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お薬コラム
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更新日:2022/04/28
〈点眼薬〉花粉症による目の痒み

花粉の季節、鼻水、くしゃみ症状の他、意外に辛い症状といえば「目の痒み」ですよね。
軽度の目の痒みを感じ、目薬を購入しようとドラッグストアにいってみると、並んでいる目薬の多さに驚いてしまった。そんな方も多いのではないでしょうか?

今回は花粉の症状の中でも「目の痒み」に使える目薬を解説します

 

・花粉の時季になると、目の痒みを感じる
・目の痒みだけで病院は受診したくない
・仕事が忙しいので市販薬で様子をみたい

 

上記のような方は、この記事を読んでいただければ、ドラッグストアに並んでいる市販点眼薬の使い方の違いがわかります。病院に受診したほうがよい症状なども記載していますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター 中森 彩斗

花粉症の目の痒みはなぜ起きる?メカニズムを解説

花粉症で目の症状が出る原因や、病院に受診するべきタイミングを解説します。

「目が痒くなる」「涙が出る」などの症状は、花粉が目に入ることが原因です。目に異物が入ったことにより、異物を体の外に出そうとする免疫反応といえるでしょう。正常な免疫反応であれば、異物を外に出すことで症状はおさまります。ですが、花粉症は、免疫反応が過剰に続いてしまっている状態です。

免疫反応において、花粉などの抗原と反応した肥満細胞から多くの化学物質が放出されます。その中でも、特に重要な成分がヒスタミンという物質です。ヒスタミン本来の働きは、免疫を活性化させたり、血管を拡張させたりすることで、必要な場所で免疫反応を起こす役割があります。

ヒスタミンが過剰に存在することで、さまざまな症状に繋がるのです。
・目の痒み
・充血
・まぶたのむくみ

目の症状で注意したいのは、目の痛みが強い場合です。花粉などの異物によって目の表面に傷が付くことがあります。傷ができている場合は、市販薬での対処は難しいです。眼科に受診をしてくださいね。

花粉症に効果がある市販点眼薬の有効成分は?オススメ製品は?

花粉症の目の痒みなどの症状が起こるメカニズムを解説しました。続いて、目の痒みに使用される市販点眼薬の有効成分の特徴を解説します。成分によって「痒みの程度」「使い始める時期」が変わってきます。症状、時期で目薬を選ぶことで、効果を実感できるのです。ぜひ自分の状況と照らし合わせて、読んでいってくださいね。

抗アレルギー成分:クロモグリク酸ナトリウム

抗アレルギー成分とは、花粉などによって引き起こされるヒスタミンなどの化学物質の放出を抑制し、アレルギー反応を抑えてくれる成分です。その中でもクロモグリク酸は比較的多くの製品に使用されています。
市販点眼薬ではクロモグリク酸ナトリウムは単剤で使用されることはなく、即効性のある抗ヒスタミン成分と一緒に配合されることが多いです。そのため、製品として即効性を期待できるのが特徴です。

 

ロートアルガードクリアブロックZ

抗アレルギー成分クロモグリク酸ナトリウムの他、抗ヒスタミン成分、抗炎症成分を配合し、花粉症で辛い目の痒みに効果を発揮します。アルガードシリーズの中でも、最も効果が高い製品の一つです。

マリンアイALG

抗アレルギー成分クロモグリク酸ナトリウムが花粉などによる目の痒みを鎮めます。さらに、抗ヒスタミン成分、抗炎症成分が配合されており、目の痒み、充血に効果を発揮します。

抗アレルギー成分:ペミロラスト、アシタザノラスト

抗アレルギー成分の中でも、目の痒みがひどくなる前になんとかしたい方におすすめしたいのが「ペミロラスト」「アシタザノラスト」を配合する目薬です。
・花粉が飛び始めたとき
・少し目の痒みを感じたとき
早めに使用することでアレルギー症状を抑えることができます。

 

ノアールPガード点眼液(ペミロラスト):1日2回タイプ
アレジフェンス(アシタザノラスト):1日4回タイプ

 

今回紹介した2種類の目薬に関しては、花粉の飛散開始1~2週間前から使用すると効果的と案内されています。

抗ヒスタミン成分:クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミン

抗ヒスタミン成分は、放出されたヒスタミンによって引き起こされる症状をおさえる効果をもっています。すでに目の痒みなどがひどい方におすすめの成分です。症状が強い方は、抗ヒスタミン成分が配合された目薬を選んでみましょう。
緑内障の治療をしている方は注意が必要です。現在眼科で治療さている方や過去に診断をされたことがある方は、かかりつけの眼科医へ相談するか、薬局やドラッグストアで薬剤師や登録販売者に相談をしてから購入をしてください。

 

エージーアイズアレルカット

抗ヒスタミン成分クロルフェニラミンの他、抗アレルギー成分、抗炎症成分を配合し、花粉症による目の痒み、炎症を鎮めます。また、クールなさし心地、しみないソフトなさし心地、うるおうさし心地など、好みにより選べる3タイプがあります。

ストナリニAG

抗ヒスタミン成分ジフェンヒドラミンを配合し、目の痒みを鎮めます。血管収縮成分ナファゾリンや抗炎症成分グリチルリチンが充血、炎症に効果を発揮します。

花粉症の点眼薬に含まれる他の有効成分は?

花粉症の目薬には抗アレルギー成分、抗ヒスタミン成分以外にも多数の有効成分が含まれています。使用感に大きく影響する成分や、目を保護する成分があり、選ぶ上では重要な要素です。それぞれの有効成分を紹介します。

清涼成分:l-メントール、dl-カンフル、d-ボルネオ―ル

清涼成分であるl-メントールなどが配合されている目薬は、点眼時の使用感に大きな影響を与えます。効能としては痒みを抑える効果も期待できる成分です。ですが「ひんやり」「すっきり」感が苦手な方は、配合されていない目薬を選んでくださいね。
添加物として記載されていることが多いので、しっかりと添加物の欄もチェックしてみましょう。

角膜保護成分:コンドロイチン硫酸ナトリウム

コンドロイチン硫酸ナトリウムは角膜保護成分として、角膜や結膜の乾燥を防いでくれる成分です。乾燥が気になる方は、コンドロイチン硫酸ナトリウムを含む目薬をこまめに使用するとよいでしょう。1日に使用できる回数が多いタイプを選んでくださいね。

コンタクトをしたままの点眼は?

コンタクトを使用している方も多いですよね。花粉症用目薬の多くはコンタクトに使用できない物が多く、購入前にコンタクトに使用できるのかチェックが必要です。
「コンタクト」といっても、ソフトコンタクト、ハードコンタクト、カラーコンタクトが存在します。目薬によってハードコンタクトのみ使用できる、ハード・ソフトに使用できるなど違いがあります。

 

ハードコンタクトのみ使用できる目薬:ロートアルガード、ロートアルガードs
ソフト・ハードコンタクトに使用できる目薬:ロートアルガードコンタクトa

また、コンタクトを使用している方は、花粉によって目の異物感が強くなったり、コンタクトが外れやすくなったりします。花粉症の症状がひどい方は、花粉の飛ぶ時期に合わせてメガネに変えることも検討してみてくださいね。
コンタクトをしたまま使用できる市販点眼薬については、こちらのコラムもご参照ください。

まとめ

花粉症の目の痒みに対する目薬を解説しました。自分の症状、時期で目薬を選ぶことが、効果を実感しやすく、重要なポイントです。また、薬だけでなく、目に花粉の侵入を防いでくれるメガネや、痒みがひどいときに目を冷やすなどの対策も試し見ることもオススメします。

・目の痛みが強い
・市販薬を使用しても、2週間以上症状が良くならない
・目の中に異物感があるような違和感がつづく
・まぶたや目の周囲が赤くなっている
・目やにがひどい

目の痛み以外にも、上記のような症状がある場合は、病院で医師に相談することをおすすめします。この記事が、花粉症の目の痒みに悩む方の参考になれば幸いです。

 

<参考資料>
ロート アルガード クリアブロックZ – 目薬・花粉 | ロート製薬: 商品情報サイト
花粉症・目の痒みにはアレルギー専用眼科薬「マリンアイALG …
痒みに効く!アレルギー専用目薬「ノアールPガード点眼液 …
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