フルナーゼ点鼻液50μg(医療用医薬品)は市販で買える?
医療用医薬品の「フルナーゼ点鼻液」をご存じでしょうか?
「フルナーゼ点鼻液」は、鼻炎に使用するステロイドの点鼻薬です。
有効成分は「フルチカゾンプロピオン酸エステル(以下、フルチカゾン)」で、市販薬でも同様のものを購入することができます。
今回は、「フルナーゼ点鼻液」について、使い方や注意点をご紹介します。
購入可能な市販薬とは?
「フルナーゼ点鼻液」は、同じ有効成分を同量含む市販薬が販売されています。2022年11月1日より、要指導医薬品から第1類医薬品になったことから、インターネットでも購入できるようになりました。
フルナーゼ点鼻薬<季節性アレルギー専用>
花粉症などの季節性アレルギー専用の点鼻薬です。医療用と同じ有効成分「フルチカゾン」を同量配合しています。15歳以上の方なら使用可能です。1日2回、鼻に噴霧することで花粉症の症状を和らげます。
医療用医薬品としての基本情報
医療用医薬品の「フルナーゼ点鼻液50μg」について、効果や使い方をご紹介します。
医療用では、使用回数の違いにより28噴霧用と56噴霧用の2種類の製品がありますが、有効成分、効能・効果、使い方などは同じです。
フルナーゼ点鼻液50μgの主成分とは?
有効成分は「フルチカゾンプロピオン酸エステル」というステロイドの成分です。抗炎症作用、抗アレルギー作用があり、強力に鼻炎症状を抑えます。
「ステロイド」と聞くと、副作用が心配だと感じる方もいるかもしれません。フルナーゼ点鼻液は、全身への影響が少なくなるように作られた「アンテドラック」です。鼻に噴霧した場合、鼻にだけ効果を発揮し、体に吸収されるとすぐに分解されて効果を失うようになっています。
フルナーゼ点鼻液50μgの効能は?
フルナーゼ点鼻液は、以下の病気に効果があります。
・アレルギー性鼻炎
・血管運動性鼻炎
アレルギー性鼻炎は、花粉やハウスダストなどアレルギー症状の原因物質「アレルゲン」に接したときに生じる鼻炎です。体にアレルゲンが侵入すると、ヒスタミンという物質が放出され、くしゃみや鼻水・鼻づまりといった症状が出ます。
血管運動性鼻炎は、鼻粘膜にある細かい血管が腫れることで生じる鼻炎です。アレルギーではないのですが、慢性的な鼻炎を起こすため、日常生活に支障を感じやすい病気といえます。
血管運動性鼻炎の場合、市販薬は使用できませんのでご注意ください。
フルナーゼ点鼻液50μgの使い方
左右の鼻に、1日2回、1噴霧ずつおこないます。医師の指示のもと、症状に合わせて1回に4噴霧まで増やすことがあります。
ステロイドの点鼻薬は、あまり即効性のあるものではありません。そのため、症状があるときだけ使うのではなく、症状がひどくなる前から予防的に長く続けることが大切です。花粉症の場合、花粉が飛び始める少し前から、シーズンが終わるまで続けるのが望ましいでしょう。なるべく噴霧のし忘れがないよう、タイミングを調整しながら続けてみてください。
フルナーゼ点鼻液50μgの医療用医薬品の種類
・フルナーゼ点鼻液50μg
成人用の点鼻液です。28噴霧用と56噴霧用の2種類があります。28回、あるいは56回噴霧できる製品という意味で、1回に出てくる成分の量は同じです。
・小児用フルナーゼ点鼻液25μg
小児用の点鼻液です。使い方は成人用と同じで、左右の鼻に1日2回、1噴霧ずつおこないます。匂いや味がないので、飲み薬が苦手なお子さまでも使いやすいでしょう。
フルナーゼ点鼻液50μgの注意点
フルナーゼ点鼻液を使用する上で、注意したい点についてお伝えします。
有効な抗菌薬の存在しない感染症、全身の真菌症の方
有効な抗菌薬がない感染症にかかっている方、真菌症(カビによる感染症)にかかっている方は、フルナーゼ点鼻液を使用できません。感染症が悪化してしまう可能性が高いためです。こうした感染症にかかっていてアレルギー症状でお困りの場合は、医師に申し出てください。
のどや鼻の感染症の方
のどや鼻に感染症を起こしている方は、使用を控えた方がよいかもしれません。ステロイドの成分によって細菌や真菌(カビ)の活動が活発になり、感染症が悪化する可能性があるためです。
のどや鼻の感染症にかかった方は、フルナーゼ点鼻液を使用してもよいかどうかについて医師に確認をしてください。
妊婦・授乳婦の方は医師に確認を
フルナーゼ点鼻液は、鼻にだけ効果を発揮するように作られた「アンテドラック」だとお伝えしました。そのため、妊娠中・授乳中でも子どもへの影響が比較的少ないとは考えられていますが、個別に判断が必要です。使用したい場合は、ご自身の担当の産婦人科医等へ確認し、必要に応じて別の薬剤への変更など対応してもらいましょう。
フルナーゼ点鼻液50μgの気になること
フルナーゼ点鼻液について、よく寄せられる疑問にお答えします。
長期間使っていても安全ですか?
ステロイドは副作用が強いというイメージから、長期間使うことに不安を感じる方も少なくありません。フルナーゼ点鼻液は、鼻にだけ効くように作られた「アンテドラック」だとお伝えしました。体内に吸収されるとすぐに分解されて効果を失うため、長期間使っても問題が起きることは少ないです。ステロイドの全身性の副作用である「血糖値の上昇・骨粗鬆症・免疫の低下」などは生じにくいので、安心してお使いください。
他の薬と比べて効果は強いの?
鼻炎に使われる薬は、それぞれに得意分野が違います。
ステロイドの点鼻は、長期間にわたって安定してアレルギー症状や炎症を抑える薬です。効果が出る前に3日ほどかかりますが、長く使い続けることで効果がしっかりと出るようになっています。
点鼻タイプでは、「血管収縮薬」という種類のものを使ったことがある方もいるでしょう。こちらは、鼻の血管の腫れを抑え、鼻づまりを解消する薬です。使用するとすぐに効果が出るため、「どうしても鼻づまりを解消したい」という大事なタイミングで使用するのに向いています。ただし、毎日・長期間にわたって連用すると「薬剤性鼻炎」を起こす可能性があるため、慎重に使わなくてはなりません。
飲み薬は、いろいろな種類が出ています。比較的即効性もあり、使いやすいです。ただし、眠気が出やすいものや高齢者には使いにくいものもあり、個人個人に合わせて適切なものを選ぶ必要があります。
どのタイプの薬がよい・強いということではなく、ご自身の症状や目的に合わせて使用することが大切です。
まとめ
今回は、アレルギー性鼻炎に使われる「フルナーゼ点鼻液」について、特徴や使い方をご紹介しました。
ステロイド成分の含まれた点鼻液で、毎日使い続けることで炎症やアレルギー症状をしっかり抑えてくれます。
市販薬でも同様のものを購入できますので、アレルギー鼻炎の症状でお悩みの方は試してみてはいかがでしょうか。