プラノプロフェン配合の目薬の効果や注意点は?おすすめの製品と共に解説
「テレビを見ていると涙がポロポロ出てくる」
「花粉症の時期になると目がコロコロ・チクチクして気になる」
こういった症状を感じる場合は、目の炎症が原因かもしれません。
『プラノプロフェン』は医療用医薬品からスイッチされた、炎症を抑える作用に優れた成分であり、アレルギー用の目薬にも含まれていることがあるでしょう。
しかし、もとは医療用成分ということもあって、使用にあたってはいくつか気をつけないといけない点も存在します。
このコラムはプラノプロフェンの基本的な知識から使用時の注意点、またおすすめの製品をお伝えさせていただきます。
プラノプロフェンとは?
プラノプロフェンは非ステロイド性の抗炎症薬、いわゆるNSAIDsに分類され、炎症や痛みを
引き起こす際の原因である、プロスタグランジンという物質の産生を抑える作用があります。
飲み薬と目薬、2つの形で医療用医薬品として古くから活躍しており、飲み薬はリウマチや痛風などの痛みをはじめとし、さまざまな痛みに用いられておりましたが、現在はロキソプロフェンなどの比較的新しいNSAIDsに比べると、それほど医療現場での使用頻度は高くありません。
一方、目薬は結膜炎や角膜炎、術後の炎症など、目にまつわる炎症に対し、昔も今も幅広く用いられており、2002年にはスイッチOTCとして市販でも購入することができるようになりました。
プラノプロフェンが配合される医療用の目薬は?
医療用のプラノプロフェンが含まれている点眼薬はニフラン点眼薬と言います。
ニフラン点眼薬にはプラノプロフェンが0.1%含まれており、これは市販の目薬の倍の濃度にあたります。
目に関する炎症を伴う疾患に対して幅広く用いられ、例えば、まぶたの縁の炎症眼瞼炎や、結膜炎、角膜炎などに適応があり、また、手術後の炎症を抑える目的で使用されることも多いです。
市販の目薬でのプラノプロフェンの効果は?
市販の目薬に含まれるプラノプロフェンも医療用と同様、炎症を抑える作用が主目的です。
では、目に炎症が起きるとどのような症状として現れてくるのでしょうか。
角膜や結膜に炎症が生じたときに感じる自覚症状には、次のようなものが挙げられます。
・目に痛みが生じる
・涙が過剰に分泌されて涙目になる
・コロコロやチクチクといった異物感を感じる
・充血が起きる
・目にかゆみが出る
・目やにが出る
市販のプラノプロフェン配合の目薬は、このような症状を和らげる効果があります。
しかし、目の痛みが出ている状態については、炎症が既にだいぶ進んでしまっている状態や、目の深部に関係する疾患の可能性なども考えられますので、市販薬で対応するのではなく、眼科を受診するようにしましょう。
また、目のかゆみや充血、目やにを伴う場合は、花粉やハウスダストが原因でアレルギー性の炎症が起きている可能性も高いです。
その場合は、プラノプロフェン以外にもアレルギーを抑える作用がある成分の配合された目薬の使用がより好ましいでしょう。
ちなみに、他にも「紫外線」や「コンタクトレンズの刺激」「ドライアイ」「加齢による目の代謝機能や涙量の低下」などが炎症を起こす原因であると言われています。
おすすめのプラノプロフェン配合目薬は?
