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お薬コラム
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更新日:2022/10/06
医療用の咳止めメジコン錠15mgは、市販で購入できる?

病院で「メジコン」という薬を処方されたことはありますか?

メジコンは、子どもから大人まで使われているせき止めで、市販薬としても購入可能です。今回は、「メジコン」の使い方や注意点について解説します。

監修薬剤師 ハラクロ
薬剤師ライター 中山 歩実

購入可能な市販薬とは?

医療用の「メジコン錠15mg」と全く同じ成分の市販薬として、「メジコンせき止め錠Pro」があります。

 

メジコンせき止め錠Pro

医療用のメジコン錠と同成分・同量の薬です。シンプルにせき止め成分だけが含まれています。1つの成分しか含まれていない薬では心もとないと感じられる方もいるかもしれませんが、不必要な薬を摂取せずにすみ、余計な副作用を生じる心配がないというのが利点です。15歳以上の方向けの薬ですので、14歳までのお子さまには使用できません。

医療用医薬品としての基本情報

医療用医薬品のメジコンについて、効果や注意事項をご紹介します。

メジコン錠15mgの主成分とは?

主成分は、デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(以下、デキストロメトルファン)で、「非麻薬性」のせき止めに分類されます。
せき止め成分としては、麻薬性の「コデイン」が有名ですが、デキストロメトルファンもせき止め効果は同等です。コデインよりも便秘や吐き気、依存性といった副作用が少なく、比較的安全に使用できるといえます。

メジコン錠15mgの効能は?

風邪や気管支炎、肺炎などによる咳症状に効果を示します。

メジコン錠15mgの使い方

通常、成人は1回15〜30mg(1〜2錠)を1日1〜4回、年齢や症状に応じて調整します。
もし飲み忘れてしまった場合、次の服用時間まで間があるとき(目安として4時間以上)は、気がついたときに服用しましょう。次の服用時間が近いときは、それまで服用を待ってください。副作用が強く出てしまうことがあるため、1度に2回分飲んではいけません。

メジコン錠15mgの医療用医薬品の種類

デキストロメトルファンが主成分の医療用医薬品には、錠剤・粉薬のほか、去痰効果(痰を出しやすくする効果)のある成分を配合したシロップがあります。

錠剤と粉薬は、基本的に同じ使い方です。メジコンの錠剤は小さいので、咳でのどが痛いときでも比較的飲みやすいですが、錠剤が苦手な方などは粉薬を試してみてください。

メジコン配合シロップは、生後3ヶ月の子どもから使用可能です。薄い黄褐色のシロップで、少し甘みはついていますが苦味もあり、嫌がるお子さまもいます。飲ませ方に困った際は、薬剤師などに相談してください。
メジコン配合シロップに含まれている去痰成分(クレゾールスルホン酸カリウム)は、痰をサラサラにして出しやすくなる作用があります。それほど強い作用ではないので、去痰作用のある別のシロップが一緒に処方されることも少なくありません。

メジコンの注意点

医療用医薬品として広く使用されているメジコンですが、服用にはいくつか注意点があります。服用に注意したい人、副作用についてご紹介します。

代表的な副作用は便秘

メジコンは、副作用で便秘になりやすい薬です。
そのため、元々便秘がちな人や、便秘の副作用を起こしやすい薬をすでに飲んでいる方などは、便秘が悪化してしまう可能性があります。
食物繊維を多くとる、水分をしっかりとるなど気をつけたり、下剤で調整したりと対策をとりましょう。

妊婦・授乳婦の方

メジコンは、妊婦・授乳婦の方も比較的安全に使えるせき止めです。胎盤や母乳を通じて赤ちゃんに入ってしまう成分の量はごくわずかで、あまり影響がないとされています。
ですが、妊婦さんは腸が圧迫されて便秘になりやすいため、メジコンによって便秘が悪化しないように注意しなくてはいけません。メジコンは市販薬を購入することもできますが、婦人科などで相談して処方してもらう方が便秘薬なども一緒に相談できるので安心です。
妊娠前に処方されたメジコンが自宅にあったとしても、産婦人科の主治医に確認してから内服しましょう。

高齢者

メジコンは、肝臓や腎臓といった臓器にさほど負担をかけず、副作用もコデインと比べると少ないので、高齢の方でも使いやすいせき止めといえます。
ただし、体の状態によっては量を減らして使用したほうがより安全に使用できる場合もあります。医師から少ない量で処方されている場合は、指示された量で使用するようにしてください。

眠気が出ることもある

よく使われるせき止めの「コデイン」より頻度は少ないですが、メジコンでも個々人の体質やそのときの体調によって眠気が出る可能性があります。
そのため、メジコンを使っている間は、車や自転車の運転を控えてください。

受診するタイミングは?

メジコンを使用しても、あまりよくならない時もあるでしょう。どんな時に医療機関を受診するべきか、3つご紹介します。

ヒューヒュー、ゼイゼイしている時

呼吸をするとヒューヒュー、ゼイゼイと音がする時は、受診しましょう。この音は、医学的には「喘鳴(ぜんめい)」と呼ばれ、空気の通り道である「気管」が狭まっていることをあらわします。簡単にいえば、喘息の可能性があるということです。
喘息は「子どもの病気」というイメージの方もいるかもしれませんが、大人になってから発症することもあります。せき止めだけを飲んでいても喘息はよくなりませんので、受診するようにしてください。

症状が悪化している・長引いている時

メジコンを使っているのに、咳の回数などが悪化している・よくならないと感じた時は、受診しましょう。
ただの風邪と思っていても、喘息や肺炎などになっている可能性があります。とくに、痰に血が混じっている・胸が痛むほど咳がひどい・体重が減ったなど咳以外の症状がある時には、肺炎などの可能性を調べたほうがよいでしょう。

「咳が出る」副作用のある薬を飲んでいませんか?

もしかすると、咳が出るのは薬の副作用かもしれません。
高血圧や心不全の薬の一部に、副作用で「コンコン」と乾いたような咳が出やすい薬があります。受診の際にはお薬手帳などを持参し、確認してもらうとよいでしょう。

まとめ

今回は、医療用のせき止めである「メジコン」について、効果や注意点をまとめました。
メジコンは、医療用のせき止めとして老若男女に幅広く使われています。市販薬でも購入できるほど効果や安全性が確立された薬です。
便秘の副作用が出やすいですが、そのほかに大きな問題になる副作用は少ないといえます。メジコンを飲んでいるのに咳の症状がよくならない場合には、喘息や肺炎の可能性も。漫然と長く飲み続けず、受診してください。