栄養ドリンクにアルコールはどれくらい含まれる?飲酒運転になるって本当?
「栄養ドリンクにはアルコールが入っているから、運転前に飲んだら飲酒運転になるらしいよ!」
一時期ニュースにもなったため、このような話を聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。
もし、本当に飲酒運転になるのであれば絶対に避けないといけないものですが、栄養ドリンクのラベルにはそのような注意書きも見受けられませんし、どこまで気をつけなければいけないのか、悩みますよね。
このコラムでは、栄養ドリンクに含まれるアルコールについて、そもそも栄養ドリンクにはなぜアルコールが入っているのか、というところから、栄養ドリンクに含まれるアルコール量や濃度を踏まえた上で、本当に飲酒運転になるかどうかも解説させていただきます。
後半ではおすすめのノンアルコールの栄養ドリンクもご紹介させていただきますので、栄養ドリンクに含まれるアルコールについて気になっている方や、ノンアルコールの栄養ドリンクを探している方にとって有益な情報をお届けできると思いますよ。
栄養ドリンクに入っているアルコールとは?
栄養ドリンクは医薬品や指定医薬部外品(医薬部外品)に分類され、国が認めた有効成分を含むことで、「効能・効果」を記載することができます。
ただ、栄養ドリンクには、この有効成分の他に、保存料や合成甘味料、香料などといった添加物が含まれています。
栄養ドリンクに含まれるアルコールは、この添加物の1種です。
そのためアルコールによって疲労回復や、滋養強壮などといった効果はありませんが、有効成分を液体中に溶かす役割や、生薬を抽出する役割を担っています。
栄養ドリンクであれば、全ての製品にアルコールが含まれるわけではなく、製品によってアルコールの有無は異なります。
含まれている製品には『添加物』の欄に「アルコール」または「エタノール」と記載がありますので、アルコールについて気にされる方はその箇所に着目すると良いでしょう。
栄養ドリンクにはどれ位のアルコールが入っているの?
ほとんどの製品は1本(30〜100mL)あたり0.2mL以下程度、アルコール濃度にして0.6%以下と、ごく微量です。
ただし、製品によっては1mLを超える量(3%以上)が含まれているものもあり、定期薬でアルコールの摂取を注意されている人や、アルコールに対して過敏な人には注意が必要な場合もあります。
栄養ドリンクにアルコールが含まれる場合は『アルコール(◯mL以下)』というように、含有量が括弧書きで書かれていますので、アルコール量によって製品購入を判断したい方は、こちらの値に着目すると良いでしょう。
ただし、たまに『(◯mL以下)』という記述はなく、単に「アルコール」「エタノール」とだけ書かれている製品もあります。
これは含まれている量が0.1mL未満であるという意味ですので、極めて微量であると言えます。
アルコールに強いアレルギーのある方などは、ごく少量であってもアレルギー症状が出る可能性もありますのでアルコール記載のない製品から選ぶようにしましょう。
栄養ドリンクに含まれるアルコール濃度の計算方法
栄養ドリンクに含まれるアルコールの濃度は、以下の計算式を用いて算出することができます。
アルコール濃度=アルコール含有量÷内容量×100
例えば、リポビタンDⅡα の場合
添加物の欄に「100mL中、アルコール0.2mL以下」と記載があるので、
0.2÷100×100=0.2%となり
最大0.2%のアルコールが含まれている可能性があります。
一般的なアルコール飲料の濃度は?栄養ドリンクはお酒?
日本の法律においては、アルコール濃度1%以上であれば、酒類に該当するとされています。
例えば、ビールは5%程度、チューハイで7~9%程度。日本酒15%程度です。
ただし、医薬品や医薬部外品など、厚生大臣から製造の許可を受けたアルコール含有医薬品に関しては、酒類に該当しないと定められています。
ただ、医薬品は酒類に該当しないといっても、養命酒などに代表されるいわゆる薬用酒はアルコール濃度が10%以上あるものも多いため、未成年者の服用を禁止しています。
栄養ドリンクは製品によってはアルコール濃度が3%程度あるものもありますが、1本あたりの量がそれほど多くないこと(30mL〜100mL程度)、また、総アルコール量としては微量であることから、未成年者でも(15歳以上〜)服用することができるようになっています。
栄養ドリンクを飲むと飲酒運転になるの?
