手荒れを改善したいならこれ！薬剤師が教える簡単セルフケア＆商品選びのポイント

手肌がガサガサして痛い、ひび割れがひどい…。

そんな手荒れの原因、実はバリア機能の低下にあります。

まず、バリア機能についてお話しします。

皮膚の表面には角質層という層があり、これが外部刺激から肌を守る壁の役割を果たしています。

この層を覆う水分と皮脂が混ざり合った「皮脂膜」が、肌を乾燥や摩擦、化学物質から守る重要な仕組みです。

ただ、このバリア機能はとても繊細です。

頻繁な手洗いや洗剤の使用で皮脂が奪われると、この防御システムが弱まり、外部刺激が直接肌に影響しやすくなります。

では、なぜ冬に手荒れが悪化するのでしょうか？

その理由は、乾燥した空気と低湿度、さらに暖房の使用が主な原因です。

冬になると湿度が下がり、空気中の水分量が減少します。

これにより、肌表面から水分が蒸発しやすくなり、角質層が乾燥してひび割れが起こります。

さらに、寒さで血行が悪くなると、肌のターンオーバー（新陳代謝）が乱れ、再生が遅れることも影響します。

頻繁な手洗いやアルコール消毒が加わることで、皮脂が奪われ、バリア機能がさらに低下します。

手荒れが進むと、「手湿疹」や「あかぎれ」といった症状に発展します。

これらはバリア機能が弱まり、肌が外部刺激に耐えられなくなった結果として起こります。

手湿疹

手湿疹は、外的刺激やアレルギー反応による皮膚の炎症です。

特に、水仕事や手洗いの頻度が多い美容師や調理師の方に多く見られます。

また、洗剤や消毒液に含まれる成分が原因のアレルギー性手湿疹もあります。

あかぎれ

あかぎれは、乾燥した角質層がひび割れ、さらに深く裂けた状態です。

痛みや出血を伴い、放置すると悪化して日常生活にも支障をきたします。

手荒れの原因は、主に肌のバリア機能の低下にあります。

特に冬は、乾燥した空気や頻繁な手洗いが重なり、手荒れが進行しやすい環境です。

手湿疹やあかぎれになる前に、原因を理解して適切な対策を取ることが大切です。

手荒れがひどいと感じている方は、日々の手洗いを見直してみてください。

手洗いの方法を変えるだけで、手荒れのリスクを大幅に減らせます。

手洗いの基本は、水温と洗い方、すすぎ方を意識することです。

まず、水温は33～35℃のぬるま湯が最適です。

熱いお湯を使うと皮脂を過剰に奪い、乾燥が進む原因になります。

寒い冬でも、ぬるま湯を使うのが肌を守るポイントです。

また、手を洗うときは泡立てた石けんやハンドソープを使い、肌を優しく洗うことが大切です。

力を入れてゴシゴシ洗うと角質層が傷つき、バリア機能が低下します。

さらに、すすぎの際には、石けんをしっかり洗い流すことを忘れないでください。

石けん成分が肌に残ると、刺激となり手荒れを悪化させる可能性があります。

手肌への負担を軽減するためには、「低刺激性」や「保湿成分配合」の石けんやハンドソープを選ぶのがおすすめです。

特に、敏感肌用やグリセリン、セラミドなどが含まれた製品は、洗浄後の乾燥を防ぐ効果が期待できます。

一方で、洗浄力の高すぎる製品や抗菌作用が強いものは避けましょう。

