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更新日:2022/10/08
にきび予防で大切なのは洗顔!薬用洗顔料の選び方を薬剤師が指南!

年齢性別問わず発生するにきび。

痛みも出ますし、なにより見た目の問題からも、にきびに悩まされる人は多いです。

やっかいなにきびに対して効果的な予防策の一つに洗顔が挙げられます。

ただ、にきび予防に向けた洗顔料にもたくさん種類があって、なにを選んだらいいのか、迷いますよね。

そもそも「薬用」と付くものと、そうでないものは何が違うのか。

このコラムではにきびにとって重要な洗顔について、そういった基本的な疑問から、正しい方法や洗顔料の選び方まで、幅広くお伝えさせていただきます。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター ひまわりうさぎ

にきび予防にとって、なぜ洗顔は大切なの?

にきびは「毛穴の詰まり」「皮脂の過剰分泌」「アクネ菌の繁殖」3つの要因により発生すると言われており、にきびの予防、改善にはこれらの要因をなるべく作らないことが大切です。
洗顔は、過剰に分泌された皮脂を洗い流し、毛穴の詰まりを取り除くと共に、皮脂をエサにして増殖するアクネ菌を抑える働きも期待できるため、シンプルかつ効果的なにきび予防策と言えるでしょう。
特ににきび対策を目的とした薬用の洗顔料であれば、アクネ菌に対する殺菌作用やにきびの炎症を抑える作用といった、医療的な有効成分が含まれることで、にきびの辛い症状や発生に対してよりアプローチできる作りとなっています。

薬用洗顔料ってなに?

まず、薬用洗顔料について簡単にご説明いたします。
「薬用」と付くものは「医薬部外品」というものに分類され、厚労省が認めた有効成分が一定の濃度含まれている製品という意味です。
にきびに対する薬用洗顔料の有効成分としては、にきびの炎症を抑える成分や、原因となるアクネ菌などに対する殺菌作用を示す成分などが挙げられます。

「薬用」というだけで効果が高いように感じている人もいるかもしれませんが、毛穴の詰まりを取る効果や、保湿力に関しては、薬用であるから優れているとは一概には言えないところもあるので、注意しましょう。

医薬部外品、化粧品について詳しく知りたい方はこちらのコラムもご参照ください。

正しい洗顔方法は?

にきび予防に対して効果的な洗顔方法をお伝えします。
いくら洗顔がにきび予防に効果的であると言っても、1日何回もゴシゴシ洗っていては却って逆効果です。

日本皮膚科学会で推奨されている1)のは
「1日2回、洗顔料を良く泡立てて、優しく洗い、最後にたっぷりの水で洗顔料を洗い流す」
という方法です。

この時、メイクをしている場合は先にメイク落としでメイクをしっかり落とし、肌の乾燥が気になる場合は化粧水や保湿剤で洗顔後しっかり保湿を行います。

薬用洗顔料の選び方は?

①有効成分で選ぶ

薬用洗顔料に含まれる有効成分について、代表的なものを以下に挙げさせていただきます。

・グリチルリチン酸ジカリウム
抗炎症作用を示し、にきびによる炎症を抑える働きがあります。
・イソプロピルメチルフェノール
殺菌作用を示す成分で、にきびの原因となるアクネ菌の他、背中にきびの原因となる真菌、マラセチア菌への効果も期待されます。
・サリチル酸
角質を柔らかくする作用があり、毛穴詰まりが起こりにくくなります。
殺菌作用も持ち合わせているため、アクネ菌に対しても効果を示します。
・感光素201号
高い殺菌作用を持つだけでなく、併せて抗酸化作用、美白作用も報告されています。

②テクスチャータイプで選ぶ

洗顔料にはフォーム、泡、固形石鹸、ペースト、パウダー、ジェル状などさまざまなタイプがあります。
正しい洗顔方法でもお伝えしましたが、にきび予防にとって大切なのは、しっかり洗顔料を泡立て、優しく洗うことです。
特にパウダータイプやジェルタイプのものなどは、泡立ちが不十分な状態で使用すると、肌にとって刺激が強く、逆に肌荒れを起こす要因にもなってしまいます。
泡立てが最初からいらない製品を除いては、どのタイプであっても、しっかり泡立てて使うようにしましょう。
泡立てが苦手な方は最初から泡で出てくるものをおすすめしますし、他のタイプでも泡立てネットなどを用いて泡立てをサポートすると良いですね。

