です。

生活のちょっとした変化でもバランスが崩れることがあります。

・生活リズムの乱れ

起床・就寝時間のズレや、長時間のスマホ・夜更かしが続くと、体内時計が狂いやすくなります。

・ストレス・睡眠不足

強いストレスは交感神経を過剰に働かせます。
睡眠不足もストレスと同じ方向に働き、心身の回復力が落ちます。

・運動不足

体を動かさない生活は、血流が滞り、副交感神経が働きにくくなります。

・仕事・家庭の負担

多忙・責任・プレッシャー・育児・介護など、現代の生活ではストレス因子の種類が非常に多いです。

忙しい時ほど、ブレーキ踏み忘れるよね~。

 

冬は特に要注意!乱れやすい理由

ここからが今回の本題です。

冬は、自律神経が乱れる条件がほぼフルセットで揃っています。

気温差・寒暖差が激しい

外は冷凍庫のように冷たく、室内は暖房でポカポカ。
この “急激な温度差” に自律神経は大きな負担を受けます。
体温調節は自律神経の重要な役割なので、冬は特に酷使されがちです。

 

日照時間の減少(セロトニン低下につながる)

冬は太陽光を浴びる時間が減ります。
日光は体内時計の調節や、精神を安定させるセロトニン生成に必要です。
不足すると、気分の落ち込み・意欲低下につながりやすくなります。

冬の朝、外に出るのツラいよね~。気持ちは分かる…!

 

冬の忙しさ(仕事・家事・行事ラッシュ)

年末進行、年度末準備、子どものイベント、忘年会・新年会…
何かと予定が詰まりやすい季節です。
“気忙しさ”も自律神経を刺激します。

 

冬独特の生活パターン(運動不足・こもりがち・食生活の偏り)

寒いと人は本能的に“省エネモード”になります。
外出が減り、運動が減り、温かい炭水化物を選びがち。
これらはすべて、自律神経の乱れに直結する要因です。

コタツから出られないよね~。気持ちわかる~。

ここまでで、「冬は自律神経が乱れやすい理由」がひと通り見えてきました。

次の第2章では、乱れた自律神経が体と心にどんな影響を与えるのか を、より具体的に掘り下げていきます。

 

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第2章|冬特有の“自律神経の乱れ”で起きる不調とセルフケア術

冬が深まるにつれ「なんか体も心も重いな…」という声が、ぐっと増えてきます。

冬バテや寒暖差疲労と違い、今回は “自律神経の乱れ” を軸に、身体とメンタルの両方をみていきます。

冬は、気温差・日照不足・運動不足・生活リズムの乱れが重なり、“自律神経にとって過酷な季節”です。

ここでは、それがどんな不調を引き起こすのか、そして薬剤師としてできる確定的なセルフケア術を紹介します。

 

冬の“自律神経の乱れ”が招く身体の不調

冬は交感神経が優位になりやすく、血管が縮みやすくなります。

その結果、こんな症状が出やすくなります。

冷え・肩こり・頭痛

血流が低下し、筋肉が硬くなると肩こりや頭痛が発生しやすくなります。
冷え性の人は特に冬の影響を受けやすいです。

なんで冬になると急に肩が重くなるのか、あるあるですよね…!

だるさ・疲れやすさ

寒さで体がこわばり、エネルギー消費が増えます。
そのうえ日照不足が重なると、眠気・だるさが続きやすくなります。

むくみ

血行不足で末端の循環が滞り、むくみやすくなります。
長時間座りっぱなしの在宅ワーク勢には痛い悩みです。

胃腸トラブル(消化不良・便秘)

副交感神経が働きにくくなると、胃腸が“お休みモード”になりやすいです。
食べすぎ・冷たい飲食物もダメージを増幅します。

眠りの質低下

「寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」など、睡眠のバランスが崩れることがあります。
体温リズムの乱れが関係していることが多いです。

夜に何度も起きちゃうと次の日しんどいよね~。

 

冬の“自律神経の乱れ”が招くメンタル不調

身体の不調と同時に、メンタル面の揺らぎも起こりやすくなります。

イライラ・集中力低下

交感神経が優位 → 常に“緊張モード”
その結果、ちょっとしたことでイラっとしたり、集中が続きません。

気分の落ち込み

日照不足はセロトニン量の低下につながり、冬は特に気分が沈みやすいです。

モチベーション低下

“なんとなく何もやる気にならない”という人は、冬はとても多いです。

過食/過眠

冬は食欲が増えやすく、反対に眠气が強すぎる人もいます。
ただし、これらが長期間続く場合は要注意です。

 冬季うつとの違い

「気分の落ち込み」「眠りすぎ」「炭水化物への渇望」が続く場合は、冬季うつの可能性があります。

ただし本記事では診断を行いません。該当する人は医療機関で相談してください。

 

セルフケア①:入浴・温活で整える

冬の交感神経優位をほどく王道ケアです。

科学的な根拠が確認されている範囲のみ紹介します。

38〜40℃のぬるめの湯

高温は逆に交感神経を刺激するため、ぬるめが適しています。

就寝2〜3時間前の入浴

入浴後の“緩やかな体温下降”が眠りにつながりやすいためです。

足湯・蒸しタオルも有効

全身浴が難しい日や時短したい日はこれでOKです。

防寒のコツ:首・手首・足首を冷やさない

いわゆる“三つの首”を温めると、冷え対策が効率的です。

三つの首はぜったい守るんだよね~。ぬくぬく最高。

 