栄養ドリンクに入っているアルコールは微量であるため、基本的には飲酒運転にはなりません。
ただし、微量ながらもアルコールが含まれているのは事実であるため、大量に飲めば、飲酒運転とみなされる量、アルコール血中濃度、また、呼気中アルコール濃度に達する可能性があります。
大量というのがどの程度であるかというと、「アルコール濃度1.2%の100mL容量栄養ドリンクの場合、14本程度」という試算があります。
もちろん14本も栄養ドリンクを飲むというのは現実的ではありませんし、そもそも栄養ドリンクは原則1日1本と「用法・用量」が定められており、医薬品、また医薬部外品である以上はそれに従わなければなりません。
そのため、正しい用法・用量で栄養ドリンクを服用する分には、飲酒運転にあたるリスクは理論上はないと言えるのです。
ただ、残念ながら、体調や体質、飲むタイミングにより、アルコールが検出される可能性は0とは言い切れません。
車の運転をする直前、又は、運転中に服用するのであれば、アルコール含有量が少ない製品を選ぶ方が無難でしょう。
アルコール含有量が高い製品とは?
アルコールは生薬成分を抽出するために使われることが多いため、生薬配合の製品はアルコール濃度が高くなる傾向があります。
例えば、
・ユンケル黄帝液
アルコール:30mL中0.9mL以下(3.0%以下)
・ユンケル黄帝ロイヤルプレミアム
アルコール:50mL中1.5mL以下(3.0%以下)
・ゼナジンジャー滋温液
アルコール:50mL中1.38mL以下(2.76%以下)
などといった製品が挙げられます。
佐藤製薬のユンケル製品は複数の生薬を使用した製品が多いこともあり、アルコール濃度が高めの製品が複数見受けられます。
ノンアルコール製品から選びたい人へのおすすめ4選
アルコールアレルギーや、飲酒運転で引っかかるリスクをゼロにしたい!といった理由のために「どうしてもノンアルコールの栄養ドリンクが欲しい!」という人は
『製品ラベルに書かれている「添加物」の項目欄に「アルコール」または「エタノール」といった記載が無いことを確認』
して製品を選ぶようにしましょう。
「自分でわざわざ製品ひとつひとつのラベルを確認するのが面倒」という方のために、こちらではおすすめのノンアルコール栄養ドリンクをいくつかご紹介させていただきますね。
定番メーカーの栄養ドリンク
リポビタンD
有効成分:タウリン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、イノシトール、ニコチン酸アミド、無水カフェイン
特徴:60周年を迎えたリポビタンシリーズで、一番昔から販売されているオーソドックスな製品です。
「ファイト、イッパーツ」のフレーズでも有名で、コンビニなどでもよく見かけることができるでしょう。
パイナップルベースのミックスフルーツ風味です。
チオビタ・ドリンク
有効成分:タウリン、イノシトール、ニコチン酸アミド、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、カルニチン塩化物 、無水カフェイン
特徴:「愛情一本」でお馴染みの、50年以上に渡って愛されるロングセラー製品です。
疲れを取るビタミンB群に、カルニチンやタウリンが配合されています。
飲みやすいミックスフルーツ風味で、1本あたりの値段が安いのも魅力の1つです。
寝る前におすすめの栄養ドリンク
リポビタンフィール
有効成分:タウリン、グリシン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ニコチン酸アミド、カルニチン塩化物
特徴:リポビタンブランドから販売されている、寝る前にオススメのノンカフェイン栄養ドリンクです。
アミノ酸の一種であるグリシンを含むことで、睡眠の質を高め、寝ている間の疲労回復が期待できます。
女性にも好まれやすい、カシス&グレープフルーツ風味です。
女性におすすめ!鉄分配合の栄養ドリンク
アルフェ ネオ
有効成分:クエン酸鉄アンモニウム(鉄として6.8mgに相当)、ローヤルゼリー、リン酸水素カルシウム水和物、L-アスパラギン酸マグネシウム、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、タウリン
特徴:ノンカフェイン、低カロリーで、鉄分をはじめ、カルシウム、ビタミン、ロイヤルゼリーといった、女性が必要な栄養素をバランス良く取り入れた製品です。
鉄分独特の味を感じさせない、すっきりとした青りんご味です。
妊娠中や授乳中など貧血になりやすい時期に、カフェインやアルコールなしで安心して鉄分やビタミンを補給できる製品です。
まとめ
栄養ドリンクに含まれるアルコールについて、そもそもなぜ栄養ドリンクにはアルコールが入っているかといった基礎知識から、添加されているアルコール量の見方や計算方法も踏まえ、本当に飲酒運転になるのかについて解説を行わせていただきました。
栄養ドリンクに含まれるアルコール量はごく微量であるため、理論的には飲酒運転にはなりません。
ただし、体調や体質、飲むタイミングにより、アルコールが検出される可能性は0とは言い切れないため、車の運転をする直前、または、運転中に服用するのであれば、アルコール含有量が少ない製品を選ぶ方が無難です。
運転者に限らず、アルコールに過敏な人や薬の飲み合わせで注意を受けている人など、アルコール量に注意して製品を選びたい人は、製品ラベルの「添加物」の項目をチェックしましょう。
栄養ドリンクの全てがNGと決めつけず、正しい知識を持って、必要時には栄養ドリンクでしっかり疲労を回復しましょう。
このコラムがそのお役に立てれば幸いです。