③試験項目をクリアしているかどうかで選ぶ

洗顔料の中には「パッチテスト」「アレルギーテスト」また「ノンコメドジェニックテスト」というものをクリアしているという表記がある製品が存在します。
ノンコメドジェニックテスト済み化粧品は、人の肌においてコメドというにきびの元ができにくいことを確認している製品です。
もちろん全ての人でにきびができないわけではありませんが、実際に人の肌を使ってテストしているため、ある一定の効力は実証されている製品とも言えます。
また、パッチテストやアレルギーテストは、製品使用による肌への刺激性やアレルギー反応を検査しています。
肌が敏感な方はパッチテストやアレルギーテストをクリアしている製品の方が安心して使えるでしょう。

おすすめ薬用洗顔料4選!

キュレル 皮脂トラブルケア泡洗顔料

有効成分:グリチルリチン酸ジカリウム
タイプ:泡
試験項目:アレルギーテスト済み、パッチテスト済み
特徴:敏感肌の人に向けたスキンケアブランドのキュレルが手がける、乾燥対策も、皮脂対策も、同時にできる、低刺激性のスキンケア製品です。
肌のバリア機能をサポートする肌の必須成分であるセラミドを守りながら、潤いを保ちます。
きめ細やかな泡で出てくる泡タイプが、優しく肌に行き渡ります。

ノブ AC ウォッシングフォーム

有効成分:感光素201号、グリチルリチン酸ジカリウム
タイプ:フォーム
試験項目:アレルギーテスト済み、パッチテスト済み、ノンコメドジェニックテスト済み
特徴:敏感肌やにきび肌といった皮膚トラブルが気になる方のためのスキンケアブランド、ノブから販売されている、特に乾燥などの肌ストレスからくる大人にきびに悩む人のための洗顔料です。
ノブのにきび肌ケアシリーズは、にきびの3大原因全てにアプローチする設計になっており、大人にきびを優しく癒すACシリーズの他にも、シンプルににきび肌をケアするAシリーズ、大人にきびへの積極的なケアを行うACアクティブシリーズがあります。

クリアレックスWi

有効成分:イソプロピルメチルフェノール、グリチルリチン酸ジカリウム
タイプ:液体
試験項目:アレルギーテスト済み
特徴:気になるにきびの対策に加え、肌への優しさも考えた低刺激処方のボディソープです。
にきびだけでなく、ニオイの原因になる雑菌に対しても、殺菌成分イソプロピルメチルフェノールが効果を示します。
洗顔料としても使えますので、顔のにきびや背中のにきび、全身のケアにおすすめです。

薬用 洗顔クリーム しっかりタイプ

有効成分:サリチル酸
タイプ:フォーム
試験項目:−
特徴:アメリカの製薬会社で開発され、60年の歴史を誇るにきび肌に向けたロングセラー製品の洗顔料です。
サリチル酸の殺菌作用に加え、肌の乾燥を防ぐためのビタミンC誘導体やオウバクエキスなどの保湿成分も配合されています。
しっかり皮脂の詰まりを除去する作用に優れながら、比較的安価でもあるため、思春期のにきび予防におすすめしたい製品です。

まとめ

にきびに効果のある洗顔料について、正しい洗顔方法から薬用洗顔料に含まれる有効成分、そしておすすめの製品まで幅広くお伝えさせていただきました。
にきびの予防にとって洗顔は効果的ですが、特にご自身の肌に合った洗顔料を選ぶことが重要となります。
薬用洗顔料には、にきびに対して効果のある有効成分が含まれていますので、それを基準に選ぶこともできますし、テクスチャーや安全性・有効性に関する試験実施の有無で選ぶ方法もあります。
もしにきび用の洗顔料を使用していて、にきびがどんどん悪化してきたり、肌荒れが起きたりするようであれば、その洗顔料があっていない可能性や、にきびに対して治療薬が必要である可能性も考えられます。
そういった場合は無理に使い続けず、一旦使用をやめて、皮膚科を受診するようにしましょう。
このコラムがにきびにお悩みのあなたにとって、お役に立てれば幸いです。

 

〈参考資料〉
1)にきび Q18 不潔だからにきびができるのですか?洗顔方法は? – 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)