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お薬コラム
Medication Column List
更新日:2025/08/16

【即備えたい!】夏の常備薬一覧|夏バテ・下痢・頭痛に備える家庭のマストリスト

暑くなると、ついつい油断しがちな夏の体調管理。

 

今回は「夏の常備薬 一覧」と題して、夏バテ、胃腸不調、頭痛や熱中症対策に役立つ市販薬を症状別にまとめました。

 

忙しいお父さんも、家族思いの主婦(夫)も、これさえあれば「いざ」という時に慌てずに済む、頼りになる薬リストです。

薬剤師ライター クロロボ

第1章|夏に多い体調不良と家庭で備える薬の基本

夏に多い体調不良を整理

夏は高温多湿や冷房、食生活の乱れなど、体にとって負担の多い季節です。

特に以下の4つは発症頻度が高く、家庭での備えが重要です。

夏バテ

夏バテ

連日の暑さで自律神経が乱れ、体温調節や消化機能が低下。
食欲不振やだるさ、集中力低下が続きます。
冷たい飲み物や冷房の使いすぎも原因になります。

胃腸不調

胃腸不調

そうめんやアイスなど冷たい食品の摂りすぎで胃腸が冷え、胃酸や消化酵素の分泌が低下。
結果として消化不良や胃もたれ、下痢が起こりやすくなります。
加えて、夏は食中毒のリスクも高まります。

熱中症

熱中症

汗によって水分や塩分が失われ、体温調節が機能不全に陥る状態。
軽いめまいや立ちくらみから、意識障害など命に関わる症状まであります。
室内でも発症します。

頭痛

頭痛

熱中症や脱水が原因となるほか、冷房による血行不良や片頭痛の誘発もあります。

 

こうした症状は、日常生活の中で突然起こることも多く、「症状が出たときにすぐ使える薬」を手元に置いておくことが重要です。

 

まずはこの5つをそろえる

上記の不調に幅広く対応できるのが、次の5つです。

役割と合わせて覚えておくと、選び間違いを防げます。

 

1. 胃腸薬(消化酵素補充/胃酸抑制)

消化不良や胃もたれに。
夏バテで食欲が落ちたときにも活躍します。

2. 整腸剤・下痢止め(乳酸菌・ビフィズス菌/ロペラミドなど)

腸内環境を整え、下痢や便秘の改善に。
下痢止めは軽度〜中程度の下痢に限定し、食中毒疑いでは使用を避けます。

3. 解熱鎮痛薬(アセトアミノフェン/ロキソプロフェン)

発熱や頭痛、関節痛に。
成分の特性を理解し、持病や年齢に合うものを選びます。

4. 経口補水液(ナトリウム・カリウム配合)

脱水症状の改善に必須。
熱中症や下痢・発熱時にも有効です。

5. 冷却ジェルシート

発熱や熱中症時の補助冷却に便利。
特に小児や高齢者の体温管理に役立ちます。

基本の5つをそろえておけば、大抵の体調不良に落ち着いて対応できますね。

第2章|症状別おすすめ市販薬リスト【胃腸・下痢・夏バテ編】

胃腸不調対策:消化薬・胃酸を抑える薬・整腸剤

夏場の胃腸不調は、冷たい飲食や脂っこい料理、暴飲暴食が引き金になります。

症状や原因に応じて薬を選ぶと、回復が早まります。

 

消化薬(消化酵素補充タイプ)

胃や腸の消化力をサポート。脂っこい食事や肉類の消化不良に役立ちます。

製品例:第一三共胃腸薬プラス細粒

 

胃酸抑制薬(H₂ブロッカー)

胸やけや胃酸過多による胃のムカつきを和らげます。

製品例:ガスター10 S錠

 

整腸剤

乳酸菌やビフィズス菌で腸内環境を改善。軟便や便秘の両方に対応できます。

製品例:ビオスリーHi錠

整腸剤は下痢にも便秘にも対応できるので、常備しておくと安心ですよ。

 

下痢対策:ロペラミドと整腸剤の使い分け

夏は水や食べ物による下痢が増えますが、原因や症状によって対応を変えることが大切です。

ロペラミド(止瀉薬)

腸の動きを抑えて水分吸収を促し、下痢を止めます。旅行や外出先での急な下痢に有効です。
ただし、高熱や血便、激しい腹痛を伴う場合は食中毒の可能性があるため使用しません体内の原因菌を排出する必要があるからです。

製品例:トメダインコーワフィルム

 

整腸剤

乳酸菌やビフィズス菌を補い、腸内環境を整えることで回復を促します。感染性胃腸炎や食中毒の下痢など下痢を無理に止めない方がよい場合にも使えるのが特徴です。

製品例:ビオスリーHi錠

夏バテ対策:ビタミンB群・アミノ酸製剤・漢方薬

夏バテは栄養不足や自律神経の乱れが背景にあります。

薬やサプリを上手く使うことで、体調の立て直しがしやすくなります。

ビタミンB群製剤

糖や脂質をエネルギーに変える働きを助け、だるさや疲労感の軽減に役立ちます。

製品例:アリナミンEXプラス

 

