

【2025年版】インフルエンザは夏に流行る?ピーク時期と季節ごとの最新情報
例年インフルエンザは12月から2月にかけてピークを迎えます。
しかし最近は「9月から流行が始まった」「夏休みに子どもが感染した」というケースも報告されています。
今年はどうなるのか?
夏季や秋口の流行傾向、冬のピークとの違いを最新データでチェックし、家庭でできる予防法も併せて紹介します。


第1章|夏にもインフルエンザは流行る?実際の事例と基本知識
冬だけじゃないインフルエンザ
インフルエンザといえば、12月から2月にかけて一気に流行する感染症です。
厚生労働省の定点報告でも、この時期に患者数が急増することが明確に示されています。
つまり 「冬の感染症」 としての位置づけは揺るぎません。
ところが例外的に、夏場にもインフルエンザの報告が存在します。
これは「珍しいけれど実際にある」事実です。
沖縄を中心に見られる夏の流行
特に有名なのが 沖縄 です。
沖縄では 一年を通してインフルエンザが散発的に確認され、夏でも小規模な流行が起きることがあります。
気候の影響だけでなく、観光客の出入りが多いことも背景のひとつとされています。
私が薬局に勤めていたとき、旅行帰りの方が「熱が下がらない」と来局され、検査でA型陽性だったことがありました。
夏にインフルエンザと診断されると、多くの方は「まさか」と驚かれますが、実際に存在するんです。
最近の事例とデータ
国立感染症研究所の公開データによると、2023年から2024年のシーズンでも夏場にインフルエンザ陽性者が報告されています。
件数は冬に比べれば圧倒的に少ないですが、ゼロではありません。
つまり 「夏でも油断はできない」 ということになります。
夏風邪との違い
ここでやっかいなのが 「夏風邪」との区別 です。
夏風邪は アデノウイルスやエンテロウイルス などが原因となり、発熱・のどの痛み・下痢などを起こします。
インフルエンザと症状が重なる部分があるため、自己判断では見分けがつきにくいこともあります。
臨床現場では、検査で確定しないと判断が難しいケースが少なくありません。
私自身も患者さんに説明するとき、「風邪っぽいからといって油断できませんよ」と必ず付け加えていました。
風邪とインフルエンザの違いについて詳しく知りたい方は、『インフルエンザと風邪の違いは?症状の見分け方と受診の目安を薬剤師が解説』も参考にしてください。
夏にも“少しだけ”流行はある
インフルエンザは冬の感染症として広く知られていますが、夏にも散発的な流行があるのは事実です。
特に沖縄や観光シーズンでは要注意。
「夏風邪だろう」と思って見逃すと感染が広がることもあるため、季節を問わず警戒は必要です。


第2章|流行のピークはいつ?夏から冬への流れ
冬にピークを迎えるインフルエンザ
インフルエンザの流行は、例年12月から2月にかけてピークを迎えます。
これは厚生労働省や国立感染症研究所の定点観測データでも、毎年繰り返し示されています。
気温が下がり湿度も低下することで、ウイルスが空気中で生き残りやすくなるからです。
秋口から広がることもある
一方で、年によっては9月や10月から感染者が増加し、早めに学級閉鎖が出ることもあります。
特に夏に散発的に出ていた感染が、秋の季節の変わり目と人の移動で一気に拡大することがあるのです。
「まだ残暑が厳しいのにインフルエンザ?」と驚かれるケースですが、実際に報告されています。
夏から冬への流行カーブ
インフルエンザの流れを簡単に整理すると、
・夏:散発的に発生
・秋:徐々に増加
・冬:大きなピーク
・春:ゆるやかに収束
というカーブを描きます。
特に年末年始は人の移動が多く、全国的な流行が一気に拡大する時期です。
実際に秋口から学級閉鎖が出ることもあり、季節に関係なく注意が必要といえます。
気候と人の動きがカギ
インフルエンザは単に気温だけでなく、湿度や人の移動によっても左右されます。
冷房の効いた乾燥した室内や、夏休み・秋の連休などで人が多く集まる環境は、感染拡大のきっかけになります。
つまり「冬の病気」と片付けてしまうと、思わぬところで感染の波に巻き込まれることになります。
インフルエンザの流行は基本的に冬が中心ですが、秋からの立ち上がりが早まるケースもあります。
夏に見られる小さな感染の芽が、秋の季節変化や人の行動と重なって一気に拡大し、冬のピークへとつながるのです。
「まだ暑いから大丈夫」と思わず、季節の変わり目こそ注意が必要です。


第3章|夏場も油断できない!予防と備えのポイント
基本はどの季節も同じ
インフルエンザの予防の基本は、手洗い・マスク・換気・咳エチケットです。
これは季節を問わず通用する鉄則で、夏だからといって油断してはいけません。
「珍しいから平気だろう」と思っていると、不意に感染の波に巻き込まれることもあります。
夏ならではの注意点
夏に特徴的なのは、冷房による乾燥です。
乾いた空気はウイルスを長く漂わせるため、感染のリスクが上がります。
私自身も夏の調剤室で「やけに喉がカラカラするな」と感じたことがあり、加湿器を導入してから快適さが全然違いました。
湿度を保つことは、インフルエンザを含めた感染症対策に欠かせません。
また、夏バテや睡眠不足で免疫が落ちると感染しやすくなります。
暑さで食欲が落ちたり夜に眠れなかったりすると、体はすぐに弱ってしまうんです。
十分な休養と栄養補給は、ウイルスから身を守る基本の「盾」になります。
ワクチンのタイミング
ワクチン接種は秋以降に始めるのが一般的です。
効果の持続を考えると、シーズンの直前に接種することが望ましいとされています。
9月ごろから供給が始まり、10~11月の接種が勧められる流れです。
夏場は「まだ先だから大丈夫」と思いがちですが、接種時期を頭に入れておくだけで備えの意識が違ってきます。
予防接種について詳しく知りたい方は、『インフルエンザ予防接種いつから?副作用の種類と出やすい人を薬剤師が解説』も参考にしてください。
家庭内で感染者が出たら
家庭で誰かが感染したときは、マスク着用・部屋の分離・共有物の消毒が大切です。
特にタオルや食器の共用は避けるべきです。
夏は窓を開けて換気しやすいので、その利点を最大限に活かしてください。
インフルエンザ対策は冬だけのものではなく、夏こそ落とし穴があるのが現実です。
冷房による乾燥や夏バテによる免疫低下は、感染のリスクを確実に高めます。
「いつでも基本を徹底する」「秋に向けて備える」――この2つを意識するだけで、家族を守る力はぐっと高まります。
まとめ|夏から冬までの流行ポイント
インフルエンザは「冬の病気」と思われがちですが、実際には季節を問わず出てきます。
大事なのは「いつも同じ予防を習慣にすること」。
私の経験から言えるのは、手洗い・休養・加湿、この3つを軽んじない人ほど感染を避けられています。
「まだ夏だから大丈夫」と油断せず、秋以降に備えながら、日常の小さな習慣を続けてほしいです。
【参考情報】
この記事の作成にあたり、以下の公式情報を参考にしています。
ご自身での確認や最新の感染症動向の把握にご活用ください。
◆ 公的機関・感染症関連情報
・厚生労働省|インフルエンザQ&A(公式)
・国立感染症研究所|インフルエンザ(疫学情報)
◆ 全国の流行状況・統計データ
・NHK|感染症流行ダッシュボード
・各自治体の感染症情報(例:東京都感染症情報センター)