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更新日:2022/08/12
指先の傷(液体絆創膏)

指先に傷があると、皿洗いをしたりシャワーを浴びたりするときに痛みが出て不便ですよね。絆創膏を貼って対策をしてもすぐにはがれてしまうので、対処に困っている方も多いでしょう。

 

そんな指先の傷に使うのに便利なのが液体絆創膏です。今回は液体絆創膏の選び方やおすすめの製品、正しい使い方などを詳しく解説します。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター 岡本 妃香里

指先の傷を保護できる液体絆創膏とは?

液体絆創膏とは、傷の表面を薄い皮膜で覆って保護するものです。水絆創膏や塗る絆創膏とも呼ばれており、塗るだけで傷口を守り外部から雑菌が侵入するのを防げます。

貼るタイプの絆創膏と違って簡単にはがれないため、水仕事が多い方や外で土を扱う方、プールや海に行く方などでも日常生活に支障が出にくいことが特徴です。ただ傷口を覆うだけでなく、同時に傷口を殺菌できるものもあります。

液体絆創膏はとても便利なアイテムではありますが、塗るときにしみやすいのがデメリットです。傷口に液体が触れることによる物理的な痛さもありますが、液体絆創膏に含まれているアルコールの影響もあります。そのため、あまりに深い傷口や範囲の広い傷口への使用は向いていません。

指先の傷の種類

傷とひとくちに言っても、種類はいくつかあります。傷口の種類によっては家庭でのケアでは対処できないものもあるため、まずは傷の種類について見ておきましょう。

すり傷

転んだときにできやすい傷です。ザラザラしたもので皮膚を強くこすってしまったときにできます。軽いすり傷や範囲が狭いものでしたら液体絆創膏を塗っても構いません。

切り傷

包丁や紙、カッターなどが皮膚に当たったり食い込んだりしたときにできる傷です。表面が軽く切れた程度なら液体絆創膏で対応できます。しかし、傷口が深く筋肉や骨まで損傷がいっているような場合は使用しないようにしてください。

さし傷

画鋲や針、尖ったものなどが皮膚に食い込むことでできる傷です。刺さったものを除去できており、傷が深くなければ液体絆創膏を使用して問題ありません。異物が皮膚に食い込んで取れない場合は、早めに皮膚科を受診してください。

かき傷

爪や角張ったものなどで皮膚をこすった場合にできる傷です。傷が浅い場合は液体絆創膏を使用して問題ありません。

液体絆創膏の選び方

液体絆創膏にはいくつも種類があります。製品によって効果が大きく変わることはないと考えられますが、使い勝手は違ってきます。製品によっては殺菌成分が入っているものもあるので、自分のニーズに合った液体絆創膏を選ぶことが大切です。

塗り方のタイプで選ぶ

液体絆創膏には、大きくわけて次の2つのタイプがあります。

• チューブからそのまま塗るタイプ
• ハケやヘラを使ってぬるタイプ

チューブタイプのものは、傷口にチューブを直接あてて塗っていくものです。量の調節が難しく、液体絆創膏を出し過ぎてしまうというデメリットがありますが、ハケやヘラを使ったときのように傷口へ刺激を与えることがありません。また、一度で広範囲に塗りやすい点もメリットです。

一方でハケやヘラを使って塗るタイプのものは、傷口の大きさに合わせて必要な量だけを塗りやすいというメリットがあります。そのため、範囲が狭い傷口への使用に向いているでしょう。しかし、ハケやヘラが傷口に当たることで痛みを感じやすいのがデメリットです。

殺菌成分の有無

殺菌成分として、トリクロロカルバニリドが配合されているものもあります。傷口を保護しながら殺菌もしたい方は、こちらのタイプを選ぶとよいでしょう。

しかし、近頃では昔と違って傷口の殺菌をする必要はないという考えが主流です。そのため、むりに殺菌成分が配合されたタイプのものを選ぶ必要はありません。殺菌効果はオマケ程度に考えておくとよいでしょう。

液体絆創膏のおすすめの製品

では、具体的にどのような製品があるのかを紹介します。

殺菌成分なしの液体絆創膏
サカムケア

ハケつきなので、細かい部位にも塗りやすい液体絆創膏です。速乾性があり、素早く傷口を薄い皮膜で覆います。

コロスキン

チューブタイプの液体絆創膏です。乾燥すると透明になるため、塗った部分が目立つことがありません。血行促進や消炎作用のあるd-カンフルが配合されています。

殺菌成分ありの液体絆創膏
アーチスキン

チューブタイプの液体絆創膏です。殺菌成分のトリクロロカルバニリドが配合されています。傷口の保護としても、消毒薬の代わりとしても使うことが可能です。

キズコロリ 液体絆創膏T

ヘラで塗るタイプの液体絆創膏です。殺菌成分のトリクロロカルバニリドが配合されているため、傷口の保護と同時に殺菌もできます。

液体絆創膏を使うときの注意点

液体絆創膏は、浅くて範囲が狭い傷の保護に向いている商品です。深い傷や通常の絆創膏でも覆えないほど範囲の広い傷には使用できません。

皮膚が化膿していたり出血したりしている部位にも使用できないので注意しましょう。小さな傷口であっても、出血している場合は止血してから使用するようにしてください。

また、基本的に液体絆創膏は塗ってから乾かすまでの間にしみることがほとんどです。人によっては痛いと感じるほどしみることがあります。初めて使う方はしみることに驚かれるかもしれませんが、すぐに引いていくので安心してください。

液体絆創膏のはがし方

時間が経つと少しずつはがれてくることもありますが、すぐにはがしたい場合は傷口に刺激を与えないように端からゆっくりはがしていきます。はがれにくいときは、上から液体絆創膏を塗り重ねてみてください。乾いて固まっていた部分がやわらかくなるため、はがしやすくなります。ただし、上塗りしてから時間が経つとすぐに固まってしまうため、乾かないうちに素早くはがしましょう。

まとめ

液体絆創膏は、通常の絆創膏が貼りにくい指先の傷でもしっかり保護してくれる便利なアイテムです。絆創膏を貼ってもすぐにはがれてしまうことに悩んでいる方は、液体絆創膏を使うことで悩みを解決できるでしょう。

ただし、深い傷口や広範囲の傷口への使用は向いていません。また、出血していたり化膿したりしている部分にも使えないので注意しましょう。殺菌成分が配合されているもの、ハケやヘラを使ってぬるものなど種類がいくつかあるので、使いやすいものを見つけてみてください。