アミノ酸製剤

BCAA(分岐鎖アミノ酸)を中心に必須アミノ酸を配合し、筋肉疲労の回復や持久力維持に役立ちます。

製品例:「アミノバイタル クエン酸チャージ」ウォーター

 

漢方薬(補中益気湯)

体力低下や食欲不振に。自然な作用で体全体のバランスを整えます。

製品例:ツムラ漢方補中益気湯エキス顆粒

第3章|症状別おすすめ市販薬リスト【熱中症・頭痛・発熱編】

熱中症対策:経口補水液・塩分タブレット・清涼飲料水の注意点

熱中症は、体温調節が追いつかず体内の水分と電解質が不足した状態です。

軽症のうちに適切な補水と塩分補給を行うことで、重症化を防げます。

 

経口補水液

ナトリウムやカリウムなどの電解質を含み、効率的な水分補給が可能です。脱水症状の改善に有効で、発熱や下痢時にも使えます。

製品例:アクエリアス 経口補水液 ORS

 

塩分タブレット

外出時や運動中の塩分補給に便利です。経口補水液より軽度の水分・塩分補給向け。ただし塩分だけでは補水にならないため、必ず水と一緒に摂取しましょう。

製品例:塩分チャージタブレッツ

 

清涼飲料水の注意点

スポーツドリンクは糖分が多いため、運動直後のエネルギー補給には適していますが、普段の水分補給には不向きです。

日常の補水目的では糖分控えめタイプを選び、脱水症状がある場合は経口補水液を優先しましょう。

なるほど!運動後と普段の水分補給で、ちゃんと飲み分けたほうがいいんだね〜

 

頭痛・発熱:アセトアミノフェンとロキソプロフェンの使い分け

夏の頭痛や発熱は、熱中症や感染症が原因のこともあります。

解熱鎮痛薬は成分によって向き不向きがあるため、状況に応じて選びます。

 

アセトアミノフェン

胃への負担が少なく、子どもや高齢者、持病のある方にも使いやすい成分です。

製品例:タイレノールA

 

ロキソプロフェン

鎮痛・解熱効果が高く、頭痛や関節痛など幅広く対応できます。胃に負担をかけやすいため、空腹時の服用は避けます。

製品例:ロキソニンS

 

小児用解熱剤の形状(坐薬・顆粒)のメリット・デメリット

子どもの発熱時には、体調や状況に応じて形状を選ぶと安心です。

坐薬

胃腸が弱っている時や吐き気がある時に有効。夜間や寝ている間でも使いやすい反面、使用を嫌がる子もいます。

製品例:こどもパブロン坐薬

 

顆粒(粉薬)

飲みやすく即効性があります。水やジュースに溶かして服用できるため、使いやすい形状です。甘味料や香料が苦手な子には工夫が必要です。

製品例:ムヒのこども解熱鎮痛顆粒

 

服用タイミングと水分補給の関係

解熱鎮痛薬は、発熱や頭痛がつらくなり始めた時点での服用が効果的です。

ただし、脱水状態では薬の吸収や体調回復が遅れるため、必ず先に水分・電解質補給を行うことが大切です。

服用後も定期的に水分をとり、体温の管理を続けましょう。

まとめ : 5つのポイントを押さえれば夏は乗り切れる!

・夏の不調は4パターン:夏バテ・胃腸不調・熱中症・頭痛/発熱
・常備すべき薬は5種類以上:胃腸薬・整腸剤・下痢止め・解熱鎮痛薬・経口補水液(+冷却グッズ)
・下痢対策は使い分け:食中毒時は整腸剤、急な下痢はロペラミド
・熱中症予防は補水が最優先:経口補水液や塩分タブレットで電解質も補給
・解熱鎮痛薬は成分で選ぶ:アセトアミノフェンは胃に優しい/ロキソプロフェンは効果が高いが胃負担あり

 

夏の常備薬は「使う場面がはっきりしているもの」だけを選んでおくのがポイントです。

種類が多すぎると管理が面倒になり、期限切れも増えます。

今回のリストをそろえておけば、軽度の不調にはすぐ対応できますし、必要に応じて医療機関に行く判断も早くなります。

準備は面倒でも、“備えがある安心感”は夏を快適に過ごす最大の武器になります。

 

【参考情報】
この記事の作成にあたり、以下の公式情報を参考にしています。
ご自身での確認や商品選びの際にご活用ください。
◆ メーカー公式製品情報(医薬品・サプリメント含む)
第一三共ヘルスケア|第一三共胃腸薬プラス細粒
アリナミン製薬|ビオスリーHi錠
興和株式会社|トメダインコーワフィルム
大塚製薬|OS-1(経口補水液)
第一三共ヘルスケア|ロキソニンS