これらは必要な皮脂まで取り除き、バリア機能を弱めてしまう可能性があります。

「成分表示を確認して、自分の肌に合ったものを選ぶ」ことが重要です。

手洗い後は、肌が水分を失いやすい状態になっています。

手洗い後すぐにハンドクリームを塗ることで、乾燥を防ぎ、手荒れの進行を抑えられます。

ハンドクリームは、まず手の甲に適量を取り、両手の甲をこすり合わせて広げます。

指先や爪の周り、指の間もしっかり塗り込み、最後に手のひらにもなじませましょう。

日中はさらっとした使用感のクリームを、夜は保湿力の高いものを使うと効果的です。

寝る前にたっぷり塗って綿手袋をつける「ハンドパック」もおすすめのケア方法です。

手荒れを防ぐには、「正しい手洗い方法」を実践することが第一歩です。

ぬるま湯で洗い、低刺激の石けんを使い、優しく洗う習慣を取り入れましょう。

そして、手洗い後の保湿ケアを忘れないことで、乾燥や手荒れを防ぐことができます。

ひどい手荒れには、配合成分に注目したハンドクリーム選びがカギです。

正しい選び方を学び、適切に使用することで、手肌の悩みをしっかりケアしましょう。

ハンドクリームを選ぶときは、症状に合った成分が配合されているかを確認することが大切です。

以下の成分は特に手荒れ対策に効果的です。

保湿成分：乾燥した肌に潤いを与えます。

例）ヘパリン類似物質や尿素は、角質層をしっかり保湿し、肌を柔らかく整えます。

抗炎症成分：ひび割れやあかぎれを改善し、肌の炎症を抑えます。

例）グリチルレチン酸は、赤みやかゆみなどのトラブルに効果的です。

血行促進成分：血流を改善し、肌の再生をサポートします。

例）酢酸トコフェロール（ビタミンE誘導体）が配合されていると、冷えやすい冬の肌にも優れた効果を発揮します。

これらの成分を含むハンドクリームを選ぶことで、乾燥からひび割れまで幅広く対応できます。

次に、これらの成分を配合したおすすめ商品を紹介します！

以下の3つの製品は、薬剤師の視点で厳選した信頼できるアイテムです。

各製品が持つ特徴や成分に注目して、自分に合ったものを見つけてください。

大正製薬 クリニラボ ヘパリオモイストバリア

特徴：ヘパリン類似物質配合で、角質層までしっかり潤いを届けます。乾燥が進んだ状態や、ひび割れた肌にも使用可能です。
おすすめポイント：医薬部外品ならではの高い保湿効果が期待でき、冬場の乾燥対策にも最適。肌が敏感な方にもおすすめです。

ケラチナミンコーワ アロマハンドクリーム

特徴：尿素配合で、硬くなった角質を柔らかくしながら保湿します。アロマの香りがリラックス効果もプラス。
おすすめポイント：ガサガサ肌やひどい乾燥にピッタリ。日中の使用にも適しており、作業中でも使いやすいさらっとした使用感が魅力です。

ユースキン 40gチューブ（ミッフィーデザイン）

特徴：グリチルレチン酸、酢酸トコフェロール、グリセリンなど4つの有効成分を配合。ひび、あかぎれ、しもやけを治す効果が期待できる医薬部外品です。
おすすめポイント：保湿効果と治療効果を兼ね備えた万能クリーム。さらに、可愛いミッフィーデザインで気分もアップ！持ち運びやすいサイズも便利です。