セルフケア②:食事で整える

体温と自律神経の両方に影響する食材を、科学的に確定できる範囲で紹介します。

根菜・大豆・卵・乳製品

冬の体を温め、栄養を補う王道食材です。

温かいスープ・味噌汁

消化負担を減らしながら体を温める一石二鳥メニューです。

セロトニン材料:トリプトファン

大豆製品・乳製品に多いアミノ酸。
日照不足で落ちやすい気分を支えるのに役立ちます。

ビタミンD:鮭・卵など

体内時計とメンタルに関わるため、冬こそ摂取しておきたい栄養素です。
根菜・大豆・卵・乳製品 温かいスープ・味噌汁 鮭・卵

カフェイン・アルコールの摂りすぎ注意

いずれも交感神経を刺激するため、寝る前は特に控えめに。

 

セルフケア③:軽い運動・ストレッチで整える

“激しい運動”は不要で、むしろ軽い動きのほうが継続しやすく効果的です。

ウォーキング10〜20分

外気温が低い日は、昼の暖かい時間帯を選ぶと快適です。

寒い日は室内ストレッチ

開脚や肩回しなど、シンプルな動きで十分です。

つま先上下運動・ふくらはぎポンプ

座り仕事で硬くなりやすい下半身の血流を促します。

ボクもふくらはぎポンプ好きだよ~。なんか気持ちいいんだよね。

 

セルフケア④:生活リズムを整える

冬の乱れを整える“要の習慣”がこちら。

朝日を浴びる

体内時計をリセットする基本の行動です。

起床・食事の時間を固定

リズムが整うと自律神経が安定しやすくなります。

寝る前のスマホ・刺激物を控える

交感神経を刺激するため、寝つきに影響します。

寝室の環境を整える(照明・寝具・湿度)

乾燥は睡眠の質を下げるため、加湿も効果的です。

 

受診を検討すべきサイン

以下に該当する人は、早めに専門家に相談してください。

・イライラ・気分の落ち込みが続いている
・睡眠障害が長引いている
・めまいや強い頭痛がある
・日常生活に支障が出始めている

受診先は 内科/心療内科 が一般的です。

迷いが出たら“生活に支障があるか”を合図に受診を検討しましょう。

ここまで紹介してきたように、冬は身体とメンタルの両面から“自律神経の乱れ”が起きやすい季節です。

次の章では、読者の疑問にこたえる Q&A 形式 で、さらに踏み込んだ内容を扱います。

 

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第3章|冬の自律神経に関するQ&A

Q1. 冬バテ・寒暖差疲労・冬季うつってどう違うの?

原因と深刻度が違い、冬季うつだけは医療的な診断対象になります。
冬バテと寒暖差疲労は、どちらも自律神経の乱れによる体調不良を指す広い概念です。
一方、冬季うつは季節性のうつ病に分類され、気分の落ち込みが長く続く・日常生活に支障が出る場合は、医療機関での診断と治療が必要になります。

 

Q2. 入浴は毎日必要?お湯の温度は?

38〜40℃のぬるめで、無理のない頻度が基本です。
熱すぎる湯は交感神経を過剰に刺激し、かえって眠りを浅くします。
就寝直前を避け、寝る2〜3時間前のぬる湯入浴が、自律神経の切り替えには最も効果的です。

 

Q3. カフェインはどれくらい控えた方がいい?

午後14〜15時以降は摂らないのが安全ラインです。
カフェインの覚醒作用は4〜6時間以上持続します。
夕方以降に摂ると、入眠障害・夜中の覚醒につながりやすくなり、自律神経の回復を妨げます。

 

Q4. 市販薬や漢方は試していい?

試してよいですが、必ず症状に合ったものを選ぶ必要があります。
自律神経の不調向けのOTCや漢方はありますが、
冷え・イライラ・不眠・胃腸不調では適応がまったく異なります。
合わない薬は効果が出ないだけでなく悪化要因にもなるため、購入時は薬剤師への相談が必須です。

 

Q5. 忙しくてセルフケアできません…最低限やるなら?

「朝日・入浴・軽い運動」の3点だけで十分です。
この3つだけで、
体内時計のリセット・血流改善・自律神経の切り替えが同時に整います。
完璧を目指さず、まずはこの最低ラインだけ守ることが、冬の不調予防では最も現実的です。

 

まとめ|冬の不調は“整え方”で変えられる

自律神経は“切り替え”が命 寒暖差・日照不足・生活リズムの乱れが続くと、不調は雪だるま式に増える。 整える基本は3本柱 入浴・食事・軽い運動だけでも、自律神経の回復ラインには確実に乗る。 つらさが続くなら受診は正解 我慢では改善しない領域もある。内科・心療内科の判断は早いほどラク。

冬の不調は、「体の弱さ」ではなく環境とリズムのズレで起こります。

完璧なセルフケアは必要ありません。

今日できる“一手”を入れるだけで、体は必ず反応します。

この冬、まずは小さな一歩から整えていきましょう。