bannerbanner sp
お薬コラム
Medication Column List
画像
更新日:2022/11/18
医薬品ののど飴にはどんな効果がある?選び方のポイントとおすすめ製品を紹介

喉に痛みや違和感があるとき、のど飴を使って紛らわせる人も多いと思いますが、のど飴には医薬品に分類されるものもあるということをご存知でしょうか。

医薬品ののど飴は、厚労省の認めた有効成分が含まれることで、喉の痛みや違和感以外にも、咳や痰に対して効果を示すものも多く存在します。

 

「医薬品って言われても所詮(しょせん)飴でしょ?」「トローチとはどう違うの?」「結局どうやって選んだらいいの?味は関係ある?」

 

今回はこういった医薬品ののど飴に対する疑問にお答えするべく、医薬品ののど飴の基本的な知識や代表的な有効成分、選び方のポイントを踏まえたおすすめの製品まで、幅広くお伝えさせていただきます。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター ひまわりうさぎ

医薬品の「のど飴」とは?

のどに何らかの作用がある飴をまとめて「のど飴」と呼びます。
そのため、のど飴にははっきりとした定義がなく、医薬品から、指定医薬部外品、清涼感や味を楽しむ食品まで、さまざまな種類のものが販売されています。
その中でも、医薬品ののど飴は、主に病気の治療や予防を目的とし、厚生労働省の厳格な審査の元、効果・効能が確認された有効成分が含まれています。
使用にあたっては定められた用法・用量をしっかり守る必要があるため「飴」と名前がついてはいますが、食品の飴のように、適当に舐めてはいけません。
また、副作用や体質による使用可否を確認するため、薬剤師や登録販売者でないと販売できないようになっているのも大きな特徴の一つです。
中に含まれる有効成分により、咳や痰を抑える作用や、殺菌消毒作用、また喉の炎症を抑える作用などが期待されます。

「のど飴」と「トローチ」の違いは?

のど飴を探す際、同じような分類でトローチというものも見かけますよね。
これらはどう違うの?と疑問に思われる方も多いでしょう。
実は医薬品や医薬部外品の、のど飴とトローチでは、含まれる有効成分や効果、使い方に関しては違いはありません。
それに「飴」とつくことで、のど飴の方が甘くてカロリーが高いとも思われますが、そうとも限らず、トローチの方ものど飴と同様に、ブドウ糖などが添加物として含まれています。
それでは、この二つの違いは何なのでしょう?
それは「医学的な有効成分が必ず含まれているかどうか」と言うことができます。
先ほどもお伝えした通り、のど飴は医薬品や指定医薬部外品以外に食品も含まれる総称ですが、トローチは医薬品の「トローチ剤」という剤形を示しているため、医学的な有効成分を含むものしか付けることのできない呼び名です。
そのため、食品はトローチと名乗ることができません。
医薬品や医薬部外品の中から喉の腫れや咳に効果のあるものを探す際は、のど飴、トローチにこだわらず購入して問題ありませんよ。

医薬品の「のど飴」に含まれる有効成分は?

医薬品ののど飴に含まれている代表的な有効成分をご紹介させていただきます。

<咳止め成分>
・dl-メチルエフェドリン塩酸塩
気管支を広げ、咳を出しにくくする作用があります。
ただ、それと同時に血圧上昇や、不整脈などの副作用が出る可能性もあるため、甲状腺機能亢進症、高血圧症、心臓病、糖尿病の人が使う際は、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
妊婦の方や授乳中の方もなるべく服用を避けた方がいい成分にはなりますので、使用する前に必ず医師・薬剤師に確認しましょう。

<殺菌消毒成分>
・セチルピリジニウム塩化物水和物
口の中やのどの粘膜で細菌の増殖を抑える働きをします。
のどや口の中の殺菌を目的として、のど飴、うがい薬、歯磨き剤などの医薬品・医薬部外品で用いられることの多い成分です。