ハンドクリームは、使うシーンに応じて使い分けることが大切です。

日中用：さらっとした使用感の軽いクリームを選びましょう。

作業中のベタつきが気になる場合は、速乾タイプや香り付きのクリームがおすすめです。

夜用：保湿力が高く、しっかりケアできるクリームを使うのがポイントです。

就寝前にたっぷり塗り、綿手袋をしてハンドパックをすると翌朝にはしっとりとした手肌が実感できます。

ひどい手荒れには、有効成分を含む医薬部外品のハンドクリームを活用するのがおすすめです。

保湿成分、抗炎症成分、血行促進成分に注目して選ぶことで、効果的に手肌をケアできます。

また、日中用と夜用を使い分けることで、1日中手肌をしっかり守れます。

次の章では、セルフケアで改善しない手荒れの場合に、皮膚科受診のタイミングや治療内容について解説します。

より深いケアを学び、手肌を快適に保ちましょう！

セルフケアで手荒れをケアしても、症状が改善しないと感じたら、皮膚科を受診するタイミングです。

放置すると悪化して日常生活にも支障が出ることがあります。

ここでは、受診の目安や皮膚科での治療内容を具体的に紹介します。

次のような症状がある場合、セルフケアではなく早めの皮膚科受診を検討してください。

強いかゆみがある：掻きむしることで炎症が広がり、細菌感染のリスクが高まります。

ひびやあかぎれがひどく出血する：出血や痛みが止まらない場合、専門的な治療が必要です。

水ぶくれやじくじくした湿疹がある：湿疹が慢性化すると治療が長引く可能性があります。

特に、赤みが広がる、腫れる、痛みが強い場合は、早めに医師に相談しましょう。

皮膚科では、手荒れの原因や症状に応じた専門的な治療を受けられます。

以下は一般的な治療内容です。

１．保湿剤の処方：市販品より強力なサポート

「保湿はしているけど治らない」という場合、皮膚科で処方される保湿剤は効果的です。

例えば、ヘパリン類似物質配合の保湿剤は、肌の奥まで潤いを届け、乾燥によるトラブルを改善します。

２．ステロイド剤の処方：速攻で炎症を抑える

炎症やかゆみが強い場合、ステロイド外用薬を使用します。

「怖い」と思われがちですが、医師の指示通りに使えば安全です。

短期間で炎症を抑え、症状を改善する強力な治療法です。

３．アレルギー検査（パッチテスト）：原因を特定！

「原因がわからない」という場合、パッチテストでアレルゲン（原因物質）を特定します。

例えば、ハンドソープ、ゴム手袋、化粧品が原因だった…というケースも少なくありません。

これにより、原因を避ける生活改善が可能になります。

４．抗菌薬の処方：じくじくした湿疹に効果的

水ぶくれやじくじくした症状が細菌感染による場合、抗菌薬が処方されます。

早めに治療を始めることで、見た目や痛みが大幅に改善します。

皮膚科の診察をスムーズにするために、以下のポイントを押さえておきましょう：

１．症状の経過を記録する

「いつから症状が始まったのか」「どんな場面で悪化したのか」など、簡単なメモを持参しましょう。

写真を撮っておくと、より具体的な状況を伝えやすくなります。

２．使用中の製品を持参する

現在使っているハンドクリームや石けんなどを見せることで、医師が原因を特定しやすくなります。

意外な製品が原因だったと気づけることもあります。

３．疑問点をまとめておく

治療法や薬の使い方について、あらかじめ質問を考えておくと安心です。

「ステロイドってどのくらい使っていいの？」など、些細な疑問でも構いません。

セルフケアで改善しない手荒れは、皮膚科での専門的な治療が最短の解決策です。

特に、強いかゆみ、出血、水ぶくれなどがある場合は、早めの受診が必要です。

適切な治療を受けることで、手荒れの悩みをスピーディーに解消できます。

皮膚科受診を検討しながら、適切なセルフケアを継続して、快適な手肌を取り戻しましょう！

●手荒れの原因を知ることが第一歩
冬の乾燥や頻繁な手洗いが、手肌のバリア機能を弱める原因になります。

●正しい手洗いと保湿を習慣に
ぬるま湯で優しく洗い、低刺激性の石けんやハンドソープを選びましょう。手洗い後はすぐに保湿が基本です。

●症状に合ったハンドクリームを選ぶ
保湿成分（ヘパリン類似物質、尿素）、抗炎症成分（グリチルレチン酸）、血行促進成分（酢酸トコフェロール）が含まれるものがおすすめです。

●日中と夜でクリームを使い分ける
日中はさらっとした使用感の軽いクリームを、夜は高保湿のクリームでしっかりケアしましょう。

●セルフケアで改善しない場合は皮膚科へ
強いかゆみや出血、水ぶくれなどの症状がある場合は、早めに皮膚科を受診してください。

手荒れは日常のちょっとした工夫で大きく改善できます。

特に、原因を理解して正しいケアを習慣にすることが重要です。

セルフケアで対処しきれない場合は、無理せず皮膚科を活用するのも一つの手。

健康な手肌を取り戻し、自信を持って毎日を過ごしましょう！