<涙目や異物感にお困りの方に>
ロートクリア
有効成分:プラノプロフェン
特徴:プラノプロフェンのみが含まれるシンプルな目薬です。
加齢による涙量の減少や紫外線の刺激などが原因で目に炎症が起きている方におすすめです。
また、やさしい清涼感であるため、強い清涼感が苦手な人にも使いやすいでしょう。
マイティアアイテクトEX
有効成分:プラノプロフェン、クロルフェニラミンマレイン酸塩、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム、タウリン、L‐アスパラギン酸カリウム
特徴:ロートクリアと同様にプラノプロフェン単剤のみの配合であったマイティアアイテクトを処方強化した製品。
抗ヒスタミン成分のクロルフェニラミンマレイン酸塩、角膜保護成分のコンドロイチン硫酸エステルナトリウム、組織代謝を促すタウリンとL‐アスパラギン酸カリウムといった4つの成分が追加されています。
傷ついた角膜の修復がサポートされるため、炎症によるダメージをより早く回復させたい人におすすめです。
<涙目や異物感のほか、かゆみなどアレルギーからくる炎症にお困りの方に>
ロート アルガード クリアブロックEXa
有効成分:クロモグリク酸ナトリウム、クロルフェニラミンマレイン酸塩、プラノプロフェン、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム
特徴:抗アレルギー成分のクロモグリク酸、抗ヒスタミン成分のクロルフェニラミンに角膜保護成分のコンドロイチンが加わった、アレルギーによる炎症を抑える設計の目薬です。
よりアレルギー症状がひどい方には、クロルフェニラミンとコンドロイチンが倍の濃度配合された「ロート アルガード クリアブロックZ」もあります。
マイティアアルピタットEXα7
有効成分:クロモグリク酸ナトリウム、クロルフェニラミンマレイン酸塩、プラノプロフェン、コンドロイチン硫酸エステルナトリウム、タウリン、L-アスパラギン酸カリウム、酢酸d-α-トコフェロール
特徴:抗アレルギー、抗ヒスタミン、角膜保護成分に加え、さらに組織代謝を促進する成分と血行促進のビタミンと計7つの成分が配合されています。
同ブランドのマイティアアルピタットEXをさらにパワーアップさせた設計で、通常のアレルギー用目薬で効果の感じられない人におすすめの製品です。
プラノプロフェンが配合される目薬で注意することは?
・7歳未満は使用しない
プラノプロフェンの成分自体が子供にとって強すぎたり、悪い影響を及ぼしたりするというわけではなく、医療用のニフラン点眼液は子供に処方されることもあります。
ただ、7歳未満の子供が目の異物感や涙目を訴えた際は、ウイルス性や細菌性の結膜炎である可能性も高いため、家庭での判断でプラノプロフェン配合の目薬を用いるのは避けて、眼科を受診するようにしましょう。
・妊婦・授乳婦は使用しない
目薬のほとんどは目から吸収されるものの、一部は目頭から鼻を通じて、全身に移行することがわかっています。
プラノプロフェンが属するNSAIDsは妊娠末期の女性においては可能な限り避けた方がいい成分とされ、医療用のニフラン点眼液も「妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。」とされています。
妊娠に気づかず使用してしまった分を過度に心配することはないですが、妊娠判明後は避けた方が良いでしょう。
・漫然と使用しない
プラノプロフェンは目の炎症を抑えてくれる優れた成分ですが、あくまでも対症療法であり、根本的な原因が別のところにある場合は、気づかないうちに症状が悪化してしまう可能性もあります。
そのため、以下の場合はダラダラと市販の目薬を使い続けずに、眼科を受診しましょう。
1. 症状が悪化する場合
2. 2〜3日使用しても症状がよくならない場合
3. 症状の改善がみられても、2 週間を超えて使用する場合。
まとめ
目薬に含まれるプラノプロフェンの基本的な知識と効果、またおすすめの製品や使用上の注意についてお伝えさせていただきました。
プラノプロフェンは涙目や目の異物感、またかゆみなどを伴うアレルギー性の炎症に優れた効果を発揮してくれます。
しかしながら、元々医療用の医薬品であったことから、市販薬では使用できる人が限られていたり、漫然と使用しないようになどの注意点もあります。
正しい知識を基に、上手にプラノプロフェン入りの目薬を活用して、辛い目の炎症を抑えていきたいですね。
この記事がそのお役に立てれば幸いです。