<痰切り成分>
・クレゾールスルホン酸カリウム、グアヤコールスルホン酸カリウム
気道粘膜の分泌液を促すことで、痰を体の外に出しやすくする成分です。

<抗炎症成分>
・アズレンスルホン酸ナトリウム水和物、グリチルリチン酸二カリウム
のどの痛みや腫れを引き起こしている炎症を抑える働きがあります。

<生薬成分>
・キキョウ根エキス咳を抑え、痰を切りやすくし、喉の腫れや痛みを抑えます。
・トコンエキス:気道粘液分泌を促進し、痰を切りやすくします。
・マオウエキス:dl-メチルエフェドリン塩酸塩と構造が似ており、気管支を拡げ、咳を出しにくくする作用があります。
・ニンジンエキス胃腸症状や呼吸器症状を落ち着かせる作用があります。
・南天実乾燥エキス:実に含まれるoーメチルドメスチシンという成分が、せきを鎮める効果、殺菌作用、鎮痛作用を併せ持つことにより、菌による気道の炎症を抑え、のどの痛みを和らげます。

医薬品の「のど飴」の選び方のポイント

①咳や痰、喉の炎症など、症状で選ぶ

「飴」と聞くと、つい味やフレーバーで選びたくなりますが、医薬品ですので基本的には「症状」で選びましょう。
現在自分はどういった症状で困っているのか、それを第一に考え、味やフレーバーはその次の段階で選択するようにしましょう。

②用法・用量で選ぶ

医薬品ののど飴の特徴として、1日の服用回数や1回の服用量が多めに設定されている傾向があります。
1日の服用回数は多いもので6回のものもありますので、「1日の服用回数が多いと大変」と思われる方は、服用回数が少なめの製品から選ぶことをおすすめします。
また、1回の服用量について、1回2〜3錠を服用するように設定されている製品は、一気にその錠数を舐めるのではなく、1錠ずつ口の中に入れ、溶け終わってから次の錠剤を入れる必要があります。
そのため「1回あたりの錠数が多いと、続けていくつも服用するのは面倒だし、何錠飲んだか分からなくなる」という方は、1回あたりの錠数が少ない製品から選びましょう。

③味・フレーバーで選ぶ

症状や用法・用量で製品を絞ったら、最後に味やフレーバーで好みの製品を決めましょう。
「飴」とつくだけあり、どの製品もさまざまなフレーバーを用意していることが多いです。
フレーバーによって作用に違いはないため、好みのものを選びましょう。

おすすめの医薬品の「のど飴」(トローチを含む)5選

1回の服用量が少なめで、咳・痰にお悩みの人におすすめ
浅田飴せきどめ

有効成分:dl -メチルエフェドリン塩酸塩、クレゾールスルホン酸カリウム、セチルピリジニウム塩化物水和物

用法・用量

年齢 1回量 1日服用回数
 11歳以上 2錠 6回
 5歳以上11歳未満 1錠
 5歳未満 服用しない

フレーバー:オレンジ(缶、個包装)、レモン(缶、個包装)、青リンゴ、サイダー
特徴:咳止め成分、痰切り成分、殺菌消毒成分が含まれています。
缶に入ったタイプにはオレンジ、レモン味がありますが、1日量の6錠×4袋の個包装になったものはオレンジ、レモンの他に青リンゴ、サイダー味もあります。
シュガーレスで1粒約4kcalのため、糖分が気になる方にもおすすめの製品です。

全製品検索はこちらをクリック

ヴイックス メディカル トローチ

有効成分:dl-メチルエフェドリン塩酸塩、グアヤコールスルホン酸カリウム、セチルピリジニウム塩化物水和物

用法・用量

年齢 1回量 1日服用回数
 8歳以上 1錠 6回
 8歳未満 服用しない

フレーバー:抹茶風味
特徴:咳、のどの痛みに効果があります。
8歳からの使用で、フレーバーも抹茶風味に限られますが、他ののど飴が1回あたり2錠や3錠使用しないといけないのに対し、こちらの製品は1回量が1錠だけで良いという特徴があります。

1日服用回数が少なめで、咳・痰にお悩みの人におすすめ
固形浅田飴

有効成分:キキョウ根エキス、トコンエキス、マオウエキス、ニンジンエキス

用法・用量

年齢 1回量 1日服用回数
 成人(15歳以上) 2〜3錠 3回
 8歳以上15歳未満 2錠
 5歳以上8歳未満 1錠
 5歳未満 服用しない

フレーバー:クール、ニッキ、パッション
特徴:咳や痰、のどの腫れに、生薬成分のみが配合された製品です。
3種類のフレーバーがありますが、どれもメントールが含まれており、爽やかな味わいです。

1日服用回数が少なめで、咳・のどのハレにお悩みの人におすすめ
南天のど飴

有効成分:南天実乾燥エキス

用法・用量

年齢 1回量 1日服用回数
 成人(15歳以上) 3錠 3回
 8歳以上15歳未満 2錠
 5歳以上8歳未満 1錠
 5歳未満 服用しない

フレーバー:黒糖シナモン風味(缶、スティク内包、パウチ)、はちみつ梅風味(缶、パウチ)、はちみつゆず風味(パウチ)、はちみつぶどう風味(パウチ)
特徴:昭和43年から販売されているロングセラー製品。
2022年8月よりキティちゃんとコラボしたパッケージも販売されています。
1粒あたりのカロリーは約7kcal、成人1日量で63kcalになるため、厳格な糖分管理などをしている方は注意する必要があるでしょう。

全製品検索はこちらをクリック

強い喉の痛みにお悩みの人におすすめ
浅田飴アズレンCPCドロップ

有効成分:アズレンスルホン酸ナトリウム水和物、グリチルリチン酸二カリウム、セチルピリジニウム塩化物水和物

用法・用量

年齢 1回量 1日服用回数
 成人(15歳以上) 2錠 4〜6回
 5歳以上15歳未満 2錠 2〜3回
 5歳未満 服用しない

フレーバー:ぶどう
特徴:抗炎症作用のある成分を2種類配合しているのど飴であるため、のどの腫れや痛みがひどい場合におすすめです。
咳止め成分が配合されていないため、基本的に他の咳止めや風邪薬と一緒に服用しても問題ありません。

医薬品ののど飴を使用するときの注意

<用法・用量を守る>
医薬品ののど飴は「飴」と名前が付くことで、ついついお菓子感覚で使用する人がいますが、口寂しい時に舐めるなどといった適当な服用の仕方をしていると、有効成分が過剰に入り、予期せぬ副作用などが出てくる可能性があります。
れっきとした医薬品ですので、必ず用法・用量を守って使用しましょう。

<風邪薬との併用はNGな場合が多い>
医薬品ののど飴に含まれていることが多い「dl -メチルエフェドリン塩酸塩」は、のど飴以外にも風邪薬や咳止めといった薬で含まれていることが多い成分です(同様の作用を示す成分も含む)。
dl -メチルエフェドリン塩酸塩は交感神経を刺激する作用があり、過剰に服用することで、血圧や血糖値を上昇させたり、心臓に負担がかかったりする可能性があります。
そのため、成分重複を避けるためにも、dl -メチルエフェドリン塩酸塩の含まれる製品を服用中は風邪薬などの併用はしないようにしましょう。
また、南天実乾燥エキス含有の製品はdl -メチルエフェドリン塩酸塩と似た作用を示す以外にも、抗ヒスタミン作用を示すと言われているため、風邪薬や咳止め以外にも、花粉症の薬や乗り物酔いの薬なども併用しないよう注意が必要です。
併用している薬がある人は、購入時に薬剤師や登録販売者に相談するようにしましょう。

<5〜6回服用しても効果がみられない場合は病院へ>
残念ながら、医薬品ののど飴を飲んでいれば全ての咳や喉の痛みを抑えられるわけではありません。
咳にはさまざまな原因が隠されていますので、医薬品ののど飴を5〜6回使用しても、効果が感じられない、もしくは症状がどんどん悪化してくるようであれば、必ず医療機関を受診するようにしましょう。

まとめ

医薬品ののど飴について、基本的な知識から、代表的な有効成分、選び方のポイントを踏まえたおすすめ製品、使用時の注意点と、幅広くお伝えさせていただきました。
医薬品ののど飴は指定医薬部外品や食品ののど飴と違い、使用にあたって併用薬や体質など、注意する事項が多くなっています。
しかし、それと同時に、医薬品でありながらも、フレーバーが数多く揃えてあるという特徴もあります。
購入時は必ず薬剤師や登録販売者に確認を取り、正しい用法で使用するように気をつければ、味覚で楽しみつつ症状を抑えられるのが医薬品ののど飴の強みであると言えるしょう。
このコラムが医薬品ののど飴をお探しのあなたにとって、お役に立てれば幸いです。