解熱鎮痛薬に含まれるサポート成分を解説!ケース別おすすめの市販薬7選!
発熱にも痛みにも使え、日常での使用頻度も高い解熱鎮痛薬。
家に常備している人も多いのではないでしょうか。
ただ、市販の解熱鎮痛薬は、ただでさえ製品数が多いのに加え、同じシリーズのものであっても、中身が少しずつ異なる製品がいくつもあって、購入時に迷いますよね。
このコラムでは、解熱鎮痛薬に配合されている代表的なサポート成分の役割や目的を解説し、それをもとに、どういった人にどんな製品がオススメであるかをご紹介させていただきます。
サポート成分を理解することで、解熱鎮痛薬の選び方がより深いものになると思いますよ。
そもそも解熱鎮痛薬とは?
解熱鎮痛薬とは「熱を鎮め、痛みを抑える効果のある解熱鎮痛成分を主成分とする医薬品」を指します。
解熱鎮痛成分が単剤で含まれている製品もありますが、現在市販で出回っている製品の多くは、複数の有効成分が一緒に配合されています。
「解熱鎮痛作用を高める」「主成分の副作用を防止する」といったメリットがありますが、その一方、含まれる有効成分が増えることで、「副作用のリスクが増える」「価格が高価になる」というデメリットも無視できないでしょう。
そのため、解熱鎮痛薬を購入する際は、一緒に配合されているサポート成分の性質を理解した上で、メリット、デメリットを判断し、ご自分に合った製品を購入することが望ましいと言えます。
解熱鎮痛成分薬に含まれるサポート成分にはどんなものがあるの?
解熱鎮痛薬に一緒に含まれる有効成分は、主に、解熱鎮痛作用を高める目的や、副作用を防止する目的で配合されています。
代表的なサポート成分について、詳しく解説していきますね。
鎮痛補助成分
「痛みを抑えるサポート」を目的として配合されている成分です。
・カフェイン
鎮痛作用の増強が期待されます。
また、脳血管を収縮することで頭痛を緩和する効果もあります。
ただし、妊娠されている方や、栄養ドリンクなどで他にカフェインを多く摂取されている方は、トータルしてカフェイン量が多くなりすぎないよう注意が必要です。
・ブチルスコポラミン臭化物
胃腸や子宮の痙攣を緩和し、腹痛や生理痛を緩和します。
腹痛(生理痛)がある際に一緒に用いると効果的です。
催眠鎮静成分
「痛みに伴う不安や不快感の除去」を目的として配合されている成分です。
・アリルイソプロピルアセチル尿素
・ブロモバレリル尿素
鎮静作用により、痛みを感じにくくする作用があります。
本来は不眠症や不安などに対する鎮静を目的とした成分のため、眠気が出やすい成分です。
車の運転をする際には、避けないといけない成分であり、学校や仕事などで眠たくなりたくない人も使用を控えた方がいいでしょう。
制酸成分
「解熱鎮痛薬の副作用である胃への刺激の緩和」を目的として配合されている成分です。
・メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
・乾燥水酸化アルミニウムゲル
・合成ヒドロタルサイト
・酸化マグネシウム
解熱鎮痛薬の中でもロキソプロフェンやイブプロフェン、アスピリンなどのNSAIDsと呼ばれる分類に属する成分は、副作用として胃腸障害が出やすいという特徴があります。
そのため、長期連用は避け、なるべく食後に服用するのが原則ですが、それであっても、胃の弱い人や高齢の方は注意が必要です。
制酸成分は、胃酸を中和することで、NSAIDsによる胃への負担を緩和する働きがあるため、胃腸に不安がある人は一緒に配合されているものがおすすめです。
解熱鎮痛薬のサポート成分での選び方とおすすめ製品
サポート成分の違いから見た製品の選び方、また、おすすめ製品をご紹介します。
胃腸に自信の無い方
「制酸成分」が入っている製品を選ぶと良いでしょう。
ロキソニンSプラス
有効成分:ロキソプロフェン、酸化マグネシウム
特徴:言わずと知れたロキソプロフェン製剤の一種で、胃を保護する酸化マグネシウムがプラスされたもので、シンプルな設計の製品のため、価格もシリーズ内では比較的抑えられています。
バファリンA
有効成分:アスピリン、合成ヒドロタルサイト
特徴:合成ヒドロタルサイトは制酸成分として胃に優しいだけでなく、アスピリンの吸収を助ける働きもあるため、素早い効き目が期待できます。
眠くなっても大丈夫!それより辛い痛みを抑えたい方
「催眠鎮静成分」が入っている製品がオススメです。
催眠鎮静成分が痛みを緩和し、かつ眠気がでるので、頭痛がひどかったり、発熱がしんどかったりすることで眠りづらい方におすすめです。
ただし、睡眠薬として服用できるほどの効果は無いので、注意してください。
イブA錠
有効成分:イブプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェイン
特徴:アリルイソプロピルアセチル尿素とカフェインが痛みを抑える作用をサポートします。
イブシリーズの中でも、錠数のバリエーションが豊かであり、24錠、36錠、48錠、60錠、90錠と、5種類の中から自分に合ったパッケージを選ぶことが可能です。
ロキソニンSプレミアム
有効成分:ロキソプロフェン、アリルイソプロピルアセチル尿素、無水カフェイン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
特徴:ロキソプロフェンに痛みを抑える作用をサポートする成分が2種類追加され、シリーズの中では1番痛みを抑える作用が強いです。
また、ロキソニンSプラスにも制酸薬である酸化マグネシウムが含まれていますが、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムは、酸化マグネシウムと同等の制酸効果を示すことに加え、胃粘膜表面を膜で覆って保護する効果もあるため、より胃にやさしい成分とされています。
辛い痛みはなんとかしたいけど、眠くなるのは困る方
痛みをサポートする成分や解熱鎮痛成分が多く含まれながらも、「催眠鎮静成分」が配合されていない製品から選ぶと良いでしょう。
バファリンプレミアムDX
有効成分:イブプロフェン、アセトアミノフェン、無水カフェイン、乾燥水酸化アルミニウムゲル
特徴:イブプロフェンとアセトアミノフェンのW処方に加え、カフェインも配合されることで、多方面から痛みに対してアプローチします。
また、独自技術『クイックアタック錠』を用いることで、素早い効き目を期待することができます。
ナロンエースプレミアム
有効成分:イブプロフェン、エテンザミド、乾燥水酸化アルミニウムゲル
特徴:2種類のNSAIDsを組み合わせただけでなく、エテンザミドの量をシリーズ最大量にすることで、痛みを抑える作用を可能な限り高めた処方です。
NSAIDsの副作用である胃腸障害を防ぐために、制酸成分もしっかり配合されています。
辛い生理痛を抑えたい方
鎮痛補助成分「ブチルスコポラミン」が入っている製品がおすすめです。
エルペインコーワ
有効成分:イブプロフェン、ブチルスコポラミン臭化物
特徴:解熱鎮痛薬の中でも、生理痛のみに特化した製品です。
イブプロフェンに加え、ブチルスコポラミンが子宮・腸管の過度な収縮を抑えることで、辛い生理痛にダブルで効果を示します。
まとめ
解熱鎮痛薬に含まれるサポート成分について、各成分の役割や注意点を踏まえ、おすすめの製品をお伝えさせていただきました。
解熱鎮痛成分(特にNSAIDs)は胃腸障害の副作用を無視することが難しいため、胃に自信の無い方は、胃に優しい制酸成分が入った製品を選ぶと良いでしょう。
また、辛い頭痛や生理痛など、日常生活に支障が出るような痛みについては、飲むタイミングなども踏まえて、鎮痛補助成分を含む製品もおすすめです。
ただ、胃腸が丈夫な方で、発熱やそれほどひどく無い痛みに対して用いるのであれば、シンプルな解熱鎮痛成分のみの製品で十分な場合もあります。
どのような症状に対して使用したいのかを考慮し、配合されている成分で製品選びが行えると良いですね。
このコラムがその際にお役に立てば幸いです。