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更新日:2022/11/02
デンタルリンスとは?マウスウォッシュとの違いや、製品の選び方についても解説!

マウスウォッシュと似ているものに、デンタルリンスというものがあります。どちらも同じような見た目で同じくらいの価格帯で売られているため、違いについてわからない方も多いのではないでしょうか。

 

しかし、マウスウォッシュとデンタルリンスはまったくの別物です。今回は、デンタルリンスとはそもそもどのような商品なのか、マウスウォッシュと何が違うのかについて解説します。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター 岡本 妃香里

デンタルリンスとは?

デンタルリンスとは、液体の歯磨きのことです。パッケージを見ると「液体歯磨」と記載されているのが見つかるでしょう。通常の歯磨き粉を使う場合は歯ブラシに取って使用しますが、デンタルリンスの場合は口に含んですすいだあと、歯ブラシでブラッシングを行います。

歯磨き粉と違って研磨剤が含まれていないため、歯を傷つける心配がありません。ただし、着色汚れといわれるステインを落とす効果は劣ります。

マウスウォッシュとデンタルリンスの違いは?

マウスウォッシュは『洗口液』、デンタルリンスは『液体歯磨』のことです。

マウスウォッシュは口に含んですすいで使います。歯磨きの効果はないため、すすいだ後にブラッシングを行う必要はありません。口臭を予防したり出血を予防したりするのがおもな役割です。

デンタルリンスは液体タイプの歯磨き粉なので、すすいだあとにブラッシングが必要になります。歯を磨くことがおもな役割です。使用用途がまったく違うので、購入する際は間違えないように気をつけましょう。

デンタルリンスの種類について

デンタルリンスには、大きくわけて「医薬部外品」と「化粧品」の2種類があります。どちらに分類されているかで効果が変わるため、自分がどのような効果を望んでいるのかに合わせて選ぶようにしましょう。

医薬部外品

医薬部外品とは、医薬品と比べると効果が穏やかなもののことです。医薬品と化粧品の中間に位置するものだと思っておくとよいでしょう。医薬部外品タイプのデンタルリンスには、虫歯予防歯肉炎予防口臭予防出血予防などの効果があります。どのような有効成分が入っているのかによって効果は違うので注意しましょう。

化粧品

化粧品のデンタルリンスには、口臭の防止口中の浄化などの効果があります。医薬部外品タイプのデンタルリンスと比べると、かなり限定された効果しかありません。

口臭や出血、歯肉炎などが気になる場合は、化粧品ではなく医薬部外品のデンタルリンスを選ぶのがおすすめです。歯を磨けたら大丈夫という方は、化粧品タイプでも問題ないでしょう。

デンタルリンスに含まれる主な有効成分について

医薬部外品のデンタルリンスには、さまざまな有効成分が含まれています。ここでは、代表的な5つの成分について効果や特徴を見ていきましょう。

セチルピリジニウム塩化物水和物(CPC)
セチルピリジニウム塩化物水和物は殺菌成分です。口臭の原因となる菌を殺菌し、臭いを予防します。多くのデンタルリンスに配合されている成分です。トローチやのど飴に配合されていることもあります。

イソプロピルメチルフェノール(IPMP)
こちらも殺菌成分として使われています。口臭の原因菌を殺菌し、臭いを予防するための成分です。デンタルリンスだけでなく、皮膚用の塗り薬にもよく使われています。

トラネキサム酸
出血を予防するための成分です。美白成分として化粧水や美容液に使われることもありますが、血栓の分解を抑制する働きもあるため医療現場では止血剤としても使われています。

グリチルリチン酸ジカリウム
炎症を抑える成分です。抗炎症作用をもつステロイドと似た形をしています。トローチやのど飴、かぜ薬など市販薬に幅広く使われています。

塩化亜鉛(ジンククロライド)
歯石予防のために配合されている成分です。歯石が歯に定着するのを抑えます。塩化亜鉛の効果のみで歯石の予防が100%できるわけではないので、適切なブラッシングが必要です。

デンタルリンスの選び方

デンタルリンスの選ぶときは、まず効果を見ましょう。とくに効果にこだわりがない方は、使用感や味の違いで選んでいてだいて構いません

効能・効果で選ぶ

口臭や出血、歯肉炎の予防がしたい方は医薬部外品のデンタルリンスから選びましょう。配合されている成分の種類によって効能・効果が違うので、気になる症状に合う成分が入っているかを確認することが大切です。

使用感で選ぶ

スッキリした使用感が好みの方はアルコールが配合されたものを、スースーするのが苦手な方はノンアルコールタイプを選びましょう。ノンアルコールタイプならピリピリする感じがありません。

味で選ぶ

デンタルリンスは毎日使うものなので、使いやすい味かどうかも重要なチェックポイントです。多くはミント風味となっていますが、商品によって味には差がありますので好みのものを見つけてみてください。

おすすめのデンタルリンス製品4選

では、ここからは人気のデンタルリンスを4つ紹介します。

 

リステリン ホワイトニング

リステリンホワイトニングテクノロジーにより、歯に付着した汚れを浮かせて落とすデンタルリンスです。落とすだけでなくコーティングもしてくれるため、ステインの付着を予防する働きもあります。

分類 化粧品
有効成分 なし
機能 ステインを浮かせて落とす
ホワイトミント
リステリン トータルケアプラス

リステリンのシリーズのなかでも、もっとも有名な商品です。「紫のリステリン」とも呼ばれており、多くの方に選ばれています。刺激が強いため、ピリピリ感が苦手な方や口内が荒れている方は使用を控えましょう。

分類 医薬部外品
有効成分 ・塩化亜鉛
・イソプロピルメチルフェノール
効能・効果 虫歯、歯肉炎、口臭の予防、歯を白くする、歯石の沈着予防、口中の浄化、口中を爽快に
クリーンミント
ガム・プラス デンタルリンス

ガム・プラス デンタルリンスには、アルコールが配合された「スッキリ爽やかタイプ」と、ノンアルコールの「低刺激ノンアルコールタイプ」とがあります。900mlと大きいサイズのほうはポンプがついているので計量が楽です。

分類 医薬部外品
有効成分 ・塩化セチルピリジニウム
・グリチルリチン酸ジカリウム
効能・効果 歯周病(歯肉炎・歯周炎)予防、口臭防止、口中浄化、口中爽快、ムシ歯(虫歯)の発生及び進行の予防
ハーブミント
モンダミン NEXT 歯ぐきケア

炎症を抑えるグリチルリチン酸ジカリウムとヒノキチオール、歯ぐきをいたわるスギナエキスとセイヨウサンザシエキス、ハマメリスエキス、出血を予防するトラネキサム酸が配合された商品です。刺激は中程度なのでピリピリ感が苦手な方でも使いやすいでしょう。

分類 医薬部外品
有効成分 ・グリチルリチン酸ジカリウム
・ヒノキチオール
・スギナエキス
・セイヨウサンザシエキス
・ハマメリスエキス
・トラネキサム酸
効能・効果 歯周病(歯肉炎・歯周炎)の予防、出血予防、むし歯予防、歯を白くする、口臭予防、口中浄化、口中爽快
ボタニカルハーブミント

まとめ

デンタルリンスとは、液体タイプの歯磨き粉です。口中をすすいだ後にブラッシングして使用します。マウスウォッシュは口臭や出血の予防を目的とした洗口液なので、歯磨き粉としては使用できません。商品によって配合されている成分や期待できる効果が異なりますので、自分に合うものを選ぶようにしましょう。