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お薬コラム
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更新日:2022/03/12
市販のロキソニンって色々あるけど違いは?処方薬とどう違う?

ロキソニンは、解熱鎮痛薬のなかでもっとも名前が広く知られているものと言っても過言ではありません。医療用として処方されるロキソニン以外に、現在は市販でもいくつか販売されています。

 

なかでもメジャーなのが、第一三共ヘルスケアから販売されているロキソニンSのシリーズです。しかし、ロキソニンSのシリーズは種類が多いため違いや特徴がわかりづらく、どれを選んだらよいのか迷っている方も多いのではないでしょうか。

 

そこで今回は、ロキソニンSシリーズの違いや特徴を詳しく解説します。処方薬との違いも紹介しているのでこちらも参考にしてみてください。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター 岡本 妃香里

処方薬のロキソニンと市販のロキソニンSの違い

病院で貰えるロキソニンと、市販で購入できるロキソニンSに大きな違いはありません。

配合されている成分の種類も量もまったく同じです。そのため、効果に差はないと考えられます。しいていえば、添加物の種類や市販のロキソニンSには割線が入っていないことが違う点です。

処方薬のロキソニン
(ロキソニン錠60mg)
市販のロキソニン
成分名 ロキソプロフェンナトリウム水和物 ロキソプロフェンナトリウム水和物
成分量 68.1mg
(無水物として60mg)
68.1mg
(無水物として60mg)
添加物 低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、三二酸鉄、乳糖水和物、ステアリン酸マグネシウム ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、乳糖水和物、三二酸化鉄
割線 あり なし

市販のロキソニンSシリーズの違いは?

市販のロキソニンSシリーズには、現在4つの種類があります。種類によって配合されている成分の種類や特徴が異なるため、購入するときは自分に合ったものを選ぶことが大切です。

ロキソニンS

ロキソニンSのシリーズのなかでもっともメジャーなのが、ロキソニンSでしょう。主成分であるロキソプロフェンナトリウム水和物のみが配合されています。眠くなる成分は配合されていません。処方薬のロキソニンを問題なく使っていた方であれば、ロキソニンSで問題ないと考えられます。

ロキソニンSプラス

ロキソニンSプラスは、主成分のロキソプロフェンナトリウム水和物に加え、胃を守る成分である酸化マグネシウムが配合された商品です。効果はロキソニンSと変わりませんが、胃の負担が軽減されています。眠くなる成分は配合されていません。胃が弱い方や調子が悪い方は、ロキソニンSプラスを選ぶとよいでしょう。

ロキソニンSプレミアム

ロキソニンSプレミアムは、主成分のロキソプロフェンナトリウム水和物、鎮痛効果を高めるアリルイソプロピルアセチル尿素と無水カフェイン、胃を守るメタケイ酸アルミン酸マグネシウムが配合された商品ですできるだけ効果が高いものをお探しの方向けの商品です。ただし、眠気が出やすい成分、アリルイソプロピルアセチル尿素が配合されているため、服用後は車の運転などは、出来ませんのでご注意ください。

ロキソニンSクイック

ロキソニンSクイックは、主成分のロキソプロフェンナトリウム水和物と胃を守るメタケイ酸アルミン酸マグネシウムが配合された商品です。錠剤が素早く崩壊する設計になっているので、速効性が期待できます。眠くなる成分は配合されていません。症状を1秒でも早く楽にしたい方はロキソニンSクイックを選ぶとよいでしょう。

ロキソニンSシリーズの違いまとめ
製品名 配合成分 眠気
ロキソニンS ・ロキソプロフェンナトリウム水和物 出ない
ロキソニンSプラス ・ロキソプロフェンナトリウム水和物
・酸化マグネシウム
出ない
ロキソニンSプレミアム ・ロキソプロフェンナトリウム水和物
・アリルイソプロピルアセチル尿素
・無水カフェイン
・メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
出やすい
ロキソニンSクイック ・ロキソプロフェンナトリウム水和物
・メタケイ酸アルミン酸マグネシウム
出ない

有効成分ロキソプロフェンを含む製品は他のメーカーからも多数販売されている

市販ではロキソニンSシリーズが有名ですが、別のメーカーからもロキソプロフェンを主成分として含む商品がいくつか販売されています。

 

ロキソプロフェンT液

大正製薬から販売されている液体タイプの商品です。水なしでそのまま服用できます。1回分ずつ持ち運べるので、場所を選ばずさっと服用することが可能です。

コルゲンコーワ鎮痛解熱LXα

興和から販売されている商品です。主成分のロキソプロフェンナトリウム水和物に加えてトラネキサム酸が配合されています。トラネキサム酸には炎症を抑える働きがある成分です。のどの痛みが強い場合に向いている商品だといえます。

ロキソプロフェン錠「クニヒロ」

ロキソニンSと同じく、ロキソプロフェンナトリウム水和物のみが配合された商品です。皇漢堂から販売されています。ロキソニンSと成分がまったく同じであるにもかかわらず、ショップによっては3分の1程度の値段で販売されていることが特徴です。

結局どれを選べばいい?薬剤師のオススメは?

ロキソプロフェンナトリウム水和物を含有した商品はいくつかありますが、とくにこだわりがなければロキソニンSを選んでおけば問題ないでしょう。ロキソニンSは、ロキソプロフェンナトリウム水和物のみが配合された単剤なので眠気が出ません。

より効果が高いとされるロキソニンSプレミアムもありますが、鎮痛効果を高める目的で配合されているアリルイソプロピルアセチル尿素は、使い方を間違うと依存する可能性もある成分です。また、効果に何倍もの有意な差があるわけではないにもかかわらず、価格はロキソニンSの2倍ほどします。

医療機関でもロキソニンSと同等のものが問題なく使用されていることから、むやみにいろいろと配合されている商品を選ぶ必要はないでしょう。

まとめ

市販のロキソニンのなかでとくに知名度が高いのがロキソニンSのシリーズです。医療用とまったく同じ処方のロキソニンS、胃を守る成分が配合されたロキソニンSプラス、鎮痛効果が高いロキソニンSプレミアム、速効性が期待できるロキソニンSクイックの4種類があります。それぞれ特徴があるので、目的や症状に合わせて選ぶようにしましょう。

どれを購入するべきか迷っている方は、処方薬とまったく同じ内容になっているロキソニンSを選んでみてください。眠くなる成分が配合されておらず使いやすい商品です。ロキソニンSシリーズ以外にもロキソプロフェンナトリウム水和物含有の商品は多くあります。特徴や目的に合わせて自分にぴったりのものを選びましょう。