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お薬コラム
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更新日:2022/04/26
おむつかぶれになっても慌てないで!おすすめの市販薬を原因や対策と共にご紹介

真っ赤に腫れた赤ちゃんのお尻。
「なんでこんなことに?」驚きとともに、申し訳ない気持ちになってしまいますね。
赤ちゃんのお世話は予想外のことも多いですが、その中でも、おむつかぶれは多くの赤ちゃんとお母さんが経験するトラブルと言えるでしょう。
おおよそのお母さんが通る道なので、過度に落ち込まなくても大丈夫。
この記事ではおむつかぶれの原因や対策、また効果のある市販薬についてお伝えさせていただきます。
正しい知識と対策によって、赤ちゃんのおむつかぶれをケアしていきましょう。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター ひまわりうさぎ

おむつかぶれとは?

どんな症状?
おむつかぶれとはお尻や太ももの付け根など、おむつに触れている箇所の肌が赤く腫れて、炎症を起こした状態を言います。
小さなブツブツや、かゆみ、痛みなどを伴うこともあり、重症になると水ぶくれ、皮膚のただれが起きることもあります。

原因は?
おむつかぶれの主な原因を以下に挙げました。
これらの要因がひとつだけでなく、複数重なることで発生することも多いです。

● おしっこやうんちによる刺激、蒸れ
● 汗による蒸れ
● おしりを拭くときの摩擦
● おむつの素材自体との相性が悪い

おしっこやうんちは肌にとって刺激になるため、長時間付着したままでいると、おむつかぶれが発生しやすくなります。
特に下痢の時のうんちは消化酵素を多く含むため、肌への刺激が強く、かぶれを起こしやすいと言われています。
また、最近の紙おむつは性能が良く、通気性も向上していますが、従来赤ちゃんのおむつの中は排泄物や汗により蒸れやすい状態です。
蒸れたおむつの中では、肌がふやけて、より刺激に対してデリケートになってしまいます。
それ以外にも、おしりを拭くときの摩擦が刺激になっている場合や、おむつの素材自体が赤ちゃんの肌に合っていないことが、かぶれの原因となっている可能性もあります。

むつかぶれと似た症状のカンジダ皮膚炎って?
おむつかぶれと同じような症状が現れるカンジダ皮膚炎というものがあります。
カンジダ菌は真菌であり、いわゆるカビの一種です。
カビというと、抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、カンジダ皮膚炎もおむつかぶれと同様、赤ちゃんによく起こるトラブルです。
湿気の多いオムツの中は、カビが繁殖しやすい環境になってしまっており、おむつかぶれで肌の防御力が低下したところにカンジダ菌が感染することもよくあります。
おむつかぶれと同じようにお尻が赤くなるため、見分けが付きにくいのですが、おむつかぶれがおむつとの接触面にできるのに対して、カンジダ皮膚炎ではおむつが直接触れていないシワや溝にまで赤みが出るのが特徴です。

おむつかぶれを予防するには?

・おしっこやうんちの付いたおむつは小まめに取り替える
最近のおむつは高性能であるため、おしっこ数回分は漏れずに吸水してくれますが、漏れなければ良いというわけではありません。
刺激や蒸れの原因になるため、小まめに取り替えましょう。

・おむつのサイズアップにより、吸収量を上げ、蒸れにくくする
体の成長と共に、汗やおしっこの量はどうしても増えてきます。
小まめに交換していても蒸れがひどいという場合は、サイズアップによって吸収量を上げるというのも一つの手でしょう。

・お尻を拭き取るときは水分を多めに、優しく拭き取る
水分が不足したカラカラのおしりふきは物理的な刺激が強いため、ケースに入れるなどして、おしりふきが乾燥しないよう工夫すると良いですね。
こびりついたうんちなども、なるべく擦らないよう、ふやかしながら優しく拭き取るようにしましょう。
すでにおむつかぶれの炎症が起き始めている時は、拭き取りによる刺激を避け、お湯で洗い流すのもおすすめです。

・保湿剤を使用する

デリケートな赤ちゃんの肌に対して、あらかじめ保湿剤などを使用しておきます。
それにより、肌の防御力を高め、刺激によるダメージを軽減する効果が期待できます。

おむつかぶれに効果のある市販薬の有効成分

・ワセリン
肌を油の膜でコーティングすることで、乾燥を防ぐ働きと、刺激に対する防御力を高める効果があります。
ワセリンは低刺激であり、赤ちゃんに対しても、全身に使用することができる保湿剤です。
同じような保湿剤として、ヘパリン類似物質というものがあり、病院でもよく赤ちゃんに処方されます。
ただ、ヘパリン類似物質は血行を促進する作用もあり、おむつかぶれのように炎症を起こしている状態の肌にとっては、逆に刺激になる可能性もあるため、注意が必要でしょう。

・亜鉛華軟膏(酸化亜鉛)
昔からおむつかぶれに対してよく処方される塗り薬です。
たっぷりと厚めに塗ることで、うんちやおしっこが直接患部に付着しないよう、保護する作用があります。
また、吸水作用もあるため、ジュクジュクした湿疹に対しても効果的です。

・ウフェナマート
非ステロイド性の抗炎症薬です。
ステロイドと比較して作用がマイルドかつ低刺激であるため、市販のおむつかぶれに対する塗り薬は、ウフェナマートを含んでいるものが多く見られます。

・ジメチルイソプロピルアズレン
医療用医薬品ではアズノール軟膏として知られている成分です。
非ステロイド性の抗炎症作用と共に、傷の治りを促進する作用が知られています。
口の中などの粘膜を含め、体の至る場所に使用でき、赤ちゃんに対しても比較的安心して使用することができます。

・ステロイド
ステロイドは優れた抗炎症作用をもつため、炎症が強いおむつかぶれに対して使用されることがあります。
ただ、赤ちゃんの肌はデリケートである上に、一般的に陰部は手足の何十倍もステロイドの感受性が高いと言われています。
そのため、病院ではエキザルベという、1番弱いクラスのステロイドを処方することが多いです。
市販のものも「赤ちゃんにも使用可能」と記載のあるステロイド以外は使用しないでおきましょう。
また、おむつかぶれだと思っていたものがカンジダ菌皮膚炎である場合は、ステロイドにより症状が悪化する可能性があります。
効果が見られない場合は、決して長期間使用せず、必ず小児科か皮膚科に相談しましょう。

おむつかぶれに効果のある市販薬

ポリベビー

有効成分:ビタミンA油、ビタミンD2、トリクロロカルバニリド、ジフェンヒドラミン、酸化亜鉛
特徴:亜鉛華軟膏の主成分である酸化亜鉛が含まれており、おむつかぶれに使用しやすい軟膏です。
他にも、患部の治りを助けるビタミンや殺菌成分、さらにかゆみを抑える抗ヒスタミン成分を含んでいるため、乳児湿疹や虫刺されなど、赤ちゃんの肌トラブルに対して幅広く使用できます。

プロペト ピュアベール

有効成分:白色ワセリン
特徴:ワセリンの中でも純度の高いプロペトが、2019年より市販薬でも購入することができるようになりました。
おむつかぶれの予防はもちろん、赤ちゃんの全身の保湿に使用できます。

イハダ ダーマキュア軟膏

有効成分:ウフェナマート、グリチルレチン酸、 ジフェンヒドラミン、リドカイン、 ベンゼトニウム塩化物、トコフェロール酢酸エステル
特徴:化粧品で有名な資生堂があらゆる肌トラブルに対して、開発したイハダシリーズ。
スキンケア商品などのノウハウを活かしたパウダーと軟膏成分の組み合わせ設計により、肌の湿潤バランスをキープしながら有効成分を生かすようになっています。

タナールAZ軟膏

有効成分:アラントイン、グリチルリチン酸、ジメチルイソプロピルアズレン
特徴:ジメチルイソプロピルアズレンが配合された数少ない市販薬です。
皮膚を保護する作用のあるアラントインと炎症を抑えるグリチルリチン酸も配合されており、赤ちゃんのおむつかぶれを始めとする、さまざまなかぶれやただれに使用できます。

 

コートf MD軟膏

有効成分:プレドニゾロン、グリチルレチン酸
特徴:赤ちゃんにも使用できる一番弱いランクのステロイド、プレドニゾロンを主成分とする軟膏です。
また、グリチルレチン酸が炎症を抑える役割をします。

まとめ

赤ちゃんのおむつかぶれの症状や原因、効果のある市販薬についてお伝えさせていただきました。
痛々しいおむつかぶれができてしまうと、早くなんとか治してあげたいと焦る気持ちが出ることと思います。
しかし赤ちゃんの肌はデリケートである一方、新陳代謝も活発なので、しっかりしたケアを着実に行っていただければ、回復も早いことが多いです。
ただ、おむつかぶれによく似た症状のカンジダ皮膚炎であれば、市販薬での対応は難しいため、もし市販薬を使ってケアしていてもなかなか治らなかったりただれや水疱ができていたりする場合は、小児科や皮膚科などの医療機関を必ず受診するようにしてください。
この記事がおむつかぶれでお悩みのあなたにとって、お役に立てることを